父の残したもの

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■年老いた母を介護する必要があり、連休は母の家に通っています(介護保険のヘルパーさんは連休明けの7日から)。連休ということもあり、いつもとは違って、ゆっくり母の世話をしています。介護の合間に、5年前に亡くなった父の書斎にいってみました。じつは、連休のあいだも大学の事務仕事があり、集中したかったのです。ところがです、集中できません。いろいろ懐かしいものが目にはいってくるからです。そういうものを手にとって眺めていると、記憶にないアルバムをみつけました。写真は一切張ってありません。写真ではなく、何処かに行った時の電車の切符や美術館や展覧会の入場券、家族旅行で宿泊したホテルの領収とか…、まあ普通であれぱ捨ててしまうよなうものが、大切にアルバムに張ってありました。実のところ、父が大切に思っていたかどうか…はっきりしません。たまたま、溜まっていたそれらのものをアルバムに整理しただけ…のようにも思います。単なる、物好き…なのかもしれません。ちなみに、ガラクタの類いばかりで、いわゆる「お宝探偵団」に出品できるようなものは、一切ありません。

■そのようなアルバムの中に、父の通勤定期がありました。トップの写真です。当時は、神戸市北区の山の街に住んでいました。そのため父の通勤提起には、神戸電鉄「山の街駅」発行に書かれています。父が働いていた会社は、阪神「元町駅」にありました。ですから「元町駅」から、自宅の最寄りの駅である「山の街駅」のひとつ隣の駅である「箕谷駅」までになっています。発行日は、昭和49年8月28日です。3ヶ月14,040円。父の年齢は、47歳です。この父の年齢の数字を見たとき、心になに少しズンと響くものがありました。とうの昔にこの頃の父親の年齢を超えています。この頃私は16歳。高校1年生で、神戸市長田区にある兵庫県立兵庫高校に通学していました。

■昭和49年=1974年8月って、どんな年だったのか…。wikipediaには、次のように書かれていました。前年が「オイル・ショック」の年、1973年でしたね。「ウォーターゲート事件」と「朴大統領狙撃事件」と「ベルサイユのバラ」は、同じ年の同じ月だったんですね。改めてみると、「へ〜〜!!」と思わずいってしまいます。

8月8日 - ウォーターゲート事件でニクソン米大統領辞任。フォード副大統領が大統領に昇格。
8月12日 - ダイハツ工業が同社初のSUV「タフト」を発売。
8月15日 - ソウルで朴大統領狙撃事件(文世光事件)。
8月15日 - 津川雅彦長女誘拐事件(翌8月16日に誘拐犯が逮捕され、人質は保護された)。
8月19日 - 国連人口会議
8月19日 - 第56回全国高校野球選手権大会は千葉・銚子商業高校が大会初優勝。
8月28日 - 神奈川県平塚市でピアノ騒音殺人事件が起きる。
8月29日 - 『ベルサイユのばら』が宝塚大劇場で初演を迎える(大ヒットになり、以後宝塚歌劇団の代表作の一つに)。
8月30日 - 東京都千代田区丸の内の三菱重工業本社で時限爆弾爆発(三菱重工爆破事件)。
8月末 - 熊本県の阿蘇山で1965年以来9年ぶりの噴火。

■アルバムには、こんな切符もありました。次の2枚の写真をご覧ください。阪神電鉄の国道線と北大阪線廃止記念の切符です。阪神の野田駅で昭和50年5月6日に購入したようですね。廃止の日かな…。元々、船舶関係のエンジニアだった父親が、何故、廃止になる電車に関心を持ったのか、そのあたりのことよくわかりません?たまたま…好奇心が湧いてなのかな?消えゆくものたちへの感傷的な気持ちからか。まあ、いわゆる「鉄ちゃん」ではなかったと思いますが、もし父が健在であれば、聞いてみたいところです。ところで、学生の皆さんはご存知ないでしょうね。かつて、大阪から甲子園まで阪神の路面電車が走っていたのです。電車は「キンギョバチ」と呼ばれていました。四角い金魚鉢をひっくり返したような形をしていたからです。

【追記】■父の名前ですが、恵人と書いて「めぐんど」と読みます。相当、変わった名前です。

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