小さな自然再生 ビワマス魚道を設置して地域を盛り上げよう!!


▪️滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターの佐藤祐一さんによるFacebookへの投稿です。本当に残念、この事業が開催されるのは木曜日なんですね。土日でないと参加できません。定年退職したら、こういう活動にも参加できるのかなと思います。どんな感じになるのでしょうね。楽しみです。ただし、75歳になったら運転免許を返納する予定なので、時間は限られています。しかも、健康に生きていることを前提にしています。

▪️こういった様々な環境に関わる市民活動で、理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」が発行するデジタルポイント、「びわぽいんと」が、いつか使われるようになって欲しいと思っています。ポイントの「贈与」を通じて、活動間のつながりや連帯がネットワーク化していくことを夢見ています。

CO₂ゼロEVスクールバス導入

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▪️このようなバスが深草キャンパス内に展示してあります。このバス、電気で動きます。その電気も、すべて龍大で発電した再生エネルギーによる電気を使います。京都の深草キャンパスと大宮キャンパスの間で運行されます。月曜日からになります。以下の大学の記事をお読みください。
「龍谷大学、日本初のCO₂ゼロEVスクールバス導入— 再エネ100%で深草⇆大宮キャンパス間を運行」
「カーボンニュートラル宣言」

▪️この投稿をfacebookにも投稿したところ、鉄道の専門家の方から、以下のようなコメントをいただきました。

BYD製のK-8 2.0という車型ですね。
輸入電動バスについてはいろいろ話を聞きますが、これは一番安定している車だと思います。

▪️たしかに、ネット上では様々な問題点を指摘する記事がありますね。まあ、どの記事が、どこまで正しいのかはわかりませんが。とはいえ、このバス、故障なく、安定して運行して欲しいなと思っています。

富栄養化はどのように語られてきたのか…

▪️昨日、滋賀県立図書館に返却した資料ですが、1969年(昭和44年)から1972年(昭和47年)まで、当時の建設省近畿地方建設局が土木学会に委託した「琵琶湖の富栄養化問題に関する調査」の報告書です。琵琶湖の富栄養化に関して、初めて本格的に取り組んだ調査だと言われています。土木学会衛生工学委員会に「琵琶湖の将来水質に関する調査小委員会」がもうけられて、この小委員会が調査を担当しました。現在、びわこの富栄養化がどのように議論されてきたのかに関心をもち、いろいろ資料を探索しています。

▪️「琵琶湖の将来水質に関する調査小委員会」の委員長は、京都大学の岩井重久さん(1916年~1996年)です。岩井さんは、1958年に京都大学工学部に衛生工学科を創設された方です。琵琶湖の富栄養化の問題がどのように議論されているのか調べている中で、この岩井重久という研究者のことを知りました。このような情報に辿り着くための助言をくださったのは、滋賀県立琵琶湖博物館学芸員の芳賀裕樹さんです。芳賀さんありがとうございました。

▪️この琵琶湖の富栄養化問題について調べていると、芋づる式にいろんなことを知ることになります。1972年(昭和47年)に法律が制定され、1972年(昭和47年)から1997年(平成9年)にかけて行われた巨大国家プロジェクト「琵琶湖総合開発」とも関係していました。上記の岩井さんは、第六十八回国会参議院建設委員会で「琵琶湖総合開発」を始める根拠となる「琵琶湖総合開発特別措置法」の「案」について、参考人として出席し陳述されています。岩井さん以外には、前にも少し投稿の中で触れた津田松苗さん(奈良女子大学)が富栄養化に関して発言をされています。生物関連では、京都大学大津臨湖実験所の所長である森主一さんも琵琶湖の生物への琵琶湖総合開発の影響について発言されています。議事録を興味深く読んでいます。

▪️県立図書館では、上記の報告書以外に『国民生活行政20年のあゆみ』という本も借りていました。1970年に水質汚濁防止法が制定される以前と以後のことについて勉強したかったからです。1958年(昭和33年)に制定された前身の「公共用水域の水質の保全に関する法律」(水質保全法)および「工場排水等の規制に関する法律」(工場排水規制法)の水質二法の頃からの話ですす。ちょうど高度経済成長期の初期に当たりますね。この法律と現状との間にギャップが生まれて、それを解消するために水質汚濁防止法が制定されたわけです。ただし、この水質汚濁防止法で、生活排水の対策は盛り込まれていません。1990年(平成2年)に水質汚濁防止法が改正され、生活排水対策を推進するための制度的枠組みをこの法律の体系の中に組み込みました。琵琶湖に赤潮が大発生したのが1977年ですから、その12年後ということになります。

PFAS問題に関する東京新聞の記事。

▪️PFASの問題、とても気にしています。これは東京新聞の記事「「記者も「汚染水」を飲んでみた 永遠の化学物質 PFAS スクープ記者が明かす舞台裏【新聞記者ラジオ】」です。また、こちらは音声ラジオの「前編」になります。そのうちに、「後編」もアップされるのではないかと思います。

▪️大変丁寧に取材を積み重ねてこらています。そのような取材をもとに、記事のなかでは、松島記者、そして同僚の小川記者が以下のように語っておられます。私がとても気になったところです。

長らく見過ごされてきた問題なんです。資料を詳しく見ると、東京都水道局がPFASの検査を始めた2005年ごろから、すでに現在の暫定目標値を超えるPFAS濃度が検出され続けていたことが分かります。つまり、急激に汚染が始まったのではなく、かなりの期間、高い濃度のPFASが検出されていたということです
これはつまり、住民が水道水を通じて経口摂取し、体内にPFASが蓄積されてきた可能性が高いことを意味します。このことから、次に血液検査の重要性が浮上し、2023年1月からは血液検査の取材に力を入れるようになりました。

小川記者 そうですね、健康被害や環境への被害の「見えにくさ」が大きな課題だと感じています。目に見えて何かが悪くなっているわけではないため、報道する側も控えめになりがちでした。放射能問題などにも近い感覚で、被害が見えにくいと行政も動かず、読者もなかなか関心を持ってくれない、というもどかしさを感じていました。

松島記者 私はPFAS問題を、「環境問題」ではなく、「消費者問題」だと考えています。もちろん環境汚染は問題ですが、健康被害が起きるのは、PFASを体に取り込んでしまうからです。

小川記者 松島記者はこの2、3年間、「見えない被害」や「見えない汚染」に真摯(しんし)に向き合い、それを掘り起こし、見えるようにする仕事を続けてきました。行政の縦割りの問題などもまた「見えないもの」ですが、それを可視化していくのは記者の仕事の醍醐味(だいごみ)だと思います。本当に素晴らしいです。

▪️こちらは、「【関連記事】ビジュアルでわかる 東京のPFAS」です

秋刀魚と黒潮大蛇行の関係 海水温の上昇と真昆布の関係

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▪️今年のサンマは豊漁なのだそうです。しかも、大きいし、脂が乗っていてとても美味しいです。昨晩は、今年「お初」のサンマでした。いやいや漢字で表現したほうがよいですね、そう秋刀魚です。昼間は暑くて「猛烈な残暑」という状況ですが、味覚については秋が到来しつつありますね。ここ数年、秋刀魚を買う気になれませんでした。値段が高いし、痩せていて小さくて、見るからに不味そうに思えたからです。そのようになったのは、海流が関係にしているのだそうです。

▪️本来ならば、日本列島に沿ってまっすぐに流れる黒潮が、大きく南に迂回する「黒潮大蛇行」という現象が起きて、温かい海流が三陸沿岸に北上して、冷たい海水が好きなサンマ(ここではカタカナ)は温まった三陸沿岸の海域を避けて、冷たい水のある沖合を南下したのではないかと言われているようです。しかし、今年の秋刀魚の豊漁は、その黒潮大蛇行が終了したため、三陸沖に冷たい海水が流れ込んできて(親潮)、サンマの豊漁につながっているという説明です。
たしかに、気象庁は「黒潮大蛇行」が今年の4月に終息したと発表しています。ただし、その余波がまだ続いているという研究者もおられますが。

▪️さて、秋刀魚は美味しくいただいていますが、最近心配しているのは北海道の天然真昆布です。温暖化で海水温が上昇したことと、真昆布をたべるウニの食害が原因なのだそうです。「水温が上がるとウニの食欲が増し、食害が進むという」ことらしいです。じゃあ、そのウニ食べてしまえばと思のですが、そういうわけにもいかないようです。

▪️こちらのブログの記事、大阪で昆布を商っておられる店主さんのブログのようです。真昆布が消えていく無限ループです。

『海藻がない』⇒『ウニのエサが足りない』⇒『ウニの卵巣が成熟しない』⇒『漁師さんが採らない』⇒『個体数が減らない』⇒『多数のウニが少ないえさを取り合う』⇒『わずかに残った未成熟な海藻まで食べられる』⇒『磯焼け』

津田松苗さんの『汚水生物学』

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▪️古本で入手しました。昨日投稿した津田松苗さんの『汚水生物学』(1964年)。もともとは、財団法人日本醤油研究所の蔵書だったようですね。この日本醤油研究所って、醤油製造等に関する技術の研究・指導を主目的としている財団法人だったようです。設立は、1958年11月7日。今は、財団法人日本醤油検査協会と統合して財団法人日本醤油技術センターになっています。どうしてこの『汚水生物学』が日本醤油研究所の蔵書だったのか、なんとなく想像できます。まあ、想像でしかないのですが…。

▪️下水道が普及していない頃、工場廃水は河川にながされていました。もちろん、家庭排水もです。『汚水生物学』の「はしがき」には、こう書かれています。

近年年の膨張、工業の発展とともに河川の汚濁はまことにいちじるしい。水質汚濁の研究、汚水処理の研究がさかんになってきたのももっともである。
ところがこれらの問題には生物学的な知識がきわめて必要なのである。この点徐々に理解されてききているが、まだまだ不十分である。

▪️汚水と生物、どのような関係にあるのかといえば、水域にいる生物の種類によって水質がどの程度なのかだいたい検討をつけることができるのです。環境学習で勉強する指標生物も、同じことなのだと思います。2つめは、汚濁した水も川を流れていくうちにきれいになっていきます。三尺流れれば水清しといいますよね。でも、その過程では、有機物を無機化する時に生物が関与しています。3つめは、下水処理で汚水を浄化するのも生物です。(1)生物学的水質判定、(2)自然浄化、(3)汚水処理にとって、生物の存在や働きが重要だと津田さんは述べておられます。汚水生物学は、下水道などのインフラが整備される以前の、高度経済成長の社会状況にぴったりの分野ということになります。

▪️『汚水生物学』のなかでは、家庭排水に含まれる合成洗剤が下水処理場を通過したあとも、分解されずに下流で泡立ちが起こる(泡公害)ということも書かれています。また生物学的水質判定の事例として、龍谷大学のある伏見区の河川(琵琶湖疏水と新高瀬川)のことも書かれています。「その流域は人家密集し、大量の家庭下水が排出され、一方醸造工場、その他の工場も多数あって、主として有機排水を出す。したがって川はかなり汚染された様相を呈している」。いまでは想像しにくいかもしれませんが、私が子どもの時の、つまり高度経済成長期真っ只中の頃の川って最悪でしたからね。川のなかには、白いもやもやした塊がゆらいでいました。バクテリアです。『汚染生物学』の脚注に京都の街中や、山崎から枚方までのあいだで、このバクテリアがみられることが書かれています。

▪️で、話は財団法人日本醤油研究所に戻るのですが、全国の醤油工場からでる河川に流される廃水のことを気にしてこの本を購入されたのではないのかなと…まあ勝手に想像したのです。ちなみに、『汚染生物学』の第8章「湖の汚染と富栄養化」は、昨日投稿した『自然保護』(昭和38年(1963年)2月)に執筆された「湖の富栄養化を防ごう」と同じものでした。

平和堂財団夏原グラントの一般助成2年目のプレゼンテーションと選考会議

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▪️昨日は、平和堂財団夏原グラント一般助成2年目の14団体の皆さんによるプレゼンテーションと選考会議が行われました。場所は、浜大津明日都の「大津市ふれあいプラザ」です。多くの団体の皆さんから活動報告をお聞かせいただき、毎年のことながら、選考委員としてとても勉強になりました。また、いくつかの団体のお話をお聞きして、とても元気が出てきました。これからの世界、先行きの見えない暗い世の中なのですが、そのような中でも「うん、そうだよね」と未来に希望を持てるようなお話でした。ありがとうございました。いくつか感想を。

▪️「伊吹山三合目 豊かな植生を守る獣害防止金属柵設置事業」は、行政と連携しながら活動されていますが、鹿の獣害から貴重な植物を守るために金属柵を設置したいと、その費用だけに特化した申請を夏原グラントにされています。夏原グラントの一般助成は3年間になりますが、2024年から3年計画で、これまでの化繊のネットを金属柵に取り替えていかれます。すごくわかりやすい、そして緊急度の高い取り組みだと思います。

▪️それから、京都の北にある京北町での「21くろやま塾の活動」。この取り組みも素敵だなと思いました。30年近く続いているとのこと。そうすると、子どもの頃に参加していた方が、京北町ではなく京都市で暮らしていても、イベントの時には子どもを連れてやってこられるのだそうです。また、Iターンの人たちも増えてきているようです。そして、夏原グラントの助成を受けたことで、活動そのものを多くの皆さんに知っていただき、社会的信用も増して、自分たちの事業を計画的に行うことができるようになったというのです。助成を受けることで、団体としてエンパワーメントされたわけですね。

▪️もうひとつは、「地域のみんなで『十禅寺川いきもの調査隊』」という取り組みです。十禅寺川というの、草津市内を流れる川です。生き物大好きな一人のお母さんが、ママ友3人を誘ってチームを作り、暮らしている地域の十禅寺川で、地域の子どもたちと一緒にいきもの調査をやっておられます。生物の研究をする大学院生、環境教育の専門家、博物館の学芸員といった専門家のサポートも受けておられます。いきもの調査だけでなく、ゴミ拾いも行うので、地域の方たちも喜ばれていると言います。生き物観察と合わせて参加者が清掃活動を行うことで、安心して川に入ることができる環境づくりを行っておられるのです。面白かったのは、比較するために甲賀市の棚田に行った時のことです。生物相が違うということよりも、棚田に関わる地元の大人の皆さんと、自分たちが暮らす地域の大人との違いに、お子さんたちが驚かれたということです。棚田の保全に取り組んでおられますから、市街地との差が出てくるのでしょう。でも、「十禅寺川いきもの調査隊」の調査結果が、地域で広く共有されると、身近な河川である十禅寺川に関心を向ける方達が増えてくるかもしれません。一般に、人びとが関心を失った環境から、劣化していく傾向が高まります。この活動がどのように成長していくのか、楽しみです。

「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の「四手井綱秀記念賞」受賞

▪️平和堂財団・夏原グラントの選考委員をしています。京滋地域で環境保全に取り組む団体の活動に対して助成をおこなっています。このたび、その夏原グラントから助成をさせていただいた高橋滝次郎さんたちの「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」が、関西自然保護機構の「四手井綱秀記念賞」を受賞されました。おめでとうございます。

▪️高橋さんたちのグループは、伊吹山の貴重な植物を鹿の食害から守るために長年にわたって活動をされてきました。ところが、鹿の食害で植物が食べられるだけでなく、そのことを原因として、とうとう麓の集落に土砂が流れ込む土砂災害まで発生してしまいました。草がなくなったために、降った雨がどんどん勢いよく斜面を流れていくのです。それが麓の土砂災害にもつながっています。もうひとつは、これまで冬の寒さによって毎年一定数が死んでいたのですが、温暖化によって積雪量が減り、越冬しやすくなっているようです。また、近年、駆除するハンターが減少し、周辺の山から伊吹山に流入してくるなどして、シカが増えているのだそうです。こちらにNHKのニュースの中で解説されています。このニュースによれば、1㎢あたり5頭が適当な頭数であるところ、伊吹山ばあいは60頭もいるようです。びっくりします。

▪️以下は、高橋さんのfacebookへの投稿です。友達限定の投稿ではないので、シェアさせいただくことにしました。このご投稿にも書かれておられますが、「先輩方から引き継いだ伊吹山での環境保全活動などをまとめたもので、地元の先輩方や一緒に活動する仲間たちのお陰なのです」とのことです。高橋さんも含めて伊吹山を「故郷の山」として大切に思っておられる方たちが、楽しみながら活動されきたようです。高橋さんは、じつにたくさんの花の名前をご存知です。幼い頃から伊吹山に親しんでこられた、「故郷の山」とは言い換えれば「うちの裏山」なんだと思います。だからこそ、活動の主体性や責任感のようなものが生まれてくるのではないでしょうか。しかし、鹿の食害が予想できないスピードで伊吹山が壊れていっていいます。こうなると行政による土木工事や、プロによる大規模な鹿の駆除も必要になります。ということで、「今後も関係機関とともに」と書かれているのだと思います。

▪️この受賞について夏原グラントの事務局や、平和堂財団の常務理事にもお伝えしました。とても嬉しいです。受賞されたことをお伝えした常務理事さんからは、「助成先がこの様な名誉ある賞を受賞された事は嬉しい限りです」とのメッセージもいただきました。関係者としても、高橋さんたちの受賞を誇りに思っておられるのではないでしょうか。

琵琶湖の全層循環(深呼吸)

▪️「”びわ湖の深呼吸” 全層循環を5年連続で確認」というNHKの記事を読みました。今年も、「琵琶湖の深呼吸」=「全層循環」が確認されました。よかった、よかった。安心しました。おそらく、滋賀県民の多くの皆さんが同様の気持ちになっておられるのではないかと思います。

▪️ このタイミングで「『深呼吸』が止まる時代 湖は」という新聞記事も読みました。小さな記事だけど、気になりました。琵琶湖は、「富栄養化」の時代から「気候変動」の時代に移行してきたという記事です。富栄養化では、陸地からのりんや窒素の流入が問題になりました。その背景には、人びとの暮らしや生業が存在していました。全国的に知られる滋賀県の県民運動「石けん運動」は、琵琶湖に流入するりんの48%が家庭の洗濯排水からということが事の始まりでした。今、合成洗剤は無りんですけど、当時の洗剤にはりんが洗浄助剤として入っていたのです。「石けん運動」は、もともとは、合成洗剤一般に含まれる合成界面活性剤を問題視する消費者運動だったんですが…。

▪️そのことは別にして、「石けん運動」では、琵琶湖の周りに住んでいる人たちの努力で琵琶湖を良い方向に変えられるという実感が生まれたと思うんですよね。もっといえば、「石けん運動」の担い手であった女性たちが、社会を変えていけるという実感を持てたんですよね。女性たちが、エンパワーメントされました。でも、実際のところは、下水道の急速な普及が琵琶湖の水質に関しては決定的に大きな影響を持ったように思います。ちょと、脇道にそれてしまいました。

▪️さて、その「石けん運動」では、富栄養化が問題視されました(もうひとつは界面活性剤)。ところが問題が気候変動になると、琵琶湖の周りに住んでいる人たちの努力では、なんともならない状況が生まれてきます。困りますね。そのひとつは、琵琶湖の深呼吸、全層循環の問題です。冬になって湖面の酸素を含んだ水が冷やされて湖底に沈み、湖底に酸素を供給するのです。今年は、全層循環が起こりましたが、2019・2020年は起こりませんでした。やばかったです。全層循環が起きないと、琵琶湖の湖底に酸素が供給されず、湖底の生物は死に、底泥からりんや有害な物質が溶け出してくることが心配されます。でもね、温暖化は、琵琶湖の周りに住んでいる人たちの努力だけではなんともならないんです。

▪️以下は、記事からの引用です。

温暖化では別の懸念もある。琵琶湖では10年代から外来の植物プランクトン「ミクラステリアス・ハーディ」が目立つようになった。大型で突起が多く、動物プランクトンのえさになりにくい。もし温暖化で増えるような、動物プランクトンが減り、それを食べる魚も減るシナリオが考えられる。

▪️さて、どうしたものでしょう。この記事に出てくるのは、知り合いの京大生態学研究センターの中野伸一さん。中野さんは、どう考えているのかな。気になります。

びわますフォーラム 2024-2025 in 野洲(1)

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▪️昨日は、野洲市で開催された「ビワマスフォーラム」に参加しました。参加してとてもよかったと思っています。前半は、いろんな方達が横につながって、野洲市の家棟川にビワマスが遡上して産卵できるようにしてきた取り組み。いろんな方達とは、市民団体や自治会、企業、専門家、行政の皆さんです。これらの皆さんが2015年に「家棟川・童子川・中ノ池川にビワマスを戻すプロジェクト」を結成されました。具体的な取り組みですが、川の途中にある落差工に魚道を設置し、河床に砂利を入れて耕し、ビワマスが産卵しやすくして、加えて、産卵期は密漁がないようにパトロールをしながら、産卵にやってくるビワマスの数を数え、死んだビワマスは回収して、お腹の中に残った卵の数を一粒一粒数えてデータをとる…そういう地道な活動を、市民や家棟川の近くにお住まいの地域住民の皆さんがモニターとなって観察するのです。

▪️ちなみに、落差工とは、「急な勾配を緩くし水の流れを弱め河床の安定を図るため、河床に落差を設ける横断工作物」のことです。そのような落差工があるとビワマスは遡上できません。ですから、試行錯誤しながら、まずは手作りの仮設魚道を作って設置しました。なかなかうまくいきません。ということで、翌年は、魚道が遡上しやすいような工夫を加えました。おそらく、よく観察された結果だと思います。そして、その次は行政の支援の元で、その手作りの魚道をそっくりそのまま金属でつくりました。しっかりした魚道になりました。これだとビワマスが遡上したようです。

▪️ところで、この家棟川は一級河川で河川管理者は滋賀県、具体的には南部土木事務所になります。こういった構造物を置くことには、河川行政は非常に難色を示します。河川を管理する立場ですから、洪水等が発生する原因にならないように厳しく管理しているのです。最初からすんなり仮設魚道の設置が認められたわけではありません。むしろ、その逆かもしれまん。しかし、ブロジェクトの皆さんが主体性と責任をもってこのプロジェクトに取り組む中で、次第に河川管理者の側にも変化が現れてきたようです。行政組織の中にも、対地域住民に対する「信頼」が少しずつ醸成されていったのではないでしょうか。そして、2023年には、仮設ではなく、金属で作った仮設のものとそっくり同じ形のものが本設魚道が、落差工のど真ん中につくられました。素晴らしいことです。

▪️このあたりのこと、行政と民間団体であるプロジェクトの皆さんとの間にパートナーシップが着実に生まれてきたと言い換えることができるのかもしれません。それぞれの言い分をまずはしっかり聞いて、その上で粘り強くコミュニケーションを継続していくことが大切です。こういうことが、窓口や担当者の主観で進むのではなく、をこの家棟川での双方の経験をベースに、県庁の組織の中でしっかりとした仕組みにしていってほしいです。実際、おそらくそういう方向で進んでいくのだろうなと思っています。そして、身近な河川との周囲の人びととの関係がさらに濃くなってほしいと思います。関係が希薄になるところから、環境は劣化していく可能性が高まってしまいます。大切なポイントです。

▪️そしてもうひとつは、長浜市の米川でのまちづくりの取り組みの中で、ビワマスが遡上できるようにしていきたいという取り組みになります。「長浜まちなか地域づくり連合会」の取り組みです。下水道が敷設される前、長浜市の中心市街地を流れる米川は大変汚れていたといいます。汚れた環境に人は振り向きません。身近な河川であっても、そこには社会的な距離が生まれてしまいます。そこで、米川では市民による河川清掃の取り組みも行われてきました。最近は、水質も大変良くなり、ここで米川と地域の人びとをつなぎ、米川を灰水として地域の人と人がつながっていくさまざまな活動が行われています。昨年は、「米川よろず会議」という団体が、「第16回 全国いい川・いい川づくりワークショップ in 白山手取川」で、みごとにグランプリを受賞されたそうです。

▪️そのような活動の中で、ビワマスのことが関係者の間で話題になりました。かつて清掃活動に取り組んでおられた片野さんという方が、「ここでな、わしは子どもの時、窓からビワマスを掴んだんや」ということを語っておられた…ということが関係者の間で知られるようになり、その片野さんの記憶が元になり、これから米川にみんなでビワマスを取り戻そうとされてるようになったのだそうです。ビワマスの稚魚も見つかっていたという話だったように思います。そしてビワマスに関しては先輩にあたる「家棟川・童子川・中ノ池川にビワマスを戻すプロジェクト」の皆さんと交流を始められたのです。素敵な話しですね。行政が何かお膳立てをして、そこにまるで動員されるかのように環境保全活動が始められる…というのとは全く違っています。もちろん、河川のことですから行政も関ってはきますが、民間の力でという点が非常に大切だと思います。そのような力を引き出す力がビワマスにはあるのです。このような動物のことを「環境アイコン」と呼ぶ専門家もおられますが、環境アイコンとしてのビワマスを通して野洲市と離れた長浜市でも活動が連携されているのです。素敵だと思います。

▪️2つの取り組みの報告の後は、「ビワマスをシンボルとした川の環境保全とまちづくりを広げるために」というタイトルで意見交換会が開催されました。進行は、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの専門研究員で家棟川の活動にも深く関わっている佐藤 祐一さんです。この意見交換の内容については、べつも投稿で少し詳しく説明したいと思います。このブログは、基本、個人的な新編雑記のようなものなのですが、今日はやっとタイトルにふさわしい内容になりました。下の写真は、後半の司会進行をされていた佐藤さんが、コメンテーターの皆さんが大切な発言をされるたびにホワイトボードに書かれたものです。面白いですね。

▪️昨日は自宅の車が使えなかったこともあり、電車での移動になりました。最寄駅のJR野洲駅からもちょっと距離があるからどうしようかなあと思っていました。タクシーでも結構な金額がかかりそうでした。片道1時間ほどですかね。今は自宅にこもって仕事をすることが多いので、もっとウォーキングをしなくてはいけないし、歩こうかと思っていましたんですが、辻村耕司さんと辻村琴美さんのご夫妻が、野洲駅と会場との間を往復してくださいました。ありがとうございました。助かりました。

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