コロナの後


■感染者の数字だけ見ていると、こういう一人一人の経験が見えてこなくなります。コロナが収束しても、大阪の60代の女性の「私が殺したんや」という苦しみ、女優の川上さんのような「強い恐怖と後悔」は、その人の中に残り続けます。そのような苦しみは、多くの人びとからは忘れ去られてしまいますが、忘れ去られてしまうこと自体も当人にとっては苦しみになるのではないかと思います。このような問題を、社会学的にも整理・分析する研究がそにうちに登場するのではないかと思っています。

総務省統計局長からの令状

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■先月、半年間続いた総務省が実施している家計調査が終了しました。家計調査って何だろうと思っている方、以下は統計局のホームページから引用したものです。

家計調査は,一定の統計上の抽出方法に基づき選定された全国約9千世帯の方々を対象として,家計の収入・支出,貯蓄・負債などを毎月調査しています。

家計調査の結果は,これら調査世帯の方々の御理解・御回答によって得られており,我が国の景気動向の把握,生活保護基準の検討,消費者物価指数の品目選定及びウエイト作成などの基礎資料として利用されているほか,地方公共団体,民間の会社,研究所あるいは労働組合などでも幅広く利用されています。

調査をお願いしている皆様へ

調査をお願いしている皆様から御回答いただく情報は、統計データに集計・加工され、インターネット、報告書などで直接御覧いただけるほか、政府・地方公共団体、企業、学界などで活用されることにより、様々な行政施策、商品・サービス、研究成果などとなって広く国民に還元されます。

このような利活用のされ方から、「統計は国民の共有財産」と言われますが、私たち統計作成者は、国民に有用性の高い統計を提供することはもとより、調査をお願いしている皆様から御回答いただいた情報の保護に万全を期すとともに、御回答の負担にも常に配慮してまいります。

お忙しいところお手数をおかけしますが、「統計」の重要性を御理解いただき、調査への御回答をよろしくお願いいたします。

■家計調査の役目はご理解いただけたかと思います。我が家は、全国の中から選ばれた約9,000世帯のうちの1世帯というわけです。どうして選ばれたのか、統計ですから、何やらきちんとした抽出の方法があるようです。内心、「どうせ当たるのだったら、もっと心がウキウキすることに当たったらよいのに」と思わないわけではありませんが、これは国民の義務で拒否することはできません。罰則もあるとのこと、やらないわけにはいきません。もっとも、私は、一日に終わりにその日使ったお金を報告するだけですが、それを整理して総務省に報告する連れ合いは大変でした。私は、財布の中にレシートを保管する習慣がついてしまいました。

■ということで、総務省から礼状が届きました。「あはは…」と力抜ける感じですかね。おそらくは、 調査員という方が我が家のポストに投函してくださったのでしょう。ご苦労様でした。この調査員,一般の人の中から,5つの要件を満たしている人が、都道府県知事により特別職の地方公務員として任命されるのだそうです。今度は皆さんのところに、依頼がいきますよ。

「人口激減と超高齢化…」

■「40年後の日本は、5人に2人が高齢者で、毎年人口が100万人近く減る社会になる」というNewsweek日本語版の記事です。執筆されているのは、教育社会学者の舞田敏彦さんです。舞田さんは、「データえっせい」というブログを公開されています。時々、興味深く拝見しています。

■さて、40年後というと、私は生きていれば102歳になりますが、まずそんなことはあり得ないと確信を持っています。20年後も怪しいなと思っています。2060年頃というと、私自身のことというよりも子どもたちが高齢者になったときのことになります。私には子どもが2人いますが、生きていることができれば70歳を超えています。その時の高齢者の定義がどうなっているのかわかりませんが、現在のように65歳以上が高齢者ということになれば、私の子どもたちもその時にはとっくに高齢者になっています。毎年100万人減少していくということになりそうですが、それがどのような社会になるのか、なかなか想像ができません。舞田さんは、次のように述べておられます。記事のグラフもお読みください。

グラフの右に目を移していくと、2020年代以降は50万人、70万人、さらには100万人減る時代になると予想される。たった1年間で、だ。ピンとこない人もいるかもしれないが、鳥取県の人口規模の自治体が毎年ごっそり消えていく、と言えば分かりやすいだろう。ある論者の表現を借りると「静かなる有事」だ。

■調べてみました。wikipediaの情報ですが、2018年度であれば山形県が108万9806人、続いて宮崎県、富山県になります。この3県は100万人を超えていますが、その後は100人下回ることになります。秋田県、和歌山県、佐賀県、山梨県、福井県、徳島県、高知県、そして島根県は67万9626人、鳥取県は56万0517人となります。舞田さんが書かれているように、毎年、こういった県の人口分だけ日本全体の人口が減っていくというと、かなり深刻であることがわかります。40年後の時代、日本の社会はどうなっているでしょう。

■先程、2人の子どもたちは高齢者になっていると書きましたが、孫たちの年齢は40歳代前半になります。人口減少によって社会が大きく変化すると、日本に暮らすことはできないかもしれません。舞田さんは、「今のレベルの生産活動を行えているかどうかは分からない。機械化、ICT(情報通信技術)化、移民の受け入れを極限まで進め、どうにか国の体裁を保っているような状況だろう」と予想されています。また、舞田さんは、内閣府の『我が国と諸外国の若者の意識調査』(2018年)の結果をもとに、韓国の若者たちは「若者の国外脱出志向が強い」が、日本の若者たちは「『ずっと自国で暮らしたい』若者が6割と多くを占める」と書いておられます。

■40年後もこの傾向が続くのかどうか、私には全くわかりません。2人の孫たちは、日本には暮らすことができないかもしれません(ひょっとすると、日本には暮らしたくない…かも)。舞田さんは、「若い労働者が海外に出ていく『出稼ぎ大国』になる」かもしれないと危惧されています。ただし、このような人口減少や経済の問題だけでなく、私は.地球温暖化による気候変動の影響がさらに強烈になり、社会の根底の部分にまでも深刻な影響を与えてしまっている…ことが心配なのですが、そうなると事態はさらにややこしくなりますね。孫たちを含めて、将来世代の人びとは、どのような社会を生きなければならないのか。心がとても重くなります。

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