第3回「おおつ未来まちづくり学生会議」
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■17日(金)、瀬田キャンパスのREC棟の部屋に瀬田キャンパス「おおつ未来まちづくり学生会議」の面々が集まって、午前中からグループワークを実施しました。第1回目はテーマ設定とグループ分け。第2回は細長い大津市を分担して「まち歩き」、そして「まち歩き」で発見したことの整理。第3回は、次回の市役所での発表を前に、パワーポイントの作成…。タイトなスケジュールの中で、自分たちの気付きがうまく伝えられるよう「あーでもない、こーでもない」と頑張っています。
■私も作業の途中を時々のぞきにいきましたが、なかなか大変ですね〜。この日だけでは完成できず、あとは第4回まで各グループで作業を継続してもらうことになりました。頑張れ、学生諸君。
早朝の出勤と下弦の月
■水曜日1限は、「地域社会論」の授業があります。授業の準備や資料の印刷等のため、早めに出勤します。とはいっても、始発で出勤というわけではありません。自宅を6時10分に出て、近鉄で京都まで行き、京都では7時10分の電車に乗るというパターンです。このパターンだと、7時50分までには大学に到着します。この時間帯ですと、さすがに学生の姿をキャンパスではみかけることはありません。授業開始が9時20分ですので、余裕をもって印刷等の準備ができます。とても気持ちの良いものですね。
■「台風一過」。今朝の空は、その言葉に相応しいスッキリとした秋らしい青空でした。写真は、瀬田キャンパス1号館を撮ったものです。建物の左上に、半月が見えました。月例表を見てみました。下弦の月の一日前でした。今晩の半月が下弦の月ということになります。この上弦、下弦、意外に難しいですね。上弦の月は満月に向かう時の半月で、下弦の月は満月が欠けてきて新月に向かう時の半月です。ということで、月はこれからどんどん新月に向かって細くなっていきます。まあ、早朝出勤すると、こういう写真も撮るだけの余裕があるというわけですね。
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■もっとも、がっかりするというか、シュン…とすることもありました。出勤の途中、バッテリーほぼ死にかけのiPhone5を外付けバッテリーにつないだ状態で、よくニュースを読みます。今日、気になったのは「大学進学率の地域差、20年で2倍 大都市集中で二極化」という記事でした。朝日新聞の記事です。以下は抜き書きです。
大都市と地方で高校生の大学進学率の差が広がっている。今春の文部科学省の調査から朝日新聞が算出すると、都道府県別で最上位と最下位の差は40ポイント。20年で2倍になった。家計状況と大学の都市集中が主因とみられる。住む場所の違いで高校生の進路が狭まりかねず、経済支援の充実などを求める意見がある。
都道府県別では東京の72・5%が最高で、次いで京都(65・4%)、神奈川(64・3%)、兵庫(61・7%)など。最低は鹿児島の32・1%で、低い順に岩手(38・4%)、青森(38・6%)など。40%未満は5県だった
「大学進学の機会」の著書がある小林雅之・東京大教授(教育社会学)は「選択は個人の自由だが、能力や意欲のある若者の進路が居住地の環境で限られるのは社会的損失だ。大学整備は専ら私学に依拠し、大都市集中につながった。その結果、私学の半数近くが定員割れで苦しむ一方、地方では多くの高校生が望んでも進学できないという矛盾も生じている。家計負担軽減には給付型奨学金の充実が急務。地方の短大や専門学校の活用も有効だ」と話す。
■これはかなり深刻な状況ですね。県民所得の低い地域は進学率も低い傾向にあります。私が以前勤務していた岩手県立大学です。岩手県の公立大学です。今から、10数年前のことですが、学生がこのようにいったことを記事を読みながら思い出しました。「私の親が、『とても仙台や東京の大学にやるだけの余裕は我が家にはない。県立大学に通学するのだったら許そう』といってくれたので、なんとか県立大学に入学できました。ありがたいです」。そのとき、公立大学の存在意義を強く感じました。しかし、東日本大震災に被災されたたことなども、進学にどのように影響しているのでしょうね。今日の朝日新聞の記事を読む限り、当時よりも状況はより深刻になっているのかなと思います。
「報告 社会福祉系大学院発展の ため提案 -高度専門職業人養成課程と研究者の並立をめざして」
■たまたまfacebookを読んでいて、知り合いの方の投稿で知りました。「社会福祉系大学院発展の ため提案 -高度専門職業人養成課程と研究者の並立をめざして」という報告です。「日本学術会議 社会学委員会 社会福祉系大学院のあり方に関する分科会」が2014年9月30日に発表しています。私の専門は、このブログのタイトルからもわかるように社会学です。とはいえ、私の勤務する社会学研究科は、社会学専攻と社会福祉学専攻にわかれており、4年間にわたって社会学研究科長の仕事をしてきたので、この報告のことがとても気になりました。以下は、この報告の結論である「まとめ」の部分の引用です。ここに書かれている課題を実現していこうと思うと、大学・学部・研究科間の連携にもとづく中長期的な経営戦略と、教員や事務職員の献身的な努力が必要となるでしょう。それに耐えられたところが生き残る…ということになるのかもしれません。
■以下に書かれていることの「当面の改革課題」については、龍谷大学社会学研究科では「制度検討委員会」や「カリキュラム検討ワーキンググループ」を設置し、社会学研究科全体の枠組みのかなですでに取り組んでいるところです。「当面の改革課題」の後半、社会人の学習ニーズに関しては、さらにいろいろ検討していく必要があります。「中長期的課題」に関しては、龍谷大学社会学研究科では「東アジアプロジェクト」を展開してきました。「人材養成」に関しては少しずつ成果が生まれてきいます。しかし、ここに書かれた高度な課題については、これから一層努力をしていかねばなりません。
5 まとめ
社会福祉系大学院の現状と改革課題を踏まえ、(1)当面の改革課題に対する提案、(2)中 長期の改革課題に対する提案に分けて記述する。
(1) 当面の改革課題
第1に、社会福祉系大学院は、これまで研究者養成教育と高度専門職業人養成教育の 2つの役割を担ってきたわけであるが、修士課程・博士前期では、この2つが渾然とし ているのが実情である。したがって、各大学院の教学編成方針に基づいて、修士課程・ 博士前期課程においては、社会福祉学の基礎教育(社会福祉教育の体系を価値、支援技 術、政策でもって位置づけ、教育方法と研究方法、および評価システム等のコアカリキ ュラム)を基盤に、高度専門職業人養成を中核としつつ、研究者養成との統合をめざし たカリキュラム構成に再編する必要がある。さらに、グローバルに活躍できる社会福祉の人材養成をめざした高度専門職業人養成および研究者養成に向けて博士後期課程との連続性を視野に入れた一貫した学位プログラムの構築が不可欠である。第2に、これからの社会福祉系大学院の院生の多数を占めることが予測できる社会人大学院生に対応するには、多様な学習形態を設定するとともに、社会人の学習ニーズに 応えるような学習の時間帯や場所の自由度を増し、これまで仕事や遠距離などの支障か ら躊躇していた人たちの学習意欲を喚起し、大学院への進学ニーズを高める努力と工夫 が大切である。放送・e ラーニングなどの講義・演習ツールの開発も欠かせない。また、 大学院および付属研究所、そして企業や行政が組織的かつ継続的に実務現場と連携し、実証性を伴った幅広い社会福祉学を修学する教育プログラムを協働で開発し、社会福祉系大学院が社会人リカレント教育の地域拠点となることが求められている。
(2) 中長期の改革課題
第1に、欧米諸国に匹敵するアジアの社会福祉学の発展も急速に進んでおり、国際標準化を見越した博士課程教育プログラムを準備する必要がある。優秀な院生を確保し、体系的かつ世界に通用する高度な資質をもつリーダー養成を行うためには、欧米諸国の 先駆的な博士課程教育の優れた点を取り入れ、それらと連携する教育プログラムを開発 する必要がある。また、社会福祉学およびソーシャルワーク教育系の学部が韓国・中国 だけでなくアジアで増加しており、こうした大学での研究・教育者を養成していくうえで、日本の社会福祉系大学院の責任は大きい。博士課程学生を受け入れ、東アジアなどでの大学をはじめ、多様な国々で活躍する人材を養成することが必要である。そのため には、アジア諸国の社会福祉学の研究者との研究交流を深め、英語などでの講義を取り入れるなど学生を受け入れやすい環境整備も重要である。第2に、研究者養成については、講座制および学科目制の弊害が叫ばれる中、それに 代わる研究者養成システムを構築するのが長らく困難であった。多様な学問分野の教員 が共同し、コースワークから研究指導や学位授与へ有機的につながりを持った大学院教育の体系化や競い合う研究組織の学際化は、研究者養成の新たな教育・訓練システムとなり得る可能性を有している。また、修士課程・博士前期と博士後期の連続した一貫教育を行うという方向性も検討に値しよう。これからの研究養成には、大学院の多様化・ 学際化は欠かせない要件となる。反面では、単独では、社会福祉学の研究者養成ないし は高度専門職業人養成に必要なカリキュラムを体系的に編成できないという大学院も存在する。そこで、複数の大学院および研究機関が協力して、カリキュラムの体系化や 研究の質の保証を行う「連合大学院」「連携大学院」などの構想(日本学術会議社会学 委員会社会福祉学分科会提言、2008年)を視野に入れた取り組みを積極的に推進してい く必要がある。
■この「報告」を、ある方にお伝えしたところ、私の気持をきちんと受け止めていただけました。安心しました。
寧波大学訪日団の来学
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■大学院社会学研究科で取り組んでいる「東アジアプロジェクト」の一環で、昨年に引き続き、中国・浙江省の寧波市にある寧波大学の訪日団の皆さんが瀬田キャンパスに来学されました。昨日は、龍谷大学の説明、学内キャンパスツアー、社会学研究科への留学に関する説明会、中国からの留学している院生(社会福祉学専攻)との交流会が行われました。瀬田キャンパス訪問のあとは、京都駅前の「居酒屋」に移動し、日本の文化体験(?!)も兼ねて「交流会」をまちました。今年の12月には、こんどは社会学研究科の教員が寧波大学を訪問し、寧波大学で集中講義を行う予定になっています。国際化の「実質化」を推進していくために、今後も、寧波大学に加えて、中国や韓国の他の大学との研究・教育交流を進めていきます。
第2回「おおつ未来まちづくり学生会議」の開催
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■昨日は、第2回「おおつ未来まちづくり学生会議」が開催されました。この「学生会議」については、過去に2つエントリーしています。その記事の一部を引用します。
大津市では、行政施策の基本となる「総合計画」を定めています。「総合計画」とは、地方自治体が策定する行政運営の基本となる総合的な計画のことです。大津市に限らず、すべての自治体は総合計画を策定することを法律により義務づけられています。大津市の現行の計画は平成28年度までとなっており、現在、29年度にスタートする新計画の策定に向けて研究等を市役所で行っておられます。そのさい、新しい計画づくりでは、いかに若い世代の意見を受け止めるのかが、ひとつの大切な課題となっています。そこで、大津市の政策調整部企画調整課では、龍谷大学瀬田キャンパスの学生の皆さんに学生委員に就任していただき、「おおつ未来まぢつくり学生会議」を開催することにしました。
浜大津にある旧大津公会堂で「おおつ未来まちづくり学生会議」の第1回会議が開催されました。この会議は、「環びわ湖大学・地域コンソーシアム」大学地域連携課題解決支援事業2014に、「理想の大津つくろう~大学生が考える未来の大津~」という事業名で採択されています。私は、この事業にアドバイザーとして参画・参加しています。今回のこの事業は、「大津エンパワねっと」を通して様々な機会にお世話になってきた、大津市役所企画調整部企画調整課のTさんからの依頼でした。Tさんとのご縁により、学生たちが成長できる新たな機会をいただけたこと、心から感謝いたします。今回のこともそうですが、「ひとつひとつのご縁を大切にしていると、ご縁がご縁を生み出していく…」ということを日々、実感しています。
■昨日は、午前中、学生たちは、3チームにわかれて、大津市の企画調整課、都市計画課、国際交流課、商工労働政策課の職員の皆さん、そして龍谷大学の職員の皆さん(REC)たちと一緒に「まち歩き」をしました。「人」をテーマに、膳所から浜大津、そして三井寺の周辺を歩いたグループ。「自然」をテーマに、旧志賀町や比良山をめぐったグループ。それから「まち」をテーマに、阪本町・比叡山や石山の商店街を歩いたグループ。それぞれに、重要な「気づき」、素敵な「発見」はあったでしょうか。
■3グループとも、15時半頃にはまち歩きを終えて瀬田キャンパスに戻ってきました。学生たちはもちろんですが、市役所の職員の皆さん、そして龍大の職員の皆さんも、学生と一緒にまちを歩いたことがとても楽しかったとおっしゃっていました。龍谷大学は、滋賀県と大津市に誘致され、1989(平成元)年に瀬田キャンバスを開学しました。龍谷大学は京都に本部があるというこからすれば、京都の大学かもしれませんが、瀬田キャンパスは大津にある大学でもあるのです。ひょっとすると、瀬田キャンパスの学生と、市役所の職員の皆さん、そして龍大の職員の皆さんが一緒に事業に取り組むことは、初めてのなのかもしれません。そう思うと、とても感慨深いものがあります。
■キャンパスに戻ったあと、グループワークに取り組みました。今日のまち歩きでの「気づき」や「発見」についてディスカッションをして整理するグループワークです。そして、その結果をポースターにまとめ、最後は報告を行いました。3つのグループの報告を聞いて、まちを歩き、地元の方達からお話しをうかがい、それぞれ素敵な「気づき」や「発見」をしてきているなあと思いました。次回は、今日の成果を、パワーポイントにまとめる作業に入ります。大津市の総合計画の策定に対して、有意義な提案ができるでしょうか。学生たちの頑張りに期待したいと思います。
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■「学生会議」のあとは、親睦を深めるために石山のイタリアンレストランで交流会をもちました。政策調整部の部長さん、企画調整課の課長さんも駆けつけてくださいました。じつに賑やかに盛り上がりました。学生たちも、ものおじせず、自分の考えをちゃんと話していました(少なくとも、そう見えました(^^;;)。交流会の最後には、市役所の課長さんにサプライズケーキ。この日は、お誕生日だったのです。おめでとうございます!!
【追記】■社会学部のホームページにも掲載されました。記事を作成してくださいました、龍谷大学エクステンションセンター瀬田(REC瀬田)の水野さん、ありがとうございました。
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第2回「おおつ未来まちづくり学生会議」を開催しました
関西六大学野球連盟秋季リーグ「大商大-龍谷大」戦
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■昨年のことになりますが、「地元の大学の野球部」として龍谷大学硬式野球部を応援したいという大津市民の皆さんと一緒に「龍谷大学硬式野球部私設応援団」を結成しました。総勢5名の小さな団体ですし、この私設応援団の「母体」は、いつもの大津駅前の居酒屋「利んやん」です。「利やん」のマスターと常連の皆さんの強いご要望で、私もこの私設応援団の一員になりました。
■今日は、お揃いのキャップもそろえて、応援用のメガホンも持参して、本日、やっと応援・観戦が実現しました。関西六大学秋季リーグ。場所は、大津市の皇子山球場。大阪商業大学との試合です。1類側のスタンドには、硬式野球部の部員たちが陣取って応援をされていました。私たちは、その後ろに座らせていただき、応援です。マスターともう1人常連の皆さんは、市民野球(軟式野球)をやっておられる現役スポーツマン、さらにもうお1人は、ご自身は野球はしないけれど猛烈な野球ファン。私などとは、レベルが皆さん違うのです。ちなみに、この日は、中学で野球をやっているマスターの息子さんもやってきてくれました。ありがとうござます。龍大関係者として、心より感謝します。
■試合の方ですが、「地域エンパワねっとⅡ」報告会のため途中でぬける3回のあたりまでは、龍大がリードしていたのですが、そのあと同点に追いつかれてしまいました。マスターがLINEで連絡してくれたのです。さて、結果はどうなるでしょうね…。結果については、のちほど【追記】でお知らせします。
■ところで、大学スポーツと地域社会との関係について、少し自分の考えを述べたいと思います。龍谷大学硬式野球部は、本部のある京都の大学の野球部かもしれません。しかし同時に、大津市民からみても「大切な地元の大学」であるべきなのです。瀬田キャンパスのお隣、草津市の立命館大学BKCキャンパスは、そのあたりのマネージメントをうまくやっておられるように思います。もっと大学の地元の街、大津に、市民サポーターが増えてほしいと思います。そのための努力をしていくべきだと思います。瀬田キャンパスは、そのあたりの取り組みが非常に弱いようにも思います。もちろん、吹奏学部を中心とした「夕照コンサート」という素晴らしい実績もあります。スポーツ関連でも、そのような取り組みができないものでしょうか。私自身は、以前、野球部と少年野球の関係者をつないで「少年野球教室」の実現に協力したことがあります。当時の椹木寛監督、自ら少年たちを指導してくださいました。地元の少年にとって、いつまでも忘れられない経験になったはずです。このような地道な取り組みが、結果として「地元」のサポーターを増やしていくことにもなると思うのです。
【追記】■龍谷大学、「2-1」で勝利しました!!
関西六大学野球秋季リーグ
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■次の日曜日、8日の午前中、龍谷大学硬式野球部を応援してくださっている「龍大ファン」の大津市民の皆さんと一緒に、私自身も応援してきます。大津京近くにある皇子山球場で行われる、関西六大学野球連盟秋季リーグ「大商大-龍谷大」戦の応援です。私は、午後から「地域エンパワねっとⅡ」(「大津エンパワねっと」)の報告会があるため、試合開始後30分程度しかいることかできませんが、「地元の大学の野球部」ということで、熱心に応援してくださっている市民の皆さんは、それでも私に声をかけて「一緒に応援しよう!!」といってくださっています。ありがとうございます。心から感謝したいと思います。
■ちなみに、当日は、おそろいのキャップをかぶります。ちょっと前のことになりますが、「龍大ファン」の大津市民の皆さんから強いご要望がありました。硬式野球部を応援するのに、おそろいのキャップが欲しいというのです。そこで部長の先生にお願いをして、キャップを購入させていただきました。正面に「Ryukoku」と刺繍がはいっています!!
夏期休暇目前ですが…
■夏期休暇前ですが追い込まれています。そういうときに、いろいろ用事や仕事が入ります。水曜日は、午前中は大学で大学院執行部の執行部会議。今年度の前期を振り返って、事業の進捗状況の確認を行いました。午後からは、滋賀県庁の琵琶湖環境部・自然保護課による「滋賀生物多様性地域戦略策定に係る専門家会議」がありました。自然保護課が生物多様性地域戦略を策定していく作業のアドバイザー的な仕事になるのかな。千葉や徳島からお越しになった生態学の方たちにまじって、いろいろ議論をすることになりました。
■時代はかわりました。私が環境社会学なんて分野で勉強しはじめた四半世紀前には、私のような分野の者が、この種の会議に入るなんてことは、あまりありませんでした。いわゆる理科系の人たちばかりでした。文科系の研究者は、その蚊帳の外にいた感じでした。大きく社会状況が変わってきました。この社会状況の現実の変化に、どれだけ、広い意味での環境科学が対応できているのか、その内部の、個々の個別科学が対応できているのか……。まあ、いろいろ問題はあるのですが、それはともかくです。分野の異なる方達と、ひとつのフィールドや対象をもとに、共同研究や仕事を行うことは、いろいろ勉強にもなりますし、発見があります。今回も、勉強させていただきました。
■この会議で、ひさしぶりに、琵琶湖博物館の中井 克樹さんにもお会いしました。博物館時代の同僚です。彼は、現在は博物館に在籍しながらも、自然保護課で外来種の問題や生物多様性保護の仕事に取り組んでおられます。facebookでやり取りしているので、あまりひさしぶり…という感覚はないのですが、それでも「生・脇田さんや〜」と挨拶されたので、10年ぐらいお会いしていないのかもしれませんね。
■会議のあとは、町家キャンパス龍龍を借りて、3人のゼミ生の指導をしました。「北船路米づくり研究会」の農村-都市交流イベント「かかし祭」の開催が近づいてきました。1人とは、その企画内容の詰めに関する指導です。残りの2人は、卒論に関する指導でした。このうちの1人、Uくんは、地域社会と私鉄ローカル線との関係について研究しています。これまでも、全国の様々な私鉄ローカル線の事例を丹念に調べてきましたが、これからは京阪電鉄の石山-坂本線に焦点を絞り研究を進めていくことになっています。ということで、知り合いの関係者の方に連絡をとったところ、「こういう若者がいるんですね」と大変喜んでくださり、さっそくUくんに会って話しをしてくださることになりました。ありがたいことです。
■そして昨日、木曜日。午後から、大津市役所で、「大津市都市計画審議会」と「大津市都市計画マスタープラン案策定専門部会」が開かれました。ダブルヘッダーです。この「都市計画マスタープラン」の仕事は、先日ご紹介した政策学部のLORCの研究とも重なります。超高齢社会と人口減少の中で、どうやって地域の将来像を多くの皆さんと前向きに描いていくのか(Co-Design)、とてもやりがいのある仕事です。まだ、今後の展開がどうなっていくのか不透明なところもありますが、市役所の皆さん、そして都市計画の専門家や市民の代表の皆さんと一緒に、大津市ならではの「都市計画マスタープラン」ができればと思っています。
■マスタープラン案策定専門部会は、途中で退席させていただきました。17時から瀬田キャンパスのRECレストランで、韓国から訪日された「韓国学生交流プログラム」の皆さんの歓迎会が開催されたからです。とはいっても、そんな堅苦しいものではなく、和気あいあいとした雰囲気のなかで、ご挨拶と社会学研究科で進めている「東アジアプロジェクト」の説明をさせていただきました。韓国の学生、韓国からの留学生、中国や台湾からの留学生、さらには学部の学生も加わって、めっちゃ盛り上がりました!こういう交流の実績のうえに、教育・研究プログラムが展開していけばと思っています。
限界都市化に抗する持続可能な地方都市の「かたち」と地域政策実装化に関する研究
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■昨日の午前中は、前期に担当した「社会学入門演習」の1年生たちと個別面談をしました。午後は試験補助監督。その合間に、9月に韓国で開催される国際会議の原稿作成に励み、夕方は学内便の車で深草キャンパスに移動しました。深草キャンパスで、政策学部が中心になって進めている「LORC(地域公共人材・政策開発リサーチセンター)」の研究会議が開かれたからです。「LORC」は、「地域公共政策」研究、並びに「地域公共人材」研究を担う龍谷大学の研究センターです。その「LORC」による「限界都市化に抗する持続可能な地方都市の『かたち』と地域政策実装化に関する研究」が、文部科学省の平成26年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択されました(採択結果一覧)。すでに、2003年度から2007年度までのフェーズ1、2008年度から2010年度までのフェーズ2、2011年度から2013年度までのフェーズ3を経ていますので、今回はフェーズ4ということになります(フェーズ3では、「人口減少時代における持続可能な地域づくりのための制度的インフラと地域公共人材育成の実践的研究」に取り組んできました)。写真は、「構想調書」です。研究体制は、第1研究班「限界都市論」研究班と、第2研究班「政策実装化」研究班の2つから構成されています。私は、第一研究班「限界都市研究班」に所属しています。政策学部の教員の皆さんが中心になりますが、法学部や国際文化学部からも参加しておられます。社会学部からは私だけです。分担の研究課題は、これまでの研究経過や専攻分野から「地域資源の管理の研究」となっています。
■ところで、フェーズ4の「限界都市化に抗する持続可能な地方都市の『かたち』と地域政策実装化に関する研究」は、以下のような研究になります。詳しくは、新しいフェーズ4の公式サイトで公表されることになると思いますが、とりあえず、この支援事業の構想調書から引用してみます。
本プロジェクトでは、人口減少と高齢化の進行、地域資源の管理・活用能力の低下を直視し、「限界都市化」(健康で文化的な暮らしを持続するための必要な都市機能を質的/量的に維持することが難しくなっている都市)に抗する、持続可能な地方都市行政の「かたち」と、それを実現するための地域政策実装化への道筋を研究することを目的としている。
研究者ネットワークをフルに活用して、ガバメントとガバナンスの新しい「かたち」を研究することを通じて、持続可能な集約型都市圏構造モデルを海外に積極果敢に発信し、「縮小都市学」と呼ぶに相応しい新たな学際ジャンルの日本での研究拠点を形成することに学術的な意義がある。
■私は、これまでの「LORC」の研究に関わったことはありません。今回が初めてです。正直にいえば、これまでの活動のプロセスについてもよくわかっていません。さてさて、どんな感じに会議は展開するのだろうなと、少し心配していました。政策学部が中心なので、当然のことながら行政学とか政治学、そして都市計画を専門とする人たちが中心となります。私自身、30代の頃から、分野を超えた研究プロジェクトに幾度も関わってきました。自分の経験からもいえるのですが、工夫を凝らさなければ、異なるディシプリン間での議論や連携はなかなか難しいのです。しかし、皆さんの話しに耳を傾けるうちに、ぼやっと自分のこの「LORC」内での立ち位置のようなものが見えてきました。
■これまで時折このブログでもエントリーしていますが、コアメンバーとして参加している総合地球環境学研究所の奥田プロジェクトの研究と連動させることで、いろいろ展開していけそうな感触を得ることができました。なぜなら、今期のLORCが重視している地域が、「京都府北部都市圏」と「滋賀県湖南都市圏」だからです。少し説明します。フェーズ4では、前者の「京都府北部都市圏」が一極中心型の集約型都市圏構造の事例として、後者の「滋賀県湖南都市圏が多極分散型の集約型都市圏構造の事例として取り上げ、比較研究を進めることになっています。奥田プロジェクトでは、野洲川をメインのフィールドとして取り上げています。野洲川は湖南都市圏の中心となる河川です。エリア的にはドンピシャリと重なりました。野洲川は、複数の自治体を流れて琵琶湖に流入します。多極分散型の集約都市圏構造、そしてそこでの「自治体とガバナンスのあり方」というフェーズ4の課題と、人口減少と高齢化の進行のなかでどうやって野洲川流域を末端のコミュニティレベルから管理していくのかという課題とは、どこかで結びつくはずです(重層化されたガバナンスのあり方→「階層化された流域管理」)。会議に参加された皆さんに、研究の方向性に関して自分なりのイメージを語ったところ、ご納得いただけたようすでした(まだ、よくわかりませんが…)。良い感触を得られました。
■昨日は、学外から同志社大学政策学部の新川先生が参加されていました。新川達郎先生には初めてお会いしました。岩手県立大学総合政策学部に勤務しているときから、間接的に、いろいろお名前をお聞きしていましたが、お会いしたのは今回が初めてです。研究会議のあとは、大学の横にある「新華」で懇親会が開かれました。その場で、「大津エンパワねっと」の話しも飛び出してきました。あくまで私の個人的な考えですが…こんな話しをしました。「大津エンパワねっと」が文部科学省の「現代GP」に採択されたときから、こういった地域連携型教育プログラムと連動させて、同時に地域社会やコミュニティに関する共同研究も進めなくてはいけないと主張しました。しかし、そのような意見はまともに相手にされることはありませんでした。私の主張の仕方が悪かったのかもしれませんが、空振りでした…。時代状況を読み、社会学部ならではの学際的な研究、特に、地域コミュニティに関する研究を進めてくるべきだったのに…。そう思うと残念でなりません(もはや、過去形で語るしかないのですが…)。政策学部は、教育と研究をすごく上手に連動させながら組織運営をしている…ようにみえます。いつも、そのような政策学部の動きを横目でみてきましたが、「LORC」での研究を進めながら、今後も政策学部の組織運営に関しても、いろいろ学ばせていただこうと思います。
大学院社会学研究科オリエンテーション
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■日曜日ですが、午後から瀬田キャンパスで社会学研究科のオリエンテーションを開催しています。今日、出席されたのは14名の皆さん。学部からの進学者、留学生、社会人の方たち。じつに多様性があります。数えてみると、14名のうちの半分が中国や韓国からの留学生です。社会学研究科では高度専門職業人の養成に力を入れていますが、このような多様性が、それぞれの皆さんの成長にとってプラスの方向につながるように、他の教員の皆さんとつとめていきたいと思います。
■オリエンテーションでは、教務主任のお2人の先生から、研究計画や文献調査・社会調査に関して説明が行われました。基本的な内容は、新入生対象の説明なのですが、それぞれの先生の経験や学問観にまで踏み込んだ大変すばらしいスピーチでもありました。そのあとは、休憩をはさんで、専攻主任のお2人の先生から、奨学金、TAやアルバイト、セクハラ・アカハラへの対応に関して説明が行われました。
■基本的な説明のあとは、新入生の履修説明相談会が開催されました。社会学専攻社会学コース、社会学専攻ジャーナリズムコース、社会福祉学専攻のそれぞれの教員たちが、そして事務的なことについては教務課職員が、4つのブースにわかれて新入生に対して丁寧な個人指導を行いました。
■オリエンテーション終了後は、瀬田RECレストランにおいて交流会が開催されました。新入生は、大学院在籍者や社会学研究科の教員と歓談しながら、充実した時間を過ごしました。