君たちがいて、僕が僕がいる。

■龍谷大学宗教部が、Twitterで興味深いツイートをされていました。以下のものです。

■ツイートの中では、喜劇俳優チャーリー浜さんの有名なギャグ「君たちが居て、僕が居る」を、仏教の「縁起の思想」と重ね合わせて解釈されています。なるほど、確かに「縁起」ですね。いろんな苦しみは、「自己」というものが確固たるものとして存在しているという考えや感覚を相対化します。ですから、有名なデカルトの「我思う、ゆえに我あり」(コギト・エルゴ・スム/Cogito ergo sum)とは逆ですね。こちらは、自己と他者との間に確固たる境界があることを前提とするような考え方でしょうか。仏教を研究したわけではないので、素人考えでしかないかもしれませんが、縁起の考え方に基づくと、いつも自己と他者(そして出来事や物事)との境界は揺らいでいる、関係がまずあって、その関係がその時々の人を形作っていく…ということになります。イメージとしては、社会心理学者で社会構成主義を唱えたケネス・J・ガーゲンの発想に近いようにも思います。

■この前の金曜日のことになります。2限は「地域エンパワねっと中央」(社会共生実習)でした。最初に話したのは、この宗教部のツイートでした。さすがにガーゲンのことまでは話しませんでしたが、地域連携型・課題解決型のプロジェクトである「地域エンパワねっと中央」では、地域の皆さん(他者)との関係の中で、活動が進んでいきます。他者との関係の中で、自分たちの活動が意味を持ち、自分たちが潜在的に持っていた力が引き出され、活かされることになるのです。現段階では、まだ、確かな実感を伴って理解することは難しいかもしれませんが、活動をする中で少しずつ「君たちが居て、僕がいる」を実感できるようになるのではないかと思います。そうあって欲しいと思います。

初詣

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■私は、大津市の中心市街地からすれば郊外にあたる地域にある住宅地の住んでいます。農村地域にある丘陵地帯の里山を開発して造成された、いわゆる新興住宅地ですね。このような新しい住宅地には、通常、氏神さんは祀られていません。もともと氏神が祀られていた場所の周囲が住宅開発された…という例はあるかもしれませんが、通常は祀られていることはないと思います。従って、家から歩いていける範囲にある神社となると、隣接する農村地域の氏神さんということになります。今の場所に暮らして5年になりますが、毎年、家から歩いていける神社に初詣しています。今年も初詣は正月の三ヶ日の内にと思っていましたが、諸々の事情で今日になってしまいました。

■私は、あまり「気」の類を感じることがありません。とても鈍感だと思います。こんなことを書くと、科学を仕事にされている同僚や友人の皆さんからは訝しく思われるかもしれませんが、こちらの神社では、その様な私でも何か清々しい気持ちになるのです。鼻を通して素敵な感覚が身体の中にスッと入ってくるような気がするのです。気のせい?そうです。「気」のせいです。振り返ると琵琶湖が見えます。南湖の対岸には、ずいぶん以前に勤務していた滋賀県立琵琶湖博物館が茅の輪のような輪っかを通して見ることができました。全国の神社で「茅の輪くぐり」が行われています。神社境内で茅で作れた大きな輪をくぐることで、無病息災や厄除け、家内安全を祈願する行事のことのようです。でも、この茅の輪くぐりを行うのは6月末です。だからこれは、結界なのではないかと思います。邪悪なものの侵入を防ぐために設けられるものです。滋賀県では、勧請吊が有名です。あれも、結界ですね、たぶん。これはなんと呼んでいるのでしょうね。地元の関係者に聞いてみないとわかりません。

■それはともかく、初詣では、氏神様に、まずは自分や家族の健康を支えてくださるようにと祈願しました。昨年は、背中・肩・首の凝りから始まって、よく緊張性の頭痛がおこりました。さらに具合が悪くなると耳鳴りと難聴が、最悪の場合は目眩がすることになりました。姿勢が悪い、運動不足、仕事のストレス等、原因はいろいろ考えられますが、今年は、まずは運動不足をなんとかしなくては…と思っています。もうひとつは、次の仕事を見守っていただくことを祈願しました。昨年は、年末ぎりぎりになりましたが、研究プロジェクトの成果を『流域ガバナンス 地域の「しあわせ」と流域の「健全性」』(京都大学学術出版会)にまとめることができました。これからは、年齢も年齢なので、大きな研究プロジェクトは若い方達にお願いをして、個人の仕事に集中しようと思います。次の書籍は『石けん運動の時代-環境運動の歴史社会学』というふうに、タイトルも一応、決まてあります。この本をまとめる仕事をなんとかスタートさせて軌道に乗せることができればと思います。氏神様には、背中をそっと押していただければと思います。

1000年を超える樹齢の御神木が…

■NHKのニュースをTwitterでリツーイトしました。

特別展「ブッダのお弟子さん-教えをつなぐ物語-」 展示映像の公開について



■以下は、龍谷ミュージアムからのお知らせです。

龍谷ミュージアムでは、2020年4月18日~6月14日を会期として、春季特別展「ブッダのお弟子さん -教えをつなぐ物語-」を開催する予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の防止の観点から、誠に残念ながらこの開幕を中止することとしました。
この度、出品作品のご所蔵者をはじめとした関係者の方々のご理解を賜り、展覧会の模様を収めた映像を作成いたしました。
展覧会は中止となりましたが、本映像を通じて、展覧会を楽しみにされてれいた方々に少しでも展覧会の内容、雰囲気をお伝えできればと存じます。
なお、本展の出品作品や各作品の解説、分かりやすいコラムをまとめた図録の販売も行っております。併せてお手に取っていただければ幸いに存じます。
【動画公開期間:2020年7月1日 ~ 8月16日】

■残念ながら特別展は中止になりましたが、図録を販売されているようです。お買い求めください。詳しくは、以下をご覧ください。
春季特別展「ブッダのお弟子さん-教えをつなぐ物語-」の図録販売について

高齢者とまちづくり

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■先ずは、左の写真から。昨年の11月、彦根の農村地域で始める「終活を視野に入れたまちづくり」のキックオフミーティング…という名の呑み会を開きました。集まったのは、県職員OBで元副知事の田口宇一郎さん、滋賀県社会福祉協議会の谷口郁美さん、龍谷大学の非常勤講師で尼崎の西正寺の僧侶、お寺を地域に開いていく活動に取り組む中平了悟さんの皆さんです。一昨日は、そのうちの谷口さんと中平さんに再びお集まりいただき、人の終末「老→病→死」をシームレスに支えるために、医療と福祉と宗教が一体化した仕組みを地域づくりの中で生み出していくことはできないか…ということを課題にミーティングを行いました。福祉のプロである谷口郁美さんと宗教のプロである中平了吾さんのお二人と議論させていただき、いよいよプロジェクトも具体的な一歩を踏み出せるかな…という状況になってきました。大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」のテーブルで、まずはガチで1時間半議論をしました(酒抜き)。そして、当然のように、その後は懇親です(酒あり)。お2人からは、実に有益なお話を伺うことができました。ありがとうございました。次は、彦根に現地で地域の皆さんもご参加いただく作戦会議を開催しようと思っています。

■2枚目の写真。こちらは昨日のものです。またまた大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」です。「あんたには、『利やん』しかないのか」と呆れられるのかもしれませんが、正直のところ「利やん」しかありません。まあ、それはともかく、この日は、大津市の中央学区にある市民センターで、地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」コース(社会共生実習・「地域エンバワねっと」)に関する、地元の皆さんとの定例の会議が開催されました。「大津エンパワねっとを進める会中央」です。この日は、地域の皆さんから興味深い提案がありました。地域で引きこもっていて高齢の男性を誘い出して、スーパーで一緒に買い物をして(スーパーで買い物をされたことがない…)、ちょっとした料理もできるようになっていただき…みんなでおつまみを作って飲み会をする「おつまみクラブ」という大津の街中でのプロジェクトの提案です。なんだか「楽しそう」ですね。これからの時代、地域における様々な活動には「楽しい」に加えて、心が満足する「嬉しい」や、胃袋が満足する「美味しい」も必要になってくると私個人は考えていますが、この「おつまみプロジェクト」はその3つの「しい」にぴったりの活動です。もちろん、これは基本的なアイデア、そしてアウトラインであって、ここに学生の皆さんが地域の皆さんと力を合わせて様々な知恵を付け加えて肉付けしていく必要があります。「大津エンパワねっと」を履修している学生の皆さんの挑戦が始まります。

■大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」。私の場合、地域づくりの活動のスタートやアイデアを涵養してく上で、必要不可欠な場所なのかもしれません。

もぐりの学生

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◾️今日から、堂々と「もぐりの学生」をさせていただくことになりました。学生なんて何十年ぶりでしょう。もぐっているのは、大宮キャンパスで開講されている実践真宗学研究科の「社会実践特殊研究(D)」です。この授業を担当されているのは高橋卓志先生。高橋先生には、2011年の春、東日本大震災の少し後に、社会学部で開いた小さな集会にご参加いただき、大変お世話になりました。そのようなつながりから、facebookでも投稿を拝見してきましたが、今回は先生に厚かましくも「先生の授業に遊びに行っても良いですか」と唐突にお尋ねしたのでした。高橋先生からは「どうぞお出かけください」とお許しをいただくことができました。

◾️大宮キャンパスに行くと、教室には11人ほどの大学院生がおられました。韓国から留学されている尼僧の方、そして私と同じ年配の一般市民の方以外は、見た目は普通の若者なのですが、ここは実践真宗学研究科ですから、当然のことながら、全員が浄土真宗の僧侶さんたちです。私自身は、他の学問分野の演習、しかも仏教の実践に関する研究に関する演習の「場」に居合わせた経験はなく、とても貴重な経験になりました。高橋先生のお話については、著作等を通してもそれなりに理解しているつもりですが、先生と若い僧侶の皆さんとのやりとり自体が、私にはいろんな面で勉強になりました。

◾️授業のある月曜日は、私は仕事を入れていません。先生のお話では、大学で教えるのはこれが最後…のようにもおっしゃっていました。高橋先生の授業で「もぐりの学生」ができるのも、これが最後かなと思うと、気合が入ります。さて、今日の授業の大きなテーマは、お寺の危機とは何か…ということでした。

・戒の問題。
・発心の問題。
・苦へのアプローチ。
・大量死・無縁死への認識。
・仏教に対する有用感の減少、見切り感の増大。
・いのちの定義の変化への対応。

◾️このような仏教を取り巻く現代社会状況が大きく変化しているのに、多くの僧侶はどれだけそのことを深く認識しているのか。実践真宗学研究科で学ぶ大学院生の皆さんに、高橋先生は、「苦の現場にいないと発心することができない」と直球のストレートで向かい合います。四苦抜苦という僧侶のミッションは、苦の現場を知らなければならない…。

◾️もう1つ、お寺の危機は、人口減少社会・多死社会と関係しています。団塊の世代の方達が、これから順番に亡くなっていくことになります(その次は、私の年代ですが)。大量の死者をどうしていくのか。国の政策では対応できない。「老→病→死」と移行していく「死んでいくプロセス」を、一貫してワンストッブでケアできるシステムを作らなければ、仏教はさらに大きなダメージを受けることになる。大変な時代です。私は、医療・福祉・宗教の分断をずっと気にしてきましたし、明後日も、滋賀の農村地域に、高橋先生の言葉で言えば「『死んでいくプロセス』を、一貫してワンストッブでケアできるシステム」を作っていくための準備の検討に関して話し合うことになっています。そのようなこともあり、高橋先生や、高橋先生と院生の皆さんとのやり取りから学ばせていただこうと思います。高橋先生の授業は前期だけですが、「もぐりの学生」を楽しもうと思います。

乗念寺の掲示板

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◾️お寺の前にある掲示板、なんというのでしょうか。よくわかりません。とりあえず、掲示板と呼んでおきます。昨日のことですが、地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」の地域での会議を終えて帰る際、大津氏の中心市街地で乗念寺さんの掲示板の前を通りました。思わず立ち止まり、「ほんまや、その通りや❣️」と思ってしまいました。時々、この乗念寺の前を歩きます。その際、掲示板のメッセージには、唸ることがあります。今回も唸りました。ところで、うちの職場には、浄土真宗の僧侶の方が多いわけですが、それぞれの方のお寺では、どのようなメッセージを掲示板で発信されているのでしょうね。気になります。

第4回沼田智秀仏教書籍優秀賞受賞記念講演会

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◾️”Right Thoughts at the Last Moment: Buddhism and Deathbed Practices in Early Medieval Japan “(『臨終正念―中世初期の仏教と臨終の実践―』) で、2017年度沼田智秀仏教書優秀賞を受賞された、ジャクリーン・ストーン博士による講演会が実施されます。ご講演のタイトルは「最後の念仏の力によって―平安・中世に見る臨終行儀―」です。本講演会は一般公開、事前登録不要で、講演は日本語で行われるとのことです。

大谷光瑞師遷化70年記念国際シンポジウム 「大谷光瑞師の構想と居住空間」

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◾️龍谷大学の龍谷大学世界仏教文化研究センター(RCWBC)と龍谷大学アジア仏教文化研究センター(BARC)の主催で、以下のシンポジウムが開催されます。

大谷光瑞師遷化70年記念国際シンポジウム「大谷光瑞師の構想と居住空間」

【日時】2018年10月6日(土) 9:30~18:00
【会場】龍谷大学 大宮学舎 東黌101教室

【プログラム】
〔司会〕三谷真澄(龍谷大学国際学部長)

〈開会の辞〉
(9:30~9:35)久松英二(龍谷大学世界仏教文化研究センター長)

〈基調講演〉
(9:35~10:15)入澤 崇(龍谷大学長)「大谷光瑞師のめざしたこと」

〈学術発表 セクションⅠ〉
(10:30~11:00)菅澤 茂(工学院大学研究員)「大谷光瑞師と建築空間」
(11:00~11:30)和田秀寿(龍谷ミュージアム学芸員)「二楽荘と神戸大港都構想論-大谷光瑞師がめざした神戸への思い」
(11:30~12:00)市川良文(龍谷大学文学部)「管見三夜荘」

〈学術発表 セクションⅡ〉
(13:00~13:30)柴田幹夫(新潟大学)「中国における大谷光瑞師の動向」
(13:30~14:00)加藤斗規(別府大谷記念館)「旅順大谷邸及び大連浴日荘」
(14:00~14:30)陳 祖恩(上海東華大学)「光瑞師と上海別院・無憂園」

〈学術発表 セクションⅢ〉
(14:50~15:20)黄 朝煌(国立高雄大学前研究員)「台湾・逍遥園と修復事業」
(15:20~15:50)イムレ・ガランボス(イギリス・ケンブリッジ大学)「欧州における大谷光瑞師の構想と居住空間」
(15:50~16:20)エルダル・キュチュキュヤルチュン(ボアジチ大学)「トルコにおける大谷光瑞師の構想と農業」
(16:20~16:50)掬月誓成(別府大谷記念館)「別府・観光都市計画と晩年の大谷光瑞師」

(17:00~17:30)〈コメント〉
(17:30~18:00)〈質疑応答〉
〈閉会の辞〉楠 淳證(龍谷大学アジア仏教文化研究センター長)

※上記発表者・発表題目は変更になる場合もあります。
参加無料 (参加希望の方は、下記までお名前と参加人数をお知らせ下さい)
barc@ad.ryukoku.ac.jp

主催
龍谷大学世界仏教文化研究センター(RCWBC)
龍谷大学アジア仏教文化研究センター(BARC)
連絡先 龍谷大学アジア仏教文化研究センター
TEL (075)343-3811

龍谷ミュージアム シリーズ展 「仏教の思想と文化 -インドから日本へ- 特集展示:マンダラのほとけと神」

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■ひとつ前のエントリーで、華厳経と曼荼羅のことについて触れましたが、龍谷ミュージアムでは、9日からシリーズ展 「仏教の思想と文化 -インドから日本へ- 特集展示:マンダラのほとけと神」を開催しています。以下は、この特集展示の解説です。

シリーズ展では、インドで誕生した仏教が日本に至るまでの2500年の歩みを、大きく「アジアの仏教」と「日本の仏教」に分けて通覧しています。その中で、今回は「マンダラ」を特集展示として取り上げます。

インドで生まれたマンダラ(曼荼羅)は、聖なる時空に複数のほとけや神を表した礼拝対象を指し、密教の儀礼で用いられました。これが日本に伝わると、密教のマンダラにとどまらず、浄土曼荼羅や垂迹曼荼羅も含みこまれました。今回の特集展示では、両界曼荼羅をはじめとする密教曼荼羅や、そこに表された個別のほとけ・神を表した石彫や仏画、広い意味での様々な「マンダラ」を展示いたします。

■時間をみつけて、近いうちに行ってみたいと思います。

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