「雨の歌」の譜面
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▪️先日、定年退職したら30歳でやめてしまったヴァイオリンの演奏を再開して、きちんとレッスンを受けて…という話を、ある音楽家にお話したところ、その方が「ブラームスのヴァイオリンソナタ『雨の歌』が好きなんです。私、自分の専門の楽器の他にピアノも弾けるんですよ。一緒に演奏しましょう」と言ってくださいました。私の演奏レベルをご存知ないのでしょうが、それでも嬉しかったです。私からは「我が家にはピアノがあるので、遊びに来てください。その後、一緒にお酒を呑みましょう」ということになりました。勢いで返事してしまいましたが、とりあえず譜面を用意しなくてはと、ネットでポチッとして入手しました。昔は、大阪や神戸の楽譜屋さんまで出かけていましたが、今はこのような超有名な曲は、ポチッとするだけで手に入るんですね。これまでは、ただ聴いているだけでしたが、今度は楽譜をみながら聴いています。勝手な思い込みで聴いていた部分もあり、「きちんと勉強しないと」と気持ちを引き締めています。
▪️今は、YouTubeにたくさんのヴァイオリニストの演奏がアップされています。私が子どもや学生の頃とは違って、とても便利ですし、勉強になります。まず聴いてみたのが、ヘンリク・シェリングの演奏でした。子どもの頃、バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」でレッスンを受けていた時、先生からはシェリングのLPを聞くようにいわれました。楽譜に忠実で豊かな音楽性を表現する「正統派」の演奏ですからね。この「雨の歌」の場合もそのような演奏でした。でも、「もっと違った演奏を聴いてみたい」と思い、ギドン・クレーメルの演奏を聞いてみました。シェリングとは全く違うタイプの演奏です。
▪️以前、クレーメルのモーツァルトの協奏曲を聴いて驚いたことがあり、その時の記憶があったものですから、「雨の歌」の演奏がYouTubeにあるかもと調べてみました。すると、ありました。40年程前の、彼が若い頃の録音です。伴奏者は、ヴァレリー・アファナシエフというピアニスト。非常に非常にゆっくりとしたテンポです。アファナシエフが導くそのテンポにあわせてというか、そのようなテンポだからなのかもしれませんが、クレーメルは、時に少し掠れたような音色で、音符や休符ひとつひとつの意味を確認するかのような演奏をしていました。長調を主としながらも短調が混じることで明るさと暗さが入り混じるのが(晴れてるか曇っているのか分からんような)、ブラームスの作品らしさではありますが、クレーメルは、自身が分析し感じたその「らしさ」を、非常に丁寧に表現しているように思いました。
ブラームス ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 作品78 ≪雨の歌≫ シェリング/ルービンシュタイン Brahms Violin Sonata No.1 G-major
ブラームス: ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 作品78 《雨の歌》 クレーメル / アファナシエフ