「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」

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■一昨日の日曜日、夕方17時から、琵琶湖ホテルで「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」を開催いたしました。主催は、私が理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」と、野洲市須原で魚のゆりかご水田に取り組まれている農家、堀彰男さんが代表の「せせらぎの郷 須原」です。実は、堀さんとは昨年末あたりから、「世界農業遺産認定は、ゴールやなくてスタートや」、「民間からの提案で世界農業遺産・琵琶湖システムに関連した取り組みをやっていきたいね」、そのようなお話をしていたのですが、まずは「味わう会」として実現できて本当に嬉しく思います。準備がなかなか進まず、短期間であったにも関わらず、多くの皆さんが日程を調整して参加してくださいました。とっても嬉しかったです。本当にありがたかったです。会場では、あちこちで様々な「異業種交流」が生まれました。大いに盛り上がりました。こういうシーンが生まれることを願っていました。「味わう会」が人と人をつなぐひとつの小さな「触媒」になれたのではないかと思っています。

■世界農業遺産・琵琶湖システムは、「山・里・湖が育む、漁業と農業が織りなす」システムです。ですから、琵琶湖システムにはたくさんのつながりが埋め込まれているのです。その価値を共有するためには、そして価値を磨いていくためには、多様な関係者の皆様自身もつながっていく必要があります。そのようなつながりの中で、初めて価値を磨くことが可能になると思っています。「自分だけが得をする」のではなく、お互いに「贈りあう」関係の中で地域社会が共に浮上するような状況が生まれてくると素敵だなと思います。

■そのような「贈りあう」関係が、県内の水産業や農業に関わる皆さん、食品産業に関わる皆さん、飲食業に関わる皆さん、旅行業に関わる皆さんの間に生まれたとき、「近江テロワール」のようなものが生まれてくるのだと思います。また、中山間地域にも琵琶湖システムの価値の恩恵を届けることができると思うのです。琵琶湖システムを土台から支えているのは山なんですから。

■「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」、多くの皆さまにご参加いただき、大盛況のうちに御開きとなりました。特に、青田朋恵さんのご講演は、世界農業遺産認定を目指し、その先頭に立ち、獅子奮迅のご努力をされてきた方ならではの素晴らしいものでした。ありがとうございました。

20230418ajiwaukai2.jpg■また、喜多酒造の喜多良道社長からは日本酒の味わい方についてのご講義もいただきました。参加された方達を深く納得させる名講義でした。ありがとうございました。須原のゆりかご水田米を原料にして醸した「月夜のゆりかご」と「喜楽長純米大吟醸」を飲み比べながら、日本酒の奥深さを味わうことができました。このような近江の米で近江酒が醸されるような連携が、日本酒以外にもたくさん生まれてきてほしいなあと思っています。

■滋賀県が世界農業遺産申請に取り組むスタート時の農政水産部長であった安田全男さんからは、乾杯のご挨拶とご発声をいただきました。安田さんのご挨拶、心に染みるような思いでお聞きしていました。大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で安田さんとお会いし、世界農業遺産に関わる話で盛り上がった時が、私にとっての全てのスタートでした。

■昨日は、主催者である須原の堀さんによる「魚のゆりかご水田」の取り組みの他に、長浜市早崎で取り組まれている「魚のゆりかご水田」の事業についても、ご報告をいただきました。それぞれの取り組みに、独自の工夫と多様な展開があることを、参加された皆さんと共有できました。このような独自の工夫と多様な展開を、もっと多くの農家の皆さんと共有できればと嬉しいです。

■今、いろんな思いが溢れて、その全てを書ききれないのですが、このブログの投稿を通して私からの感謝の気持ちを多くの皆様にお伝えしたいと思います。今後も、第2回、第3回と工夫しながら継続していければと思っています。ありがとうございました。この日は、琵琶湖ホテルさんにもかなりご努力をしていただきました。琵琶湖ホテルさんにも、共に琵琶湖システムの価値を磨いていく側として、ご協力くださいました。心より御礼申し上げたいと思います。おかげさまで、素晴らしい会になりました。ありがとうございました。

■最後、もうひとつエピソードを。「味わう会」、無事に終えることができて嬉しかったものですから、持ち込んだ自分のパソコンを、うっかりそのまま会場に忘れてきてしまいました。そのことを自宅に戻ってから気がつきました。ということで、再びパソコンを受け取りにホテルに向かいました。いやはや…です。私は、主催者側で司会をしていたこともあり、食事やお酒を楽しむ余裕はほとんどありませんでした。といいますか、体調のこともあり、美味しいお料理もお酒もあくまで控え目にしていました。パソコンを回収し、帰宅したのちは、野菜をしっかりいただきました。

20230418ajiwaukai3.jpg■今回の「味わう会」には、読売新聞の編集局部長がご参加くださり、編集委員と記者さんがご取材くださいました。ありがとうございました。読売新聞では、現在取り組まれている「農project」で、世界農業遺産・琵琶湖システムにも注目していただいています。これからも記事が続々と出ていくのではないかと思っています。ぜひ、皆様もご注目いただければと思います。また、毎日新聞にコラムを書いておられる家鴨あひるさん(ペンネーム)もご参加くださいましたが、家鴨さんにも連続してコラムをご執筆いただけるとお聞きしています。とっても楽しみにしています。

【追記】■18日の読売新聞朝刊の滋賀版に、記事が掲載されました。編集委員の記者さんのお話では、また取材をしてくださるとのことでした。世界農業遺産・琵琶湖システムの価値を磨く活動について、多くの皆さんに知っていただきたいと思います。

「夏原グラント」と「モバイル本棚」

20230312natsuhara_grant.jpg ■本日は、平和堂財団夏原グラント・一般助成2年目の団体の皆さんによるプレゼンテーションの日でした。地域で取り組まれている活動のお話を伺っています。いつものことながら、勉強になります。場所は、草津市立総合交流センターです。立派な施設ですね。草津市が羨ましい。大津市は…。それはともかく、掲示板に面白いグループのポスターを見つけました。

■おそらく、この団体の皆さんかと思います。「学び床」という団体です。そのようなことをfacebookに投稿すると、すぐに代表の池田次のようなコメントが入りました。「モバイル本棚、少しずつ活動を広げています!! またお話しましょう」。これは、また会いに行かないといけませんね。

20230312mobile_bookshelf.jpg ■ポスターには、こう書いてあります。

学び床って?
「社会人がまちに出る」をモットーに、学びや本をベースにした様々なコンテンツを通じて交流し、まちとつながる実践型コミュニティです。

モバイル本棚って?
その名の通り、手作りの移動式本棚。
大きさ:車に詰めるくらい
収納冊数:できるだけ
走行可能距離:未知数

活動の背景?
こんにちは、代表の池田です。
私は、まちづくりや生活の基盤に関わりたいとの思いから、鉄道会社に入社しました。
とはいえ、既存の組織や肩書きではアプローチできないことがたくさんあります。
私は同じような会社員や、またはそうでない人も、既存の枠組みから「越境」し、地域や暮らしを考えたり、人との出会いを通じそこから新たな挑戦が生まれてくる。そんな「まちの入り口」になっていけばなぁと思っています。

活動内容は?
月に2回程度、de愛ひろばなどに本棚を置き、集まった人が自由に本を読んだり、本を通じて対話したりしています。神社や畑など様々な場所でも場づくりを計画中。ゆくゆくは、地域の人と好きな本などを持ち寄り、シェア型図書館を展開したい。絶賛仲間募集中です。
その他、有志で古本市を開いたり、公共公益機関などと連携し市民参加型アクションを行っています。

■素敵じゃないですか。

アイデアソン「滋賀の未来をベンリにするアイデアを考えよう!」

20230223mynumber.jpg■今日は、特定非営利活動法人「琵琶故知新」の主催でこのような「アイデアソン」を「コラボしが21」で開催しました。今回は理事の皆さんが準備を進めて開催されました。ありがとうございました。私は、琵琶故知新の理事長ですが、今日は滋賀県民として参加しました。マイナンバーカードについて、いろいろ思うところがあるので、参加して良いものやら…と戸惑いもありましたが、準備を進めてこられた理事からのお誘いもあり、参加することにしました。

■マイナンバーについての基礎知識や実践例を専⾨家3名から説明していただいた後、個⼈のアイデアを元にチームを編成し、アイデアをブラッシュアップした後にチーム発表でアイデアを競う、そのような内容です。専門家の説明というか講演でしたが、私にとっては、KAKEHASHI代表取締役の中尾豊さんの講演がグッときました。薬局のDXに関する事業を立ち上げてこられたプロセスに大変共感しました。常々言っている環境ガバナンスにおける「鳥の目」と「虫の目」の対話と、本質的には同じことなんだと思ったからです。

■残念ながら、私は午後から別の用事があるため、個人のアイデア出しの段階までの参加になりました。勝手に自己紹介をやり始めてわかったのですが、私がたまたま座ったテーブルの方たちは、金融業界と小売業界の方達でした。業界を超えて刺激的な意見交換をして、良いアイデアにまとまったらと思います。
滋賀県地域情報化推進会議 滋賀の未来をベンリにするアイデアを考えよう!マイナンバーカード活用ワークショップ

これからの自治会、まちづくり

20230203jitikai.jpg■先日、大津市役所の「大津市協働を進める三者委員会」が開催されました。 委員の皆さんから、いろいろ意見をお聞きしましたが、やはり自治会の問題が一番重かったかなと思います。市役所のほうは、昔と変わらず自治会がしっかりしてほしいと、やはりどこかで考えておられるようなのですが、委員の皆さんからは、「もうそんな考えをしている段階ではない」という厳しい意見をたくさんいただきました。大津市内でも、地域によって違っているとは思いますが、自治会の加入率は低迷しています。

■自治会は、行政にとっては「便利な仕組み」だと思います。自治会の加入率が低くなっても、この自治会という制度に、ある意味「しがみつきたい」のは理解できますが、実質的に地域を代表する組織ではなくなりつつあります。もちろん自治会はあっても良いと思いますし、今も必要とされているところもあります。そうなんでが、同時にそれとは別の仕組みも必要なのではないかと思います。地域の皆さんからは、特に若い世代の皆さんからは、少しひどい言い方になりますが、行政や公的機関の方から何か仕事を押し付けるような仕組み…としてしか理解されていないように思います。機械的に自治会の役員の順番が回ってきた時に、自治会をやめる人もおられます。役員の成り手がいないのです。これは、大津市だけでなく、全国的な傾向です。

■自治会とは別に、この地域に暮らすことの「楽しさ」を生み出すような共助の仕組み、地域の「心配事」(例えば防災)を解決/緩和するための共助の仕組み、そのような仕組みを立ち上げていく必要があるのではないかと思うのです。以前、この委員会では、そのような仕組みを立ち上げた例をお聞きしています。もちろん、そのよう仕組みは、自分たちのためのものであって、行政の「下請機関」になるための仕組みではありません。

■加えて、情報です。市役所は、オープンデータや地域カルテといった形で情報を提供しているのですが、一方的に提供しても、誰も利用してくれません。特に、地域の「心配事」、たとえば地域の防災に関する心配事に寄り添うような形で、データを地域ごとにカスタマイズできなければ…と思います。地域の災害リスクを示した地図の上に、地域の微細な高齢化率の違いを表現した地図を重ね合わせてみると(個人情報の関係で困難さが伴うのですが)、「普通だと避難できるかもしれんけど、このあたりは高齢者の方が多いから、どうやって避難しはるんかな、誰がサポートするんやろ、なんとせんとあかんやん」という「発見」(気づき)が地元の皆さんによって為される必要があると思うのです。これは、例えば…の話ですですけどね。そういう相談事、今の市役所では対応できません。そう言われました。市民の主体的な動きに対して、きちんと寄り添える仕組みがないのです。

■お一人の委員からは、お隣の草津市はもっと市民の相談事にきちんと寄り添っているのに、なんで大津市はできないのかという厳しい質問も出ました。こうなると、職員研修等の問題も考えないと…という話になってきますが、これからの地域自治を行政としてどのように支えていくのか、もう一度、しっかり考え直す必要があるのではないかと思います。

平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」10年を振り返る


■「平和堂財団環境保全活動助成事業『夏原グラント』10年を振り返る」という動画です。京滋地区を中心に多数店舗を展開する「平和堂」さんが設立した平和堂財団の、特に環境保全に特化した助成、「夏原グラント」の選考委員を長く勤めてきました。選考委員としては、少し地味ながら素敵な動画ができたなと思っています。少し長めの動画ですが、どうか皆様もご覧ください。

大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で奇跡の再会!!

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■昨晩、帰宅前に、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」に顔を出しました。だいたい火曜日に行くことにしているのです。まあそういうわけで、いつものご常連の皆さんとカウンターで飲んでいると、4人組皆さんがテーブル席に。背中の耳で注文の内容を聞いていると、ご常連ではない一見さんだなと。ところが、一見さんの4人組のうちのお一人から、「脇田さんじゃないの!!」と声をかけていただきました。なんと、岩手県立大学に勤務していた時代に交流のあった吉成 信夫さんではないですか。おそらく約20年ぶりの再会かと思います。吉成さんは、岐阜市立図書館の館長の後、メディアコスモス全館をマネージをされています。いや、ほんまに、なんていうたらいいのか、びっくりしますわ。

■お聞きしたら、吉成さんをはじめとして4人の皆さんは、JIAM全国市町村国際文化研修所の講師として大津に来られているとのことでした。皆さん、全員、図書館関係の館長さんです。吉成さんは岐阜、あとの皆さんは長野、静岡、鹿児島で図書館の館長をされている、あるいはされていた方達です。おそらく、それぞれユニークな発想で図書館を経営されているのだと思います。驚いたことに、鹿児島の館長さんのお知り合いは、私が指導している学生のお父様(保育園園長)。静岡の館長さんのお仲間は、龍谷大学の同僚である川中大輔先生。世間は狭いと言いますが、日本は狭いですね〜。というか、大津駅前の「利やん」恐るべし…です!!!

【追伸】■この投稿をした後、鹿児島の指宿市立指宿図書館の館長をされている下吹越 かおるさんとfbの友達になっていただきました。ありがとうございます。平賀 研也さんと土肥 潤也さんにも。ありがとうございます。

地域づくり型生涯学習

20230110hashima-shi.png ■岐阜県の羽島市で、来月、講演をさせていただくことになりました。羽島市では、2回目になります。岐阜県には、何度も講演やワークショップをしに伺ってます。いずれも、「地域づくり型生涯学習」というテーマのものでした。

■岐阜県に呼んでいただけるようになったのは、お隣の愛知県で「団塊世代提案型地域づくりモデル事業審査委員会」の委員のお仕事をお引き受けしたことがきっかけでした。この審査委員会は公開で行われました。最後には、短い講演も行いました。たしか、2005年頃のことかと思います。その講演が終わった時、私の講演を聞かれた岐阜県の生涯学習の担当者が、私の方に向かってやってこられました。そしてその時、岐阜県の「地域づくり型生涯学習」を手伝って欲しいとの依頼を受けたのでした。その後、岐阜市、各務原市、可児市、中津川市、羽島市…と岐阜県内の各所で講演やワークショップを行いました。そのうちの一つが羽島市だったのです。

■生涯学習の専門家でもなんでもないのですが、私がお引き受けするので、その前についている「地域づくり型」の方にウエイトが置かれることになります。あらかじめ、そのようにお断りをしたのですが、むしろそういう講演をしてほしいということでした。そんなわけで、岐阜県の皆さんといろいろ交流させていただきました。ありがたい経験でした。

■岐阜県は以前の知事さんが生涯学習に大変熱心だっのです。ところが、知事さんがかわることになり、新しい知事さん新しい政策の中でそれまでの生涯学習の位置付けも変化しました。生涯学習を地域づくりと結びつけて「地域づくり型生涯学習」という形で継続することになったのでした。まあ、その辺りは、当事者ではないので詳しい事情はわかりません。岐阜県で「地域づくり型生涯学習」の最後は、中津川市でした。岐阜県庁とは別に、中津川市役所の企画された事業でした。中津川市のあちこちの皆さんと交流させていただきました。楽しみでした。2017年のことですね。あれから6年目になります。

■この度は、再び羽島市がお呼びくださいました。2月4日にお話をさせていただきます。羽島市といえば、昨年、龍谷大学吹奏楽部が演奏旅行で伺ったところです。残念ながら演奏は、コロナの関係でできなくなりました。本当に申し訳なかったです。まあ、今度の講演会は吹奏楽部とは関係ありませんが、私自身の気持ちとしては、「その節はご迷惑をおかけいたしました」という感じです。講演のタイトルですが、「地域づくり型生涯学習~学びが育むひととまち~」です。市役所の職員さんの方からご提案いただきました。まあ、どんなタイトルでも大丈夫なんですが、今回は、ジェンダーのことにも触れながら、地域づくり型生涯学習のお話をさせていただく予定です。

2023年 あけましておめでとうございます。

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■あけましておめでとうございます。いつも拙ブログをご覧くださり、ありがとうございます。ただ、日々の出来事を書いているだけのプログで、何の役も立ちませんが、どうか本年もどうぞよろしくお願いいたします。大晦日に息子が帰省してきました。帰省とはいっても、今暮らしている大津の家は、息子が成長した家ではないので、実家に帰省するというよりも親の家に行くという感じなのかもしれません。今朝は、大津街中の乾物屋さんで購入した上等な昆布と花鰹を使って、きちんと出汁をとり、お雑煮を作りました。お雑煮だけは私が作ります。我が家のお雑煮は、元旦だけはおすましです。水菜と鶏肉、そして焼き餅と柚が入ります。2日からは関西風の白味噌雑煮になります。

■明日、2日は、娘の家族が4人でやってきます。孫のひなちゃんとななちゃんがやってきます。とっても楽しみにしています。ひなちゃんは3月で6歳、4月からは小学生です。ななちゃんは、もうじき2歳半、たくさんおしゃべりできるようになりました。3日は、4世代の親戚が集まり、奈良で新年会開きます。コロナで新年会を開催できない年が続いたので、ひさしぶりの新年会になります。甥が結婚したので、今年の新年会は奥さんを連れてきてくれることになっています。このことも、また楽しみです。いつもとかわらない、平凡なお正月です。でも、これこそがお正月だと思っています。今年も平凡なお正月を過ごせることに、感謝したいと思います。

■少し仕事のことも書いておこうかと思います。昨年のことになりますが、個人的に一番大きな出来事は、国連FAO(国際連合食糧農業機関)に申請していた「琵琶湖システム」が、世界農業遺産に認定されたことです。私は、2016年から申請作業のお手伝いをしてきたので、この認定を大変嬉しく思っています。ただ、認定はゴールではなくて新たなスタートです。認定された「琵琶湖システム」の価値を、多くの皆さんと共有してさらに磨きをかけていかなければなりません。ということで、民間主導で世界農業遺産である「琵琶湖システム」を使い倒していく(活用して価値をさらに引き出す)イベントや取り組みを始めようと思っています。私は、大学教員というよりも、特定非営利活動法人「琵琶故知新」の理事長として、その事業に関わっていきます。ささやかな事業かもしれませんが、「世界農業遺産」認定をさらに展開していくひとつのモデル事例になればと思っています。内容が確定するまで、ブログには書けませんが、乞うご期待!!…です。早春までには、明らかにできると思います。

■2つめです。龍谷大学社会学部は、2025年に京都の深草キャンパスに移転します。移転に伴い、現在の3学科体制から1学科体制になり、新しいカリキュラムになります。私は、深草キャンパスに移転した後は2年しか勤務しないので、旧カリキュラム(現在のカリキュラム)の専門科目は担当しますが、新しいカリキュラムでは1回生の授業にウエイトを置いて勤務することになるのではないかと思っています。それはそれで良いのですが、問題は現行のカリキュラムから新カリキュラムに移行する中で消えていく授業の「後始末」です。

■現在、社会学部では「びわ湖・滋賀学」という授業を開講しています。私はこの授業のコーディネーターを務めています。私が龍谷大学に赴任する以前からあった科目で、現在は、大学コンソーシアムを通して、他学部や他大学の学生の皆さんにも開講できるようにしています。ただ、社会学部が深草キャンパスに移転すると、京都のキャンパスで「びわ湖・滋賀学」を継続するわけにもいきません。そこで、関係者の皆さんに働きかけ、お願いをして、移転までの間、社会学部の授業と同時に瀬田キャンパスの教養科目としても同時に開講できるようにしていただきました。これで瀬田キャンパスの先端理工学部や農学部の学生の皆さんも履修しやすくなります。社会学部が深草キャンパスに移転した後は、琵琶湖の近くにある瀬田キャンパスの新たの教養科目となればなあと考えて、引き続き関係者の皆さんにお願いをして協議をしていくことになっています。というのも、これからは、学部単位ではなく「キャンパス単位」でいろんなことを考えていく必要があると考えているからです。18歳人口が急激に減少していく中で、「選ばれる大学」として生き残るためには、キャンパスの将来ビジョンに合わせた「キャンパス単位」のカリキュラムが必要だと思っています。

■3つめです。うまく行けば、2024年度は特別研究員として研究に専念できる年になりそうです。すでに、2023年度のゼミ生の募集からは外れています。2024年に4回生になるゼミ生を指導ができなくなるからです。大学教員として研究に専念できる最後のチャンスになります。このチャンスを活用して、過去に書き溜めた論文を加筆修正し、新たに書き起こす論文も含めて、書籍にして出版しようと思っています。ずいぶん以前からそのような思いは持っていたのですが、その時々に、研究プロジェクトや学内行政に関連する別の大きな仕事があったため、私の能力ではそのような出版を実現することができませんでした。ということで、2024年度まで待たずに、20223年度から少しずつ作業に取り組むことにしました。すでに出版社の編集者の方と相談を始めています。なんとしても実現します。

■社会貢献、教育、研究に関して、今考えていることを書いてみました。あと、学内行政の仕事もありますが、これは私が決めることでもないので、なんとも言えません。ただ、2024年は絶対に特別研究員にと思っています。来年からは前期高齢者になり、体調や体力の問題もあり、昔のようなペースで仕事に取り組めなくなっているのですが、ここは頑張って、自分で自分を叱咤するつもりで投稿しておくことにします。

■最後に。仕事関連の皆様に年賀状を送ることをやめてしまってから数年が経過しました。今まで年賀状を送っていた皆さんに何もお伝えすることのないまま、やめてしまいました。失礼をどうかご容赦ください。トップの画像は、「家族用」の年賀状の一部です。作成したのは私ではありませんが、素材の花を育てているのは私ですので、この点も含めてご理解いただければと思います。

実現するか「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」

■今週の木曜日に、野洲市の須原に出かけました。世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」を「学び」+「体験して」+「味わう」、そんな「大人の体験学習」の企画について、野洲市須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている堀さんや、龍谷大学RECの熊谷さんとご相談をさせていただきました。そのご相談から派生して、「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」のというアイデアとして出てきました。

■「鉄は熱いうちに打て」というわけで、さっそく知り合いの皆さんに相談をさていただくことにしました。いつもお世話になっている方を介して、某ホテルの幹部社員さんとお話しをさせていただくことができました。民間の力で世界農業遺産認定を盛り上げていこうという趣旨を前向きにご理解くださり、「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」の開催にもお力をお貸しいただけることになりました。また、ホテルとしてもご参加いただけることになりました。

■前にも書いたことの繰り返しになりますが、いろんな「力」や「可能性」お持ちの方たちとつながって、相補的に支え合うことで、いろんな夢が実現できます。本当に、人とのつながりは財産です。大切だと思います。昔、タレントのタモリさんがお昼にやっていた番組の有名なフレーズを拝借すれば、「友達の友達はみな友達だ、琵琶湖の周りに広げよう世界農業遺産の輪」という感じになりますかね。「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」、来年の春にはまずは第一弾を実現させたいと思っています。

世界農業遺産・魚のゆりかご水田・大人の体験学習

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■木曜日は、午後から留学生の授業なのですが、今日は午前中に野洲(滋賀県野洲市)に行きました。野洲市の須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている「せせらぎの郷 須原」の堀 彰男さん、龍谷大学RECの熊谷 睦史さんと一緒に、世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」を「学び」+「体験して」+「味わう」、そんな「大人の体験学習」の企画について相談しました。最後の「味わう」は、お米はもちろんですが、魚のゆりかご水田米から醸した日本酒もです。

■地域社会(農家)と、地域の大学(龍谷大学)と、地域のNPO(特定非営利活動法人「琵琶故知新」)が連携して、「琵琶湖システム」を盛り上げていく企画です。将来は、野洲川中上流の皆さんとも繋がっていきたいです。世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」は流域単位で、流域ごとに、それぞれの流域固有の価値を再認識し、磨いて、経済的にもプラスになるように連携していくと素敵だと思っています。最後の経済的…というところが大切だと思っています。

■今日はいろいろ相談をしていて、派生的な企画も生まれてきました。そのうちにホテルの関係者にも相談にあがりたいとおもいます。これも世界農業遺産がらみの企画です。「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」みたいな感じかな。このような話をしている時が、一番楽しいな(^^;;。いろんな「力」や「可能性」お持ちの方たちとつながって、相補的に支え合うことで、いろんなことが実現できます。人とのつながり、財産ですね。大切だと思います。それぞれの専門性のコラボレーションから素敵なハーモニーを奏でられるかな。

■というわけで、舞い上がりすぎて、大切なものが入っているショルダーバッグを写真の喫茶店(コメダ珈琲)に忘れてしまいました。野洲駅まで戻って気がついたので、喫茶店までジョギング。ひさしぶりに、ジョギングしました。気をつけないといけません。

「魚のゆりかご水田」

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