琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その3)
■昨日は、時間を見つけて走りました。一昨日は、時間もあり余裕を持ってのランでした。結果として、自分でも納得がいくランができました。調子が良かったのです。しかし昨日は時間がないのでと飛ばしすぎて、最後は「自滅」してしまいました。6km程度でランを中止することになりました。まあ、こんなこともありますよね。
■ランの後、大津の街に出かけました。昨日の夕方ですが、琵琶湖南湖の水草問題に取り組もうという有志の皆さんに、大津市内の某所⁈にお集まりいただきました。水草は砂浜に打ち寄せられて水に使ったままになっていると、腐敗して悪臭を発します。市役所には、「なんとかしろ」との苦情の電話がかかってくるそうです。市役所も、人を派遣してその水草を除去して焼却処分しています。もちろん、必要な費用の出所は税金です。悪臭がしないようにするためには、水際に漂着した水草を水から取り出して乾燥させる必要があります。手間もかかるのです。
■県庁は3億円程の費用を使って南湖の水草を刈り取っています。こちらが「琵琶湖の環境問題」の1つだとすれば、打ち上げられ悪臭を発する水草の問題は「琵琶湖の迷惑問題」になります。そのまま水際に放置すれば悪臭問題になってしまうわけですが、それをなんとか資源として有効利用できないか…。昨日の夕方お集まりいただいた皆さんの思いはその点にあ利ました。
■水草が打ち上げられる砂浜の直近にお住まいの方、そこで会社を経営されている方、本業のお仕事のなかで水草や草木の剪定したものを使い肥料にして配布されている公益財団法人の方…。皆さん、水草で困っておられたり、なんとかしなくちゃと考えておられたりしている方達。「餅は餅屋」と言いますが、いろんな現場のプロの知恵と力、加えてそこに地域の皆さんの協力があると、打ち上げられた水草の有効利用ができそうな感じがしてきました。水分を含んだ水草は重いです。それを簡単に除去する道具が、現場の知恵の中から発明されています。水草と草木の剪定したものを使うと良い肥料ができるのだそうです。ただし、発酵させるのに少し技術がいります。また、水草に混じっているゴミを取り除かねばならなりません。そこには手間もかかります。水草に混じっているオオバナミズキンバイ等の外来植物が混じっている場合の扱いをどうするのか、ということもあります。
■多額のお金をかけるのではなく、複数の現場の知恵と人びとがつながることのなかで、小さな資源利用の仕組みを立ち上げ、関わってくださる皆さんの、現場での発見によって少しずつ改良しながら成長させていければ素敵だなと思います。
琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その2)
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■先月の22日に「びわ100」を完歩しました。その余韻にまだ浸っている翌日の朝、台風の被害のニュースを確認しました。ご近所でも、庭に置いてあった物置が飛ばされるような事故もおきていました。今回の台風、風がものすごく強かったですよね。facebookでも、大津市・真野浜で民宿を経営されている山田さんの投稿を読んでびっくりしました。大量の水草が浜に打ち上げられている状況を報告されていたからです。
■ということで、その日の午前中に真野浜を訪問し、山田さんにお会いしてきました。山田さんのお話しでは、大津市が、この水草の撤去に協力するとのことでした。しかし、市の作業が始まるのは少し先になるからと、まずは経営されている民宿のエリアから熊手で水草を集める作業をされていました。かなり陸地の方まで水草が打ち上げられていました。それだけ台風の風が強かったということですね。民宿のある敷地の松の木も一部折れてしまっていました。
■私が訪問した時、山田さんがお一人で、熊手を使いながら水草を集めておられました。その際、混じっているブラスチックを除いておられました。水草の塊に、ヨシ(葦)が混じって絡まっていると、塊になって、重く、作業がしにくいとのことでした。通常、台風がきたあとは、まずは水草が打ち上げられるわけですが(今回は、半端ではない量の水草が打ち上げられています)、この数日後、河川から琵琶湖に流れ込んだプラスチックゴミが打ち上げられてくるのだそうです。問題は水草だけではないのですね(以前と比較して、プラゴミは随分減ってきているそうです)。
■以前の投稿にも書きましたが、琵琶湖から浜まで一体のものとして考えることが、浜の保全という視点からは合理的かと思うのですが、法律上はそうなっていません。琵琶湖の中は滋賀県、水際は大津市、その先の陸地側の浜は地主さんと、その責任を負うべき範囲が区切られているからです。今日、山田さんとは、そのような所有に関わる法律的な制度とは別に、もっとこの浜が多くの人に「自分たちの浜」として利活用されたらいいな、活用しているから「自分たちの浜」として大切に保全しようと思う人が増えたらいいのにね…という話しになりました。公有・私有と制度的に区分された琵琶湖から浜へと続く一帯の場所の上に、「みんなの浜」という感覚が醸成されると素敵ですね。あえて言えば、小さな「コモンズの創造」ということになります。
■以上の琵琶湖の南湖の水草問題ですが、正確には、「刈り取った/流れ着いた水草を有効利用できていない問題」といった方がより正確かもしれません。南湖の水草の異常繁茂しないように、経験的かつ科学的に適切と考えられる範囲に抑えることが重要になるのでしょうが、湖の中の環境を人間の意図通りにコントロールすることは大変困難なことです。天候(日照)、河川から流入する水量、湖水の透明度、それから生態系の微妙なバランス…いろんなことが関連しているからです。
■今すぐできることは、「刈り取った/流れ着いた水草を有効利用できていない」状況を変えていくことではないでしょうか。流れ着いた水草については、地域社会の中に、水草有効利用のための「小さな社会的な仕組み」を作っていくことが大切なるでしょう。真野浜で民宿を経営されている山田さんも、近所の家庭菜園やガーデニング、学校・幼稚園・保育園の花壇等で、流れ着いた水草が土壌改良剤として利用してもらえないかと常々考えておられます。現状は焼却処分にされています。ちょっとした工夫で、みんなで協力して少しずつ汗をかくことで、小さな顔の見える信頼関係のネットワークが生まれ、そのネットワークを土台とした「小さな社会的な仕組み」が動くことで、水草が有効利用されていくことが望ましいと思います。
■一方、刈り取った水草。これは南湖に異常繁茂した水草を滋賀県が巨額の費用をかけて刈り取ったものです。しかし、巨額の費用をかけてもその一部しか刈り取ることができません。ちなみに刈り取った水草は、自然乾燥・発酵させて、希望者に無料配布されています。しかし、あまりそのことが知られていません。このような刈り取った水草の有効利用の場合は、地域社会の顔の見える信頼関係だけでは解決していくことが難しくなります。企業や様々な団体も参加する、「大きな社会的な仕組み」を構築して有効利用していく必要があるのではないでしょうか。その場合も、できれば、そのような社会的な仕組みの中で南湖の水草を刈り取るための費用が、少しでも生まれてくると良いのになあと思います。
■ところで、先日、ある企業の社長さんに、この水草問題のことをご相談をしてきました。大変力強いお言葉を頂いくことができました。様々なセクター、業界を超えたつながりの中で、水草が有効利用される仕組みが生まれ、そこに社会的な意味や物語が付加され、地域社会のなかで有効性感覚が醸成されていくこと…それが単なる夢ではなくて実現できるのではという気になってきました。大きな目標を共有させていただき、写真の青空のような気分になりました。
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■一昨日の話しになります。午前中は、大津市役所で「協働」と「オープンガバナンス」、この両方の問題を別々の部署の職員さんと相談をしました。大津市でこれまで取り組んできた「協働」に関する蓄積と、新しい概念である「オープンガバナンス」とは、多くのところで重なり合っているはずです。大津らしいオープンガバナンスの取り組みができるはずだ。これは楽しみになってきたな〜と思っています。「協働」と「オープンガバナンス」が、南湖の水草問題とどう関係しているのか、いつかこのブログでご報告ができるようになると思います。
■午後は、草津市へ移動しました。草津市の「アーバンデザインセンターびわこ・くさつ」で、総合地球環境学研究所のプロジェクト関連の座談会に参加しました。「びわこと暮らしに関する座談会」というワークショップです。これも水草問題関連のものです。「くさつ未来プロジェクト」の皆さん、滋賀県琵琶湖政策課、草津市環境課、草津未来研究所、守山市環境政策課の皆さんが参加されました。ファシリテーターは、加納圭さん(滋賀大学)と近藤康久さん(地球研)です。琵琶湖の良いところと困ったところという切り口から、最後は、水草問題についても皆さんと語り合いました。若いお母さんたちのパワーと発想の自由さに圧倒されました。琵琶湖南湖の水草の有効利用に関しても、おもしろいアイデアをいただきました。
■このような水草の問題は、広い意味で、地域内の資源循環システムをどのように構築していくのかという問題の一つになります。手探りですが、頑張って取り組んでいきます。
琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その1)
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■今日は、大津の真野浜で民宿を経営されている山田 英二さんのお宅を訪問しました。実は、今、いろんな方達と連携しながら琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクトに取り組もうとしているからです。水草問題といっても、大きくは2つの問題に分けて考えることができます。ひとつは、琵琶湖南湖の生態系の問題。巨額の県費を使って刈り取っていますが、その刈り取った水草を有効利用できていません。もうひとつは、湖岸に流れ着いた水草が腐敗して悪臭を放つという迷惑問題。この水草についても、同様に有効利用できていません。この2つの問題を、様々な方達(市民や市民団体、企業、自治体)の協働のネットワークを構築していくことで、少しでも有効利用できるようにしようというのが、プロジェクトの目的になります。どのような協働のネットワークにより、どのような事業に取り組むのか、詳しいことは、またfbでいつかご紹介できればと思います。ということで、今日は、山田さんのお話しを。
■山田さんとfacebookでお友達の皆さんはよくご存知だと思いますが、山田さんは、真野浜に漂着した水草を丁寧に手作業で集めて乾燥しておられます。水分を含んだ水草をそのままにしておくと、腐敗が始まり、異臭を放つようになるからです。この真野浜で民宿を経営されているから、ということもあるのでしょうが、それよりもこの浜を綺麗にしたい、素敵な浜にしたいという個人的な思いから、流れ着いた水草を集めて乾燥されているのです。最初は手作業でされていたようですが、水分を含んだ水草はとても重く重労働になります。そこで、「身近な材料や道具」を使って、「フォーク2号」という道具を発明されました。これは、一輪の手押し車を二輪に改良して、その先に、農作業用のフォークを取り付けたものです。足の力を使って重たい水草を簡単に持ち上げることができます。テコの原理ですね。最初は、もっと重量級の「フォーク1号」だったらしいのですが、もっと軽くて使いやすいものをということで、さらに工夫されて現在の「2号」に落ち着いたようです。山田さんは、これ以外にも、いろいろ工夫をされています。乾燥した水草や湖岸の樹々の落ち葉を集めてビニール袋に入れる際には、最初にプラスチック板をビニール袋の中に入れて、筒のようにすれば、簡単に水草や落ち葉を入れることができるそうです。すごいな。「フォーク2号」と同様に、これも「身近な材料や道具」でできます。
■山田さんは、こうやって一人でコツコツと浜を美しくする作業をされてきました。そのため、最近は、この浜を散歩される方が多くなったそうです。真野浜は、琵琶湖大橋の少し北側にあります。比良山系や琵琶湖の北湖がよく見えます。とても景色の良いところです。しかし、いくら景色が良くても、悪臭がしていては人は寄り付きませんものね。
■いろいろ気がつかれたこともあるようです。以前と比較して、釣り針とか、釣り関連の捨てられたものが随分少なくなったというのです。釣り客のマナーが向上したのでしょうか。それから、コンビニの袋のようなプラスチックも少なくなっているというのです。もちろん、真野浜に限ったことですから、琵琶湖全体ではどうなのかと聞かれれば、それはよくわかりません。でも、真野浜に限って言えば、アメニティは随分改善しているとのことでした。
■ただ、山田さんの個人的な努力だけではなんともならないことがあります。それは、集めて乾燥させた水草の消費者がいないということです。現在、仕方がないので袋に入れてゴミとして焼却処分してもらっているようです。水草は、乾燥させると土壌改良剤として使えて、作物がよく育つのですが…。もったいないことです。もし、地域社会の中に、この山田さんのされている作業を手伝う人がいて、また乾燥した水草を運んでくれる人がいて、さらにはそれを分配してくださる人がいて、家庭菜園、ガーデニング、学校・幼稚園・保育所の花壇、福祉施設、公園等、様々なところで土壌改良剤として消費する人たちがいれば、焼却処分にしなくて良いからです。
■しかし、地域の人びとのつながりと協働の仕組みがなければ、水草を乾燥させてもそれは焼却処分にするしかないのです。山田さんは、そのことを大変残念がっておられました。もし、真野の地域社会で、真野浜に打ち上げられた水草を有効利用することができたら。ちょっとした人びとの努力と、そのような仕組み自体を面白がることで、協働の仕組みが動き始めたら、素敵だなと思います。そのようなことを山田さんと語り合いました。この真野浜を中心とした「真野浜モデル」ができたらいいなあと思います。今日は山田さんと、こんなお話しをさせていただきながら、2人ともワクワクしてきました。うまくいったらいいな〜。