『神戸みなと物語 コンテナじいさんの見た神戸港』(青山大介・谷川夏樹)

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20250914kobe2.jpg ▪️神戸で生まれました。神戸に暮らしたのは、0歳から4歳まで(5歳になる直前まで)、そして16歳から25歳まで。だから、あわせても15年ほどの期間でしかありません。でも、一応、出身地は神戸なんです。30代から琵琶湖や滋賀に関わって仕事をしてきたし、10年前からは大津に暮らしているので、今はなんちゃって滋賀県人です。でも時々、神戸のことが気になります。先日、新聞を読んでいて、青山大介さんという画家のことを知りました。鳥瞰図を得意とされているようです。その青山さんが、同じく画家の谷川夏樹さんと一緒に『神戸みなと物語 コンテナじいさんの見た神戸港』という絵本を出版されたと知り、手に入れました。

▪️登場するのは、古い古いコンテナ、コンテナじいさん(青)と、若いコンテナくん(赤)、そしてコンテナを吊り上げてコンテナ船に積むガントリークレーンのガンちゃん。コンテナじいさんとガンちゃんは、阪神淡路大震災も経験します。そして震災から5年がたった2000年に若いコンテナくんと出会います。まあ、そのようなお話なのですが、コンテナを積み込む、摩耶埠頭、ポートアイランド、六甲アイランドから見える神戸の街や六甲山系が描かれています。最後のページは、おそらく青山さんが描かれたのだと思いますが、今度は六甲山の麓から見た神戸の街が描かれています。コンテナじいさんは、現役を引退して、今は、幼稚園の園庭で子どもたちの遊び場になっています。本当に、このような幼稚園があるんでしょうか。調べてみましたが、よくわかりませんでした。

▪️神戸には、どういうわけか奈良で生まれた息子が結婚して暮らしています。相手の方は、神戸の出身です。ということで、「時々、神戸の中華料理を一緒に食べようね」と約束しています。その時、またこの神戸の風景を楽しむことができますね。
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サルスベリ

20250913sarusuberi.jpg▪️今日は土曜日ですが、大学で仕事があり出勤しました。自宅近くの公園のそばを通りかかった時、ピンクの花がたくさん咲いているのが目にはいりました。サルスベリ(百日紅)です。すでに少し花が散っていましたし、種も落ちていました。でも、見事に花を咲かせています。夏から秋にかけて長い間花をさかせるので漢字で書いたら百日紅になります。名前の由来ですが、サルスベリの幹はとてもすべすべしていて滑らかなので、木登りの上手な猿でも滑り落ちてしまうから…和名にこのような名前がついたのだとか。また、百日紅という漢字が与えられているのは、このサルスベリにまつわる悲恋の物語が由来になっているのだそうです。猿がうっかり滑り落ちるシーンと、若い男女の悲恋とでは、なんとなくバランスが悪いのですが…。

▪️個人的に、サルスベリと聞いて頭に浮かんでくるのは梨木香歩さんの『家守綺譚』という小説です。その第1章が「サルスベリ」なのです。時代は明治30年代、山科駅の北側、琵琶湖疏水の近くにある一軒家の庭に、サルスベリがはえていて、主人公の男性に思いを寄せるのです…。まあ、奇譚ですから。私は、この手の不思議なお話が大好きなのです。「山科駅の北側、琵琶湖疏水の近く」、それなりに知っている地域でもありますし、明治30年代という大昔の話ではありますが、読んだときの感じ取り方が少し違っていました。最近は心に余裕がなく小説を読まなくなっていますが、この『家守綺譚』については、友人に紹介されて読みました。梨木さんの世界観に惹かれてたくさんの作品を手元においてあります。まあ文庫本がほとんどですけど。退職したら、ゆっくり読みます。

津田松苗さんの『汚水生物学』

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▪️古本で入手しました。昨日投稿した津田松苗さんの『汚水生物学』(1964年)。もともとは、財団法人日本醤油研究所の蔵書だったようですね。この日本醤油研究所って、醤油製造等に関する技術の研究・指導を主目的としている財団法人だったようです。設立は、1958年11月7日。今は、財団法人日本醤油検査協会と統合して財団法人日本醤油技術センターになっています。どうしてこの『汚水生物学』が日本醤油研究所の蔵書だったのか、なんとなく想像できます。まあ、想像でしかないのですが…。

▪️下水道が普及していない頃、工場廃水は河川にながされていました。もちろん、家庭排水もです。『汚水生物学』の「はしがき」には、こう書かれています。

近年年の膨張、工業の発展とともに河川の汚濁はまことにいちじるしい。水質汚濁の研究、汚水処理の研究がさかんになってきたのももっともである。
ところがこれらの問題には生物学的な知識がきわめて必要なのである。この点徐々に理解されてききているが、まだまだ不十分である。

▪️汚水と生物、どのような関係にあるのかといえば、水域にいる生物の種類によって水質がどの程度なのかだいたい検討をつけることができるのです。環境学習で勉強する指標生物も、同じことなのだと思います。2つめは、汚濁した水も川を流れていくうちにきれいになっていきます。三尺流れれば水清しといいますよね。でも、その過程では、有機物を無機化する時に生物が関与しています。3つめは、下水処理で汚水を浄化するのも生物です。(1)生物学的水質判定、(2)自然浄化、(3)汚水処理にとって、生物の存在や働きが重要だと津田さんは述べておられます。汚水生物学は、下水道などのインフラが整備される以前の、高度経済成長の社会状況にぴったりの分野ということになります。

▪️『汚水生物学』のなかでは、家庭排水に含まれる合成洗剤が下水処理場を通過したあとも、分解されずに下流で泡立ちが起こる(泡公害)ということも書かれています。また生物学的水質判定の事例として、龍谷大学のある伏見区の河川(琵琶湖疏水と新高瀬川)のことも書かれています。「その流域は人家密集し、大量の家庭下水が排出され、一方醸造工場、その他の工場も多数あって、主として有機排水を出す。したがって川はかなり汚染された様相を呈している」。いまでは想像しにくいかもしれませんが、私が子どもの時の、つまり高度経済成長期真っ只中の頃の川って最悪でしたからね。川のなかには、白いもやもやした塊がゆらいでいました。バクテリアです。『汚染生物学』の脚注に京都の街中や、山崎から枚方までのあいだで、このバクテリアがみられることが書かれています。

▪️で、話は財団法人日本醤油研究所に戻るのですが、全国の醤油工場からでる河川に流される廃水のことを気にしてこの本を購入されたのではないのかなと…まあ勝手に想像したのです。ちなみに、『汚染生物学』の第8章「湖の汚染と富栄養化」は、昨日投稿した『自然保護』(昭和38年(1963年)2月)に執筆された「湖の富栄養化を防ごう」と同じものでした。

『あめだま』(作・ペク・ヒナ/訳・長谷川義史)

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▪️今、話題になっている絵本が届きました。韓国のペク・ヒナさんの作品です。ストップモーション・アニメーションの手法を用いて絵本作りをされているとのこと。ちょっと不思議な雰囲気です。訳は、長谷川義史さんです。ということで、登場する少年ドンドンは大阪弁を話します。不思議な飴玉のお話なんです。

▪️ストップモーション・アニメーションの手法を用いて絵本作りをされている…、ちょっとわかりにくいかもしれませんね。以下の動画で、ペクさんがどうやって絵本を制作されているのかよく理解できます。すごいですね。

▪️こちらはプロモーションの動画です。不思議なあめだまを口に入れると、モノ、動物、人の心の中の声が聞こえてくるのです。ジーンと心に沁みてきました。ぜひ、お読みいただければと思います。

【人類はどこから来て、どこに向かうのか】国立科学博物館館長・篠田謙一


20250129shinodakenichi.png▪️たまたま、この動画を視聴しました。こういう人類史の話題、とても気になります。ゲストの篠田謙一さんは、一般向けの書籍もたくさん執筆されています。その中の1冊、『人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』は、2023年の新書大賞2位になりました。多くの皆さんも強い関心を持っておられるのですね。この動画のタイトルの通り、「人類はどこから来て、どこに向かうのか」に関心をもつ人が多いのだと思います。こういう研究は、民族、人種、国民国家といった概念を強く相対化していきますね。

古人骨に残されたDNAを解読し、ゲノム(遺伝情報)を手がかりに人類の足跡を辿る古代DNA研究。近年、分析技術の向上によって飛躍的に進展を遂げている。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか。旧人であるネアンデルタール人やデニソワ人との血のつながりはあるのか。アジア集団の遺伝的多様性の理由とは――。人類学の第一人者が、最新の研究成果から起源の謎を解き明かす。

『武蔵野地図学序説』(芳賀ひらく)

20250129musashino.jpg▪️芳賀ひらくさん(芳賀啓)は、これまで東京の地形や地図に関する書籍を多数出版されてきました。この『武蔵野地図学序説』は最新作です。関西に暮らしていますが、予約しました。好きなんですよね、地図とか地形とか。ひょっとすると、社会学者じゃなくて、地理学者を目指せばよかったのかも…ですね。まあ、これは冗談です。以下はこの書籍の概要です。この概要をお読みいただけばお分かりいただけると思いますが、古い時代からの様々なタイプの地図を駆使しながら、そこに武蔵野台地が「歴史の地層」を分析していくわけですね。私自身は、そのようなお仕事にすごく興味を持っています。

関東平野西部に広がる武蔵野は、気候変動の温暖化により植生遷移し、野焼きや耕作など人間の活動が加わって今日の姿になった。その生成と変容を、古地図、旧版地図、一般地図、主題図など各種地図資料に刻印された情報を手掛かりにたどりながら、各時代の空間認知にアクセスする。旧石器・縄文時代から現代までのロングスパンを射程に捉えた地形謎解き本、大都市東京の地歴を知ることができるビジュアル学習本にして、街歩きのハンドブックとしても最適な一冊。

▪️著者である芳賀さんとは、一度だけですが、お会いしたことがあります。芳賀さんが経営されている出版社「之潮(コレジオ)」から『川の地図辞典』が出版された時、芳賀さんと著者の菅原健二さんがガイドとなって出版記念ウォークのイベントが開催されました。この『川の地図辞典』に書かれた現場を参加者の皆さんとフィールドワークを行いました。2008年3月16日のことになります。イベントの後は、飲み会でもご一緒させていただきました。懐かしいです。当日のことは、以前のブログにきちんと残してあったのですが、そのプログのサービスが終了してしまったため、消えてしまいました。データをきちんと保存しておけばよかったのに…。その頃は、東京にお住まいの建築家や写真家の皆さんと一緒に、東京の街の地形や歴史をフィールドワークをしながら楽しんでいました。懐かしいです。

▪️『武蔵野地図学序説』の目次ですが、以下の通りです。

第1章 武蔵野の東雲
 はじめに  ターミノロジー 気候変動と「武蔵野」の誕生古代・中世の武蔵野空間認知
第2章 古地図と崖線
 地図の時制 植生地図・開析谷・ハケ 「国分寺崖線」の誕生と誤解
第3章 最古の武蔵野図
 低地の武蔵野 空白の武蔵野 最古の武蔵野図
第4章 ヤマの武蔵野
 武蔵野の「山」 ムサシノAとムサシノB 武蔵野のイドとミチ 武蔵野のツカ
第5章 ミチの武蔵野
 線分のミチ オブシディアン・ロードとジェイド・ロード
第6章 ムラヲサの武蔵野
 防人歌 長者原遺跡 線刻画縄文土器
第7章 地名の武蔵野
 長者地名・殿地名 地点地名・領域地名/地点地図・領域地図 南下する「殿ヶ谷戸」
第8章 地名の武蔵野・続
 「殿ヶ谷戸立体」の出現 地名の発生と展開 駅前集落注記 四つの谷戸、そして補足
第9章 彼方の地図と地図の彼方
 リアル・マップ/イマジナリー・マップ 地図の定義をめぐって 地図からスマホ・ナビへ 武蔵野の地図と文学
第10章 淵源の地図
 地図は国家なり 淵源の地図 江戸後期×明治初期 「フランス式」の残照
第11章 武蔵野のキー・マップ
 国絵図と村絵図 輯製二十万分一図と迅速測図 読図の作業とベース
第12章 伝承と伝説の武蔵野
 自然災害伝承碑 辺境の橋と国分寺崖線 一万分一地形図 二枚橋伝説 坂と馬頭観音 ふたたび二枚橋伝説
あとがき

▪️武蔵野というと、関西にお住まいの方たちには、あまりピンとこない地域かもしれませんが、ぜひ手に取ってお読みいただきたと思います。出版はまだですが、私予約をしました。

『ガチャコン電車血風録 地方ローカル鉄道再生の物語』

20250125gachakondensha.jpg▪️『ガチャコン電車血風録 地方ローカル鉄道再生の物語』(岩波ジュニア新書)です。若い方から大人まで読める新書です。暮らしている滋賀県の近江鉄道のことなので購入してみました。住んでいるのは、近江鉄道が走る湖東地域ではなく、湖西地域ですが、近江鉄道のこととても気になっていました。

▪️著者の土井さんは近江鉄道線活性化再生協議会の座長を務められた方です。土井さんは、実際に近江鉄道に乗り、また様々な資料に目を通すことで、この鉄道はまだまだ廃止する状況ではないことを確信されました。そして、まずはデータを読み込み、近江鉄道の再生の道を描かれました。この新書はその再生のプロセスを紹介されているようです。ようですというのは、これから読むので…。

目 次
はじめに

1.地域の足=全国の地域鉄道の96%が赤字!?
 1‐1 「まち」が抱える「様々な不安」と移動の関係
 1‐2 移動手段としての自動車と公共交通
 1‐3 地方ローカル鉄道の存廃問題が急浮上

2.近江鉄道ってどんな電車?――辛苦是経営って何?
 2‐1 近江鉄道の概要
 2‐2 独特のレトロ感をいまに残す近江鉄道
 2‐3 赤字が続いている近江鉄道

3.鉄道の存廃問題と上下分離方式
 3‐1 鉄道を動かすために必要となるお金――経費
 3‐2 なぜ鉄道の赤字が問題になるのか?
 3‐3 地方ローカル鉄道の存廃問題と対応策
 3‐4 上下分離方式という存続方策

4.近江鉄道のギブアップ宣言で延命か再生か、それとも廃線か?
 4‐1 ギブアップ宣言と、その受け止め方
 4‐2 近江鉄道の努力と存続の価値を見出す
 4‐3 衝撃→不信→結束、関係者はどう前を向いたのか

5.近江鉄道存廃について白熱の議論――任意協議会はじまる
 5‐1 任意協議会と地域公共交通総合研究所の報告書
 5‐2 「地域公共交通ネットワークのあり方検討調査報告書」の概要
 5‐3 存廃問題の最大の焦点と、さらに続く白熱議論
 5‐4 存続、そして次の展開へ。動き出した議論
 5‐5 近江鉄道沿線自治体首長会議でも、白熱議論

6.山あり谷ありのプロセスを乗り越えて法定協議会スタート
  ――なぜみんなが同じ方向を向くことができたのか?
 6‐1 近江鉄道の「ギブアップ宣言」の三日月滋賀県知事の受け止め方
 6‐2 法定協議会:開始早々の会長からの先制パンチ
 6‐3 データとファクトを共有して一気に結論へ
 6‐4 理解を深めた大人の遠足

7.全線存続に向けて一歩ずつ
 7‐1 次の一手は存続形態を決めること
 7‐2 沿線自治体の費用負担割合の決定
 7‐3 法定計画とデータを見ない意見の克服

8.沿線の人々や企業が近江鉄道再生の背中を押す
 8‐1 沿線の人々との接点の拡大
 8‐2 2022年10月の「全線無料デイ」:もし空振りだったら……。
 8‐3 市民からの発言「鉄道は道路整備と同じ感覚になる」

終章 上下分離、新生近江鉄道出発進行

参考資料
おわりに
謝辞

▪️鉄道に深い関心をお持ちの皆さんであれば、目次からでもいろいろわかるのではないかなと思います。書名にある「血風録」、これは司馬遼太郎の『新撰組血風録』が有名なようですが、なんだか血生臭い印象ですよね。それほど、鉄道事業者と沿線自治体の間にはちゃんとしたコミュニケーションもなく、当初、関係は最悪だったようです。そのような状況から、どうやって上下分離方式(公有民営方式、近江鉄道株式会社と一般社団法人近江鉄道線管理機構)で再スタートできるまでに至ったのか。コミュニケーション不足や相互不信をどのように乗り越えて、前向きに合意することができたのか。その辺りを勉強させていただきます。春からの授業でも学生の皆さんに紹介してみようかなと思っています。

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ

20240110sonatas_and_partitas_for_-solo_violin.jpg▪️ヴァイオリンを弾く人たちは、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」(ソナタ第1番・第2番・第3番、パルティータ第1番・第2番、第3番)を、必ず弾くことになると思います。私は、中学生の時に、その当時のレッスンの先生からこの作品の譜面を渡されました。当時の拙い技量でも弾ける曲から始めましたが、難曲もとても多く、思うようには弾けませんでした。無伴奏ですから、ヴァイオリンひとつで演奏するのですが、二声や四声の旋律や和音を演奏しなければならないからです。

▪️中学生の時は、まだ子どもなので、この作品が作曲された時代的背景等も何もわからず、先生の指導に従ってただ弾いていました。自分自身では、どのように弾くべきかの根拠となる音楽理論や歴史的知識が、何もわかっていなかったのです。中学生の時は、良くわからないまま、先生の演奏を見本に、時々LPレコードを聞きながら練習をしていました。今の方達は、最初から、CDはもちろんのことと、YouTubeにたくさんの演奏がアップされていますから、それらを参考に練習できるのでしょうね。ちょっと隔世の感があります。

▪️初めて「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」の練習を始めた時から、半世紀ちょっとの時間が経過しました。老人になりました。定年退職を2年後に控えて、またこのバッハの作品を弾いてみたいと思うようになりました。定年後、時間ができたら、きちんと作品の背景も理解した上で、どう演奏するべきなのかを学びたいなと、きんちとレッスンを受けたいなと、そんなふうに思っています。ということで、その予習として、この本を購入してみました。これから勉強します。そうそう、退職したら、ヴィオラも習いたいと思っています。退職の記念に楽器も思い切って購入しましょうかね。

3回目の新年会

▪️昨晩は、3回目の新年会でした。場所は大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」です。お相手してくださったのは、雨森 鼎さんと安孫子邦夫さんです。お2人には、社会学部で長年取り組んできた地域連携型の教育プログラム「大津エンパワねっと」や、その「大津エンパワねっと」の発展系である「社会共生実習」のひとつ「地域エンパワねっと・大津中央」で、大変お世話になってきました。履修した学生さんたちを丁寧にご指導くださいました。ということもあり、お2人とは時々、酒席をご一緒させていただいています。

▪️雨森さんも安孫子さんも後期高齢者、前期高齢者の私からすると人生の大先輩です。前期後期の違いはありますが、そのような高齢者同士の酒席での話題というと、かなりの確率で健康のことになってしまいます。昨晩は、歩くスピードが以前と比較して遅くなっている…ということが話題になりました。100kmウォーキングの大会に出場したりしていますが、自宅近くの坂道で、高校生に追い抜かされることがあります。普通に歩いているつもりなのですが、女子高生にも追い抜かされることもあります。以前は、私が追い抜いていく側だったのですが…。

20250109walking.jpg▪️そのような昨晩の話題が記憶に残っていたものですから、このようなネットの記事が目に止まりました。「人生100年時代でも、健康寿命は非常に短い。延ばすためには、脚力と血管力の両方が必要。歩行速度の低下が、動脈硬化の増加に」という記事です。医師が執筆した新書『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする 』(PHP新書)の内容を要約した記事のようです。ですから、本当は、元々の新書の方を確認しないといけないのでしょうが、記事によれば…

・健康寿命は、「食事を自分でとれる」「トイレが自分で使える」「お風呂に自分で入れる」など、日常生活ができる期間と言い換えることができる。
・歩かないと、年をとると歩けないことに直結する。
・普段から脚力を鍛えて、生活のなかでつまずいたり転倒したりすることを防ぐことが大切。
・そのような脚力と血管力(=血管年齢:おもに血管の柔軟性や弾力性を示す指標)は深く関係している。
・血管年齢が高い場合には、脚力が弱い=太ももの筋面積が小さい。
・歩行速度の低下が、とくに下肢の動脈硬化の増加と関連している。

▪️なるほどと思う記事でした。このネットの記事の内容は、この新書の序章を要約したもののようですね。amazonで少し目次を眺めてみましたが、おもしろそうです。役にも立ちそうです。ということ『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする 』(PHP新書)を読んでみようと思います。以下は、amazonでのこの新書の紹介です。

「人生100年時代」には、介護が不要な状態を保つ「健康寿命」を延ばすことが人生を楽しむ鍵になる。それには自分でしっかり歩けることが肝要だ。
抗加齢医学研究に長年携わってきた著者は、歩くための力には「脚力」と「血管力」があるという。本書は、百歳まで歩ける人になるために、脚力と血管力を鍛えるエクササイズや、ウォーキング事例を紹介する。
脚力を鍛えるためには、「かかと上げ下げエクササイズ」「片足立ちエクササイズ」「ゆるジャンプ」「座ろうかなスクワット」などがおすすめ。
血管力については、ヒハツ、シナモン、ルイボス茶などを摂って毛細血管を強くすること、ニンニク、ナッツなどを摂ったり、ウォーキングや軽いサイクリング、エアロビクスなどの有酸素運動をしたりして大血管を強くすること、などを推奨している。
ウォーキングについては、著者が考案した「ニコニコ歩き」のほか、「インターバル速歩」「パワーウォーキング」「俳句ウォーキング」などを解説している。
日々の心がけ一つで、いつまでも歩ける人になれる。

剪定の本

20241112sentei.jpg ▪️庭の樹の剪定でいつも困っているので、本のタイトルに釣られてゲット。かなり細かいところまで丁寧に解説してあります。「すかし剪定」、できるようになりたいです。

▪️我が家の庭にある樹のうち、剪定に困っているのは、常緑ガマズミ、シマトネリコ、ヤマモミジ、ヤマボウシですね。このうち、シマトネリコは剪定をしないままでおくと大変なことになります。ネットでシマトネリコを検索すると、ネガティブな話がたくさん出てきます。ただ、きちんと剪定しておけば、それほど手間はかからないのじゃないでしょうか。

▪️シマトネリコは、春にたくさんの葉が黄色くなって落葉します。庭仕事が好きではない方だと、その落葉を掃除するのが苦痛かもしれません。剪定を済ませておけば、落葉も少なくてすみます。また、6月頃に花が咲きますが、そのままにしておくと、大量の種ができます。その種は飛行機のプロペラのような形をしていて、風であちこちに飛んでいくのです。広く散布した種を掃除するのは大変です。これは庭仕事が好きな私でも苦労しました。

▪️話は少し脱線します。瀬田キャンパスで、6号館から8号館に向かう通路の花壇にこのシマトネリコが生えてきているのです。本当は、ヒペリカムが植えてあるのですが、そこからニョキっとシマトネリコが伸びてきているのです。どうしてだろうと、周りを見回すと、8号館の入り口側にシマトネリコが植えてあります。ヤマモモの前です。結構離れているのですが、「シマトネリコの種がここまで飛んできたのか」と少し驚きました。

▪️それはともかく、剪定って、「大きくなったから」するものじゃないのですね。「大きくならないように」するもの、「太くならないように」するものなのですね。樹形だけでなく、成長をコントロールするために行うものなんですね。考えてみれば当たり前のことですが、その根本がきちんと理解できていませんでした。

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