早朝出勤
▪︎ 研究のことをいろいろ考え続けていると、脳みそが緊張して、十分に睡眠時間をとらないままに目が覚めてしまいました。時計をみると3時。歳をとると睡眠時間が短くなるといいますから、ひょっとすると「老人力」がついてきたのかもしれません。もう一度眠っても良かったのですが、目が冴えてしまいました。仕方がないので、いろいろ調べごとを初めました。
▪︎熱いシャワーを浴びて、朝食を簡単にとり、6時10分には自宅を出ました。大学に到着したのが、この写真の時間です。7時42分。龍大に勤務して11年になりますが、こんなに早く大学に出勤したことはありません。自己記録ですね。今日は風はありませんでしたが気温がかなり低いようで、ご覧のように、時計もミラーも凍っていました。そして空には、なんだか不思議な雲がひろがっていました(少し、不安な気持ちにもなります)。
▪︎今日は、1限が「地域社会論Ⅱ」の授業でした。今年度、最後の講義でした。授業の最後に、地域連携型教育プログム「大津エンパワねっと」コースの「地域エンパワねっとⅠ」を履修している学生がやってきました。「地域エンパワねっとⅠ」の次に「地域エンパワねっとⅡ」を履修するためには、「大津エンパワねっと対応科目」という科目群のなかから複数の授業を選択して履修しなくてはいけないことになっています。私の所属する社会学科のばあいは、そのような科目のひとつが「地域社会論Ⅰ」なのです。「正直いうと、最初は『地域エンパワねっとⅡ』のために仕方なく履修したのですが、今では履修して良かったと思っています。内容にとても関心をもつとができたし、よく理解できました」と、その学生は授業の感想を直接私に伝えてくれました。ありがたいことですね。あまり、こういうこっ恥ずかしいことを嬉しがって書くべきではないのでしょうが、授業が上手い方ではないだけに、素朴に嬉しいなと思いました。
facebookの投稿
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■以下は、今日、facebookに投稿したものです。ひとつは、朝、通勤する近鉄の車内の吊り広告をみて思ったことです。いつもは、facebookの投稿を加筆修正してブログにアップすることが多いのですが、今回は、そのまま掲載させてください。
おおっ、近大や!同業者の「情報発信」は、やはり正直なところ気になる。この状況の中で、気にならない大学人はどうかと思う(たとえば、こんな人…と書きたい気持ちもあるが、やめておこう。自分の定年まではなんとかなるやろ…などとは考えないほうが良い)。
それぞれのニッチをみつけて状況の変化にどう対応・適応できるのか。差別化をはかる際の、質が重要だ。そのための多様な組織内資源に気がつくことも大切だ。そして、状況の変化に適応・対応するスピードも。
昨日は、こういった戦略に関してヒアリングを受けた…というか、夢語りをしてしまった(すみません…)。「アホか!」と言われることを恐れず、妄想=夢を、ちゃんとした志を密かに持った人びとに語り続けていると、いつか創発的に形が浮かび上がり、ひとつの大きなベクトルが生まれ、現実のものとなっていくのだ。
■お読みいただいても、よくわからない話しですよね。自分に言い聞かせているためもあるので、お許しください。そのうちに、何か大学での取り組みに関して報告できるようになるかもしれません。以下も、本日、投稿したものです。こちらは、今の自分のこと、個人的なことでしょうか。
40代の半ばで、今の職場に異動した。学内外、いろんな方達から、いろんな仕事を頼まれ、可能な限り断らずに引き受け、「なんで引き受けてしまったんやろ…」と思うこともあったし、理不尽な目にあって体調を崩してしまったこともあったが、真面目に働き、それなりの成果を出し、同時に自分の中に経験知をためてきた。それが私の心や頭の樽の中で良い具合に絡まり発酵してきた。歳を取って良いことは、そういうことなのかなと思う。
もっとも、これは、これまで出会ってきた皆さんのおかげ。お陰様…とは、こういうことをいうのだ。そういう意味で、いろんな方達から「贈られた」目に見えない「何か」を、自分の中でさらに醸し、今度は社会に向かって「贈り返す」ことが必要だ。
松岡正剛による、ナタリー・サルトゥー=ラジュ『借りの哲学』の書評の最後。
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本書の結論は、人間は「借り」からは逃げきることはできないということにある。だからこそ、借りを認め、借りを別の方法で回遊させるしくみを考えるべきだというものになっている。
これは依存関係や貸借関係や贈与互酬関係を、もっと高次化するべきだという構想だ。「借り」を前提にした社会システムこそつくるべきだという構想だ。その具体策や制度案はまったく示されてはいないけれど、その骨格にくるのは、おそらく「返さなくてすむ借り」をシステムの中心にもってくることだろう。
本書は、こんなふうに結ばれている。
‥‥「足りないものがある人」に「借り」を通じてその足りないものが贈与され、「欲望が満たされた人」が今度は何かを贈与して、また別の「足りないものがある人」の欲望を満たす。足りないものをそうやって獲得する社会が待望されるのだ。
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全国大学の地域貢献度ランキング
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■ある方が「日経グローカル」最新号に「特集 全国大学の地域貢献度ランキング(上)迫られる「地方創生」への機能強化」という記事が掲載されていることを教えてくださいました。大学の仕事の関連して、情報提供してくださったのです。まだ一部しか読んでいないのですが、我が龍谷大学の「大学地域貢献度ランキング」は、全国747大学中の「27位」。私立大学では、長野大学、松本大学、立命館大学についで「4位」なのだそうです。地方の国公立大学が上位にならび、都市部の大規模私立大学は下位になる傾向があるなかで、しかも上位30大学のうち16大学がCOC採択大学だということからすると、龍谷大学は、けっこう頑張って高位にランキング入りすることができている…ということになります。社会学部の地域連携教育プログラムである「大津エンパワねっと」や「北船路米づくり研究会」も、龍大が「27位」や「4位」に位置づけられることに、なんらかの貢献ができているのではないかと思います(…そう思いたい)。
■もっとも、こうやって新聞社に「ランキング」をしていただくのはよいのですが、実際に指導している担当教員からすると、まだまだ…という感じがします。まだまだ…というのは、まだまだ伸びる可能性が眠っているということです。他大学の取り組みについても、「実際の中身」をもっと知りたいと思います。もっと相互に交流して勉強をするべきかとも思いました。もうひとつ付け加えれば、「国の高等教育の政策動向」、「地域の実情とニーズ」、「大学の戦略」、「教育プログラムの中身・カリキュラム等のテクニカルな事」、それから「教員評価」(これが重要なのだ…と思うのですがね〜)、それらをトータルに視野に入れて考えないといけないと思うのですが、そういうことに賛同してくれる人はあまりいない…と思います。残念ですが。
■しかし、学内に分散する地域貢献・地域連携への様々な「志」をもった教員がコツコツと頑張ってきた結果が、このランキングの数字に示されている…ように思います。学外の新聞社のランキングで、勇気と元気を与えてもらえるとは思ってもみませんでした。そういえば、大学基準協会の評価でも、地域貢献の部分は高い評価を得ていました。今回も、ちゃんとした評価を新聞社からもいただけたと喜んで良いのではないかなと思っています。ここから、どのようにしてまだ眠っているシーズを掘り起こしながら、全体のグランドデザインを描き、そこにちゃんと実質を与えつつ(絵に描いた餅の類いはもうやめにしたい…)飛躍していくか…。まだまだ先は遠いですが、頑張ります。
龍谷大学社会学部の職務限定職員(専門職務職員Ⅰ)募集
■龍谷大学社会学部では、「実習指導サポート等業務」に従事する「職務限定職員(専門職務職員Ⅰ)」を募集しています。応募資格は、「龍谷大学の建学の精神(浄土真宗の精神)を理解し、以下の条件に該当する方・地域活動やボランティア・市民活動、企業等による社会貢献・地域貢献活動に関する、活動経験、推進支援経験、または強い関心・熱意を有していること」です。詳しくは、以下のページをご覧ください。
http://www.ryukoku.ac.jp/employment/jimu_ts_20141128.html
関西学生アメリカンフットボール入替戦に思うこと
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■今年の関西学生アメリカンフットボール、1位は関学か立命館か…という話題とともに、1部と2部との入替戦が注目を浴びました。「京都大学」対「追手門学院大学」の試合です。昨日、その試合が神戸の皇子山スタジアムで行われました。京大の大西監督は、追手門学院の水野監督の教え子です。大西さんが現役のときは、水野さんは京大の監督でした。ということで、「子弟対決」ともいわれました。また、「京大は創部以来、初めての2部転落か…」と、多くのファンが注目したわけです。試合結果は「京大52-0追手門学院大」で京大の完勝でした。
■とはいえ、私は、追手門学院大学の頑張りは立派だと思います。デイリースポーツでは、以下のような記事が掲載されました。
追手門学院大は77年以来の1部復帰はかなわず、完敗に水野総監督は「京大の胸を借りるようになるのは、2、3年後でしょうね」と話した。
「うちは2部でも弱い方、特にラインは最弱」と言うが、巧みな手腕で入れ替え戦まで導いた。「今年は舞台に上がれるチームじゃないけど、よお頑張った」と選手をねぎらった。
■あの水野監督が、「よう頑張った」と言ったのです。追手門学院の選手たちは、試合には負けました。きっと、完封されて悔しいと思います。しかし、このような「よう頑張った」というねぎらいの言葉を監督からかけられて、選手たちはグッときただろうなと思います。さらに、強くなると思います。今年の春から指導している水野監督とは、当初、対立した時期もあったといいます。しかし、水野監督のもとで練習を積み、確実に実力をつけてきたことを,選手たち自身が一番実感しているのではないでしょうか。こちらは、朝日新聞「Asahi Shimbun Digital」の記事からの抜粋です。
一方、敗れた追手門大の水野総監督は「もう少しやれると思っていたが、選手たちが固くなってしまった。今年は助走のようなもの。来年はもっと選手を集めて、一からチームを鍛え直したい。現時点の戦力では、選手たちはよく戦ってくれたと思う」と試合を振り返った。
今季、追手門大は水野総監督の下、2人のプロコーチを採用するなどチームを強化して、大きな変革をもたらした。この日、けがのため試合に出場することができなかった主将の馬場貴弘は、「最初はみんなばらばらだったが、水野監督流の厳しい練習を乗り越えて、成長することができた。1部に上がって甲子園ボウルに出場するという夢は、後輩たちに託したい」と涙ながらに語った。
■記事の引用の最後にある馬場主将の言葉、素敵ですね。こういう経験は、体の中から一生消えることはないと思います。もちろん、スポーツだけではありません。勉強でも、研究でも、地域での活動でも。大きくても、小さくても。あらゆることで、学生たちはこういう経験をします。問題は、「本気」になって取り組み、その経験が、自分中にしっかり「定着」しているかどうか。経験が根を張っているかどうか。そういう経験が、将来、その時の自分の枠を超える基盤になるのだと思うのです。馬場主将やチームメイトにとって、今年の経験は、一生の財産になるはずです。こういう経験を「最初はみんなばらばらだった」学生たちにさせられる水野監督、本当にすごいと思います。口先だけの、自己満足的な指導ではないですからね。ほんまもんです。
■この記事に関連してfacebookに投稿したところ、ある大学の先生が、以下のようなコメントをくださいました。
学生たちの言葉に「少しずつ頑張っていきます」というまとめの言葉があります。私はこの言葉を聞くたびに『それはやりませんといういみですね』とか『少しずつやって出来るのは、かなり出来ている人のやりかたです』と言います。
『現実は、すんごい頑張って、少しだけできるようになる、です』小学生がお習字を始めたときに言う言葉なら分かるけど、大学生が言う言葉ではない。
■この先生にお尋ねしたところ、身近におられる学生の皆さんに対しての「お叱り」の言葉でした(安心しました…)。どの大学でも、状況は似ていますね…。
「環びわ湖 大学地域交流フェスタ2014」
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■一般社団法人 環びわ湖大学・地域コンソーシアム主催の「環びわ湖 大学地域交流フェスタ2014」が開催されます。「大学地域連携課題解決支援事業」&「学生支援事業」活動報告会です。日時は、12月20日(土)13:00〜16:30、場所は大津市の「コラボしが21」(3階大・中会議室)です。私がアドバイスをさせていただいた、大津市役所の企画調整課と龍大生たちのチーム「おおつ未来まちづくり学生会議」も、「理想の大津つくろう〜大学生が考える未来の大津」という報告を行います。
■このブログでの「おおつ未来まちづくり学生会議」関連エントリーは以下の通りです。
おおつ未来まちづくり学生会議
第2回「おおつ未来まちづくり学生会議」の開催
第3回「おおつ未来まちづくり学生会議」
「おおつ未来まちづくり学生会議」発表会
「おおつ未来まちづくり学生会議」発表会、無事に終了しました。
大学のホームページに「第4回 おおつ未来まちづくり学生会議」の記事
■トップのチラシですが、どういうわけか「おおつ未来まちづくり学生会議」の写真が使われています。
大学のホームページに「第4回 おおつ未来まちづくり学生会議」の記事
来年度の仕事
■そろそろ来年度からの仕事の様子がはっきりしてきました。
■大学教員の仕事は、教育、研究、学内行政、地域貢献(連携)…およそ4つ分野に分かれると思います。龍谷大学に勤務して11年目になりますが、その間で、一番大変だったのは学内行政でした。学生生活主任、研究主任、社会学研究科専攻主任、研究科長…と学部や大学院の仕事が7年も続いてきました。研究科長については、再任で2期連続4年になります。その間、大学院社会学研究科の「東アジアプロジェクト」(国際化)や「カリキュラム改革」(高度専門職業人教育な向けて)等、大学院の改革を微力ながら進めてまいりました。学生生活主任や研究主任のときも、いろいろ難題がありました。心身とも疲れ果てたこともありました。連続して学内行政の仕事をやってくると、「精神の金属疲労」をおこしそうな状態になってきます。しかし、この学内行政の仕事も、しばらくお休みさせていただける雰囲気になってきました。安心しました。とはいえ、来年3月末までの残りの期間、まだ難題が残っていますし、これからも難題が発生するかもしれません。まだ、気を抜けません。
■教育に関しては、社会学部の看板であある地域連携型教育プログラムになっている「大津エンパワねっと」を最初からずっと担当してきました。「大津エンパワねっと」は社会学部4学科から1名ずつ教員をだしあい、共同運営しています。この教育プログラムは、文部科学省の現代GPの助成金を受けることで2007年度から始まりましたが(助成金申請作業は2006年度末から)、それ以来ずっと8年間、社会学科の教員としてこのプログラムに関わり続けてきました。他の学科は担当教員が変わっていますが、社会学科は私がやり続けてきました。この「大津エンパワねっと」についても、そろそろ別の教員に担当を替わっていただけるように、教務委員の方にお願いをしているところです。もちろん、学科にお願いしたいことは、時々お休みをいただける体制をつくっていただきたいということです。
■私のばあいは、教育と研究と地域貢献(連携)が、かなり重なりあっている部分があります。けしてシステマティックな仕組みがあるわけではありませんが、滋賀県庁の仕事、大津市役所の仕事も、それからゼミで行っている「北船路米づくり研究会」の活動や様々な実習の内容も、自分の研究テーマと重なりあっている部分があるからです。そのようななかで、来年度からは、自分自身の研究成果をまとめる仕事や、総合地球環境学研究所の研究プロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」等、研究に時間とエネルギーを集中することができそうです。ということで、来年度の講義の時間割も、できるだけ時間が分散しないように組みました。
■果たして思惑通りに進むのか、まだ不透明なところがありますが、気力が身体に満ちてくるように気持ちになります。
大学広報の取材
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■大学の広報の一環として、来年、ある出版社から(今まところ、ある出版社にしときます…)龍谷大学を紹介するムック本が出版されるのだそうです。来年度は、農学部に国際学部が開学しますので、そのムック本の中身は、基本的にはこの2学部の内容を紹介するものになりますが、その片隅に、1ページほどらしいですが、「北船路米づくり研究会」のことが紹介されるとのことです。ということで、今日はその取材がありました。
■取材にこられたのは、ムック本の記事を書かれるライターさん、カメラマンさん、そして龍大の広報担当Sさん。取材対象は、「北船路米づくり研究会」・「地酒プロジェクト」の中心となって取り組んできたTさん。研究会が生まれた経緯については私が話しをしましたが(Tさんは研究会4期生で事の起こりを知らないものですから…)、研究会の活動の内容と「地酒プロジェクト」に関する質問についてTさんがきちんと説明してくれました。
■上の写真・左は、研究室を出た廊下で個人ポートレートを撮影中のところです。Tさん、緊張しています。写真・右は、ライターさんと職員Sさんとの打合せ風景。Sさんには、おそらく2012年の第1回「かかし祭」の時から、様々な場面でお世話になっています。Sさん、いつもありがとうございます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
【追記】■関連ページです。「米研」が、ポスターセッションで奨励賞・環びわ湖大学地域交流フェスタ2013