卒論の面談

20260821kim_jiyeong.jpg▪️昨日は1人の学生さんから卒論の相談があり、出勤しました。昨日の学生さんの関心は、ジェンダー規範とK-POP、なかでもガールクラッシュ(Girl Crush)と呼ばれるスタイルのグループです。2010年代以降、韓国の女性アイドルやガールズグループのコンセプトとして定着しているそうです。男性目線に合わせるのではなく、自分らしさや力強さを貫く姿が、同性から見て評価されて、その姿勢に共感するとともに、エンパワーメントしてくれる存在のようですね。

▪️ジェンダー規範とK-POP、私の研究テーマとは全く違いますし、韓国のK-POPのことについてもほとんど何も知らなかったのですが、AIを使って情報を探索していくと、なかなか興味深い発見がありました。必要な情報を探すのであれば、Googleが無料で提供しているAIモードでも使えるように思います。知り合いの学生さんたちに共通するのですが、AIに対して「適切な質問(プロンプト)」を書くことができていないので、必要な情報にたどり着けていないように思います。「適切な質問(プロンプト)」を書くためには、やはり知識が必要になってきます。そこが難しいのでしょうね。昨日は、「適切な質問(プロンプト)」の書き方などをサポートしました。

▪️そうやって一緒に調べていると、K-POPそのものではないけれど、『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ)という小説にまで話は広がっていきました。これ、映画化もされています。女性が人生で直面する構造的な性差別や生きづらさを描いた小説です。フェミニズム文学ですね。日韓両国で社会現象を巻き起こしたそうなのですが、恥ずかしいことにそういう事さえも知りませんでた。なぜ82年生まれなのかというと、AIは「1982年生まれは、幼少期に「男尊女卑」の風潮が色濃く残る家庭で育ち、学生時代にIMF経済危機(1997年)を経験。大人になってからは女性の大学進学率や社会進出が急増したものの、社会の制度や人々の意識(育児は女性の仕事という古い価値観)が追いついていないという、新旧の価値観の歪みに最も直面した世代」だからだと説明してくれまた。また、1982年生まれの女性で最も多く付けられた名前が「ジヨン」なんだそうです。つまり、「1982年生まれのキム・ジヨン」という設定自体が、韓国で最も平凡で、どこにでもいる普遍的な女性を象徴しているわけなんですね。なるほど。表紙の絵ですが、顔の部分が抜けていますよね。その向こうには、殺伐とした砂漠の風景が見えてきます。顔出し看板のようです。この穴に顔をはめると、誰しもがキム・ジヨン…ということになります。ところで、AIモードは情報の出所を確認できます。もちろん、間違いもありますけどね。そこは注意しないといけません。

▪️この小説、2018年頃に韓国で盛り上がった#MeToo運動や女性権利拡張運動にも強い影響を与えました。また同時に、若い男性たちからは激しい反発も起きました。韓国社会における深刻なジェンダー対立(性別葛藤)が生まれました。韓国は徴兵制の国です。そのことも関係しているようです。そのようなことを調べていると、『韓国、男子 その困難さの感情史』という書籍の存在も知ることになりました。これは、朝鮮王朝時代から現代に至るまで、韓国の「男性性(男子=ナムジャ)」がどのように変遷し、どのような生きづらさや葛藤を抱えてきたのかを感情史のアプローチで解き明かす社会学の書籍です。『82年生まれ、キム・ジヨン』と『韓国、男子 その困難さの感情史』、両方とも、大学の図書館にもあって、昨日は、学生さんがそれらを借りるとのことでした。昨日は、この『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ)のことが気になって、京都駅前のヨドバシカメラの中にある「大垣書店」に行って購入しました。今、書店に在庫があるかどうかネットで調べると事前にわかりますから。

▪️文庫本の帯には、「BTS・RM、少女時代・スヨン、Red Velvet・アイリーン」、70歳前の老人ですが、BTSと少女時代というグループの名前程度は知っています。若い世代に人気のあるポップスターがこの小説に言及したとあります。また、文庫本には、著者後書き、日本の読者の皆さんへ、文庫版に寄せて、著者からのメッセージ、解説、評論、訳者あとがき、文庫版訳者あとがきも収められています。昨日、面談した学生さんにもこの文庫本の方についても読んでもらいたいですね。ただし、まだ卒業論文の課題を焦点化することができていません。前述のような韓国社会の急激な社会変動、ジェンダー規範の対立、それらを背景に生まれてきたガールクラッシュ、そのガールクラッシュを日本の若い世代はどのように受け止めているのかに関心があるようです。まだ、焦点化できていませんけどね。こうやって面談を通して指導していく中で、卒論に対して本気モードに突入してくれるかな。「やらなければならない卒論」から「やりたい卒論」にもう少しで脱皮できるかな。頑張ってほしいです。

▪️そうそう、昨日は面談の後、いつものようにウォーキングして帰宅しました。最終的に歩数は「10,834歩」までいきました。なんとか1万歩越えです。

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