「高島市棚田地域振興協議会」第1回準備会

■以前の投稿にも書きましたが、高島市では、「全国棚田サミット」が開催される予定になっています。コロナで1年延期になりましたが、このサミットを契機にして、高島市内の中山間地域を活性化していくための取り組みが始まろうとしています。

■水曜日の晩、高島市役所で「高島市棚田地域振興協議会」第1回準備会が開催されました。市内の中山間地域にある10集落の世話役の方が参加されました。そして、私も含めた龍谷大学の教員5名(社会学部2名、農学部3名)もアドバイザーとして参加しました。アドバイザーの5名はZoomでの参加です。当初、私自身は市役所にいく予定にしていたのですが、社会学部の臨時教授会等が開催されたことから、私も含めて全員がZoomでの参加になりました。

■会議の場の会話は、Zoomでは聞き取りにくいこともあり、どこまで理解できたのかという不安もありますが、なんとかそれぞれの集落の状況をお聞きかせいただくことができました。大変興味深かったです。現在の農村は、農村とはいっても農家ばかりではありません。田畑等をお持ちではあっても自分で耕作せず人や団体にお願いする、いわゆる「土地持ち非農家」の方たちも多数暮らしておられます。水田は人に任せて、自分は自給用の野菜だけを栽培しているような方もおられます。また、これは高島市に顕著な特徴かもしれませんが、高島市の豊な自然が気に入り、転入されてこられた方たちも多数お住まいです。農村とはいっても多様性があります。

■この会議の場で私自身は、まず、集落内の多様な人材に活躍してもらうことが大切であることをお伝えしました。若者、女性、他所から転入されて来たたち、できるけ多様な立場や視点から、集落や地域の課題や目標、そして大切したい魅力等、様々な意見が出てくる必要があると思うからです。そのような中で、地域の再評価が進むことが大切です。

■もうひとつ、どうしても集落内の取り組みや作業ばかりに目が行きがちだけど、集落間の連携が大切であるというお話もさせていただきました。それぞれの集落の強みや持ち味を活かしあいつつ、連携しながら、地域全体として浮上していけるようにする必要があると考えるからです。また、農村だけでなく地域の様々な食品メーカーや飲食店や観光施設とも連携していく必要があるのではないかと思います。

■そのような連携のな中で、お互いを活かしあえる相補的な関係のネットワークが生まれてくると高島市の強みになっていくとも思います。ネットワークの構築のためには、日常的なレベルでコミュニーケーションや関係づくりを行っていくための「場づくり」が欠かせないとも思います。「高島市棚田地域振興協議会」もそのような場のひとつになればと思います。そのためにはICT技術の活用も積極的に使っていくべきだと思っています。私が理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」も、このITC技術の活用という点で何かお手伝いができるかもしれません。

■これから、秋の「高島市棚田地域振興協議会」の発足に向けて、龍谷大学のアドバイザー、高島市や滋賀県の職員の皆さんと一緒に、10集落のヒアリングに出かけることになっています。ヒアリングをさせていただく中で、集落の目標と取り組みを明確にしつつ、地域全体のネットワーク作りのためのアイデアを高島市の皆さんと「共創」できたら良いなと思っています。

寿長生の郷と大石龍門

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20200721sunainosato4.jpg ■先日の日曜日、ゼミ生9名で、大津市南部の大石龍門に行きました。「大石龍門自治会×叶匠壽庵 寿長生の郷×龍谷大学社会学部脇田ゼミ」による「ふるさと屏風絵(心象絵図)」作りのプロジェクトに参加するためです。当初はスケジュールの調整ができた10名の学生と一緒に行く予定でしたが、1人のゼミ生が少し発熱したことから参加を辞退。いつもならば、どうてっことない熱なんですが、コロナ禍のなか慎重に対応しました。といいますか、このように学外で実習等に取り組むときは、大学に申請書を提出して、学部内の教務委員会のチェックを受ける必要があります。前日に熱が出たような場合は、参加できないのです。大学としては、かなり慎重に取り組んでいます。

■朝10時にJR石山駅に集合し、そこからは「寿長生の郷」のシャトルバスに乗って移動しました。「寿長生の郷」は和菓子の企業「叶匠壽庵」が経営する施設です。廃村になり使われなくなった里山の土地を上手に利用されています。この素敵な里山の環境の中に、和菓子の製造工場はもちろんのこと、四季折々美しい里山の庭園を楽しみながら和菓子や軽食をいただくことができる幾つかの観光施設が庭の中に点在しています。炭焼きや陶芸の工房もあります。そしてなんといっても有名なのは梅林ですね。梅の実は和菓子の材料になります。以下は、「寿長生の郷」の公式サイトからの引用です。

滋賀県大津市大石龍門。
琵琶湖から唯一流れ出る瀬田川のほとり、六万三千坪の丘陵地に寿長生の郷があります。

私たちはここに梅や柚子などを植え、農工ひとつの菓子づくりを目指す理想を求めています。
郷では自然の谷川を利用し、山林の部分はそのままに散歩道をめぐらせ、数百種類の野の花が咲く姿は訪れる人々を楽しませてくれます。

昔から日本人の生活は自然に抱かれてきました。目に見える自然界の色や形を生活の中に取り入れ、季節の移ろいを感じる。それは安らぎと歓びを与え、私たちの感性をも磨いてくれます。

こうして郷から発信できる無限の可能性を考え、新しい価値を創造していきます。郷の自然を通して、気持ちの通い合うやさしい時間を一人でも多くのお客様と分かち合えることを願っております。

■「寿長生の郷」に到着した後、入り口近くにある「お迎え処 古民家」で「叶匠壽庵」の池田典子さんからこの日のスケジュール等についてお話を伺いました。江戸末期に建てられた茅葺の建物でしょうか。中には竈門や囲炉裏があります。素敵な雰囲気です。その後、「寿長生の郷」の内部や大石龍門の一部をご案内いただきました。歩きながら、学生の皆さんは大石龍門の地形や景観を実感できたでしょうかね。ちと心配ですけど。周りを森林に囲まれ、その中央には川が流れ、所々にかつての茶畑があり、水田は棚田で…。このような地形の特徴も、お話を伺う上で知っておかねばならない大切なことだと思います。

■この地域は、農業を行うには条件が不利な地域になります。水稲や畑作以外に、周囲の森林を資源とした木材の生産、薪炭材の生産を行っていました。薪炭材については、大八車に乗せて大津や京都にまで売りに行ったといいます。おそらく、薪炭材の生産が活発であったことろは、大石龍門の周囲の山々の様子、植生や樹木の高さ等は今とは違っていたはずです。そのようなかつての山々の様子もいろんな根拠をもと推論して、地域の皆さんに確認をとりながら描いていかねばなりません。

■また、大津の南部ということで、かつては宇治に生産した茶葉出荷していました。宇治茶の原産地は、宇治ではなくその周囲の地域になります。滋賀県でいえば、県南東部に位置する甲賀市、そしてこの大津市南部の大石龍門もそのような茶葉の生産地だったのです。茶摘みも、ユイという相互扶助の中で行われていました。ユイというと、田植え作業の労働交換をすぐに思い浮かべますが、この大石龍門では茶摘みについてユイが行われていました。

20200721sunainosato5.jpg ■まち歩きをしながら、街場で育った学生の皆さんには、珍しいものがあったようです。左上の画像、水車です。現在は使用しておらず、朽ちてきていますが、かつては小さな川の水力を使って脱穀や製粉の作業を行なっていたのです。水車を拝見すると、ベアリングなども使っています。いつ頃のものなのでしょうか。左の画像、これはニホンミツバチの蜜を摂っているところです。この中は空洞になっています。そこにニホンミツバチが巣を作るのです。ニホンミツバチが、様々な種類の花の蜜を、この中の巣に持ち帰ってきます。百花密といいます。残念ながら、最近は、あまり蜜が取れないとのことでした。どうしたんでしょうね。

■午後からは、大石龍門自治会館に移動しました。自治会の皆様から、かつての暮らしや生業に関するお話を伺いました。聞き取りをするのは「寿長生の郷」のスタッフの皆さんですが、ゼミのメンバーはそのお話を必死になってメモする記録係として活躍しました。この細かな情報が、屏風絵を描く際の基礎情報になります。この聞き取りは、社会学分野の社会調査とは違い、「ふるさと屏風絵」を描くための情報を丁寧に収集することに目的があります。色や形に至るまで細かく話を聞いていく必要があります。そのような細かいメモを、伺ったお話と照らし合わせながら整理して、決められたフォーマットの表に整理していきます。この整理の作業については、夏休中に取り組むことになります。

■下の画像は、聞き取りを始める前のミーティングの時のものです。これまで幾つかの地域で「ふるさと屏風絵」を描いてきた絵師の方から、学生の皆さんが指導を受けています。
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第32回地球研地域連携セミナー「びわ湖の水草 市民がはじめる環境自治」


Part 1


Part 2
■第32回地球研地域連携セミナー「びわ湖の水草 市民がはじめる環境自治」の動画です。Part 2.の最後の方で特定非営利活動法人「琵琶故知新」からお話をさせていただいます。30分過ぎあたりですかね。私、好き放題話していますね。どうかご容赦を。でも、自分の気持ちをストレートに話させていただきました。「他人事を自分事として考えられる人たちが、少しずつ横につながって、支えあって…」。ありがとうございました。

ナガエツルノゲイトウ

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■今日は、大津市の真野浜に行きました。真野浜は、市民団体「水草は宝の山」(「水宝山」)の活動の拠点となる浜であり、まだ大ぴらっにはしていませんが、特定非営利活動法人「琵琶故知新」の「マイビーチプロジェクト」でも関わっていくことになっている浜でもあります。今日は、特定外来生物(植物)であるナガエツルノゲイトウが真野浜にも侵入してきたことから、その駆除について、真野浜で民宿を経営されているる山田英二さん、琵琶湖博物館の中井克樹さん(兼・滋賀県庁琵琶湖環境部自然保全課主幹)、県庁自然環境保全課の職員の皆さんと、現場を観察しながら相談してきました。ありがとうございました。中井さんや職員の皆さんから丁寧なご説明をいただきました。およそ駆除の方向性は確認できました。ただ、駆除はとても大変ですね。大変ではあるのですが、山田さんが代表を務める市民団体「水草は宝の山」の活動、特定非営利活動法人「琵琶故知新」の「マイビーチプロジェクト」の中で、ナガエツルノゲイトウの駆除に取り組んでいくことにしました。水際だけでなく、砂浜にも小さな矮性のものがけっこう根付いているんです。駆除というと、何か辛い気持ちしか湧いてこないように思われるでしょうが、前向きな気持ちになる工夫をしながら、取り組んでいこうと思っています。

■滋賀県庁琵琶湖環境部自然保全課では、毎年、琵琶湖の湖岸のオオバナ水キンバイやナガエツルノゲイトウ等の特定外来生物(植物)のモニタリングと駆除をされています。中井さんからは、これまでは緊急度の高い、水路、運河、河口、内湖等に繁茂する特定外来生物(植物)の対応に追われてきたけれど、やっとこの真野浜のように陸地に生えているものにも対応できるようになってきたとお聞きしました。ただ、行政だけで駆除できることなど不可能で、活動地域住民や市民と連携しながら力を合わせて駆除ができればとのご意見をいただきました。私たち「水草は宝の山」(「水宝山」)や特定非営利活動法人「琵琶故知新」の活動が、そのような連携のモデル的な活動になればと思っています。

■また、とても面白いことにも気がつきました。滋賀県庁琵琶湖環境部自然保全課のモニタリングによれば、山田英二さんが丁寧に熊手で掃除をされている浜からは、ナガエツルノゲイトウは見当たらないのです。ひょっとして、因果関係があるのではないかと思い、中井さんにお聞きしたとろ、熊手で撹乱していることが、結果として特定外来生物(植物)を定着させないようにしている可能性はあるというお話でした。里山が適度に人が手を入れることで保全されるように、浜も人が適度に手をいれることで(熊手による漂着した水草の掃除して撹乱すことで)保全されているのかもしれません。

大津市大石龍門の「ふるさと絵図」(心象絵図)

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■昨日、大津市大石龍門を訪問しました。和菓子の「叶 匠壽庵」さんと龍門の自治会とで取り組む「ふるさと絵図」(心象絵図)の村づくり活動を見学させていただきました。私のゼミの学生たちも(3回生)、この「ふるさと絵図」づくりに参加させていただくことになっています。まずは、一足先に、教員である私が、見学をさせていただくことにしました。

■この日は、「ふるさと絵図」の発案者であり、家元といってもよい上田洋平さん(滋賀県立大学)、そして草津市内の複数の地域で「ふるさと絵図」を製作されてきた絵師の河崎凱三が参加されていました。おかげで、「ふるさと絵図」、実際にはどのように取り組むのか理解することができました。勉強になりました。ありがとうございました。社会学や民俗学の調査と重なりつつも、独特のものがありますね。お聞きした内容を絵にしてなければならず、形とか色とかかなり細かなところまでお聞きしなければなりません。以前、「叶 匠壽庵」さんでは、上田さが発案され「ふるさと絵図」(心象絵図)の方法のうち、五感によるアンケートを実施されており、そのことについて質問項目がたくさん用意されていたのですが、細かなことをしっかり聞いていくと、1時間半弱の時間で、わずか3つ程度の項目しか進むことができませんでした。アンケートに基づきながらも、話のやり取りは自然にあっちこっちに揺らいでいくからです。その揺らぎが、お話いただく内容をどんどん深めていくことになります。それが楽しいわけです。

■私が参加したテーブルでも、興味深いお話を拝聴しました。以下は、その一例です。結構、物々交換が行われていたことを知りました。

・草津の野菜農家が、大八車で屎尿を取りにきていた。野菜などと物々交換をしていた。
・1軒の家に必ず1頭いた牛の話。大きくなった牛は肉牛としてなった。代わりに小さな牛をもらい受け、牛の体重差で牛肉をもらった。その時だけは、すき焼きを食べた。牛は大切にされていた。牛に餌をまずあげて、人間の食事はその後だった。
・庭には卵を取るために鶏がいた。年に何回か、特別な日に鶏を潰してジュンジュン(すき焼きのような郷土料理)にした。鶏には、貝殻を割って食べさせた。それは、瀬田から自転車でやってくるシジミ売りからシジミを買っていたから。

■すでに完成している他地域の「ふるさと絵図」も参考のために、会場の前に飾られていました。左が彦根市八坂、右が草津市矢倉です。左は本物。右は本物をビニールにプリントアウトしたものです。どこにでも持ち歩くことができます。少しだけ説明させていただきたいのは、左の八坂の「ふるさと絵図」の方です。上田さんにお聞きしました。八坂は、琵琶湖の湖岸にある地域です。砂浜が広がっています。以前は、そういう環境を生かしてラッキョウが生産されていました。絵図の中には、桶の上に立って作業をしている男性がいます。これはラッキョウの皮を剥いているところです。少し離れたところには、ラッキョウ畑が描かれています。よく見ると、女性が、魚を畑に撒いています。不思議ですね。さらに目を少し移すと、川で多くの人がコアユを救っています。昔は、半ドンの日は、こうやってコアユを掬うことが許されていたといいます。このコアユを畑に巻いて肥料にするのです。海で獲れるイワシやニシンは、かつて、干して生産地から全国各地に運搬されて肥料として使われていましたが、こちらはコアユですね。それも生なのかな…それとも干してかな。私は、コアユを肥料にするという話を、野洲川の上流で聞いたことがありますが、どうだったかな…。普通は乾燥させてだと思うのですが、その辺りのことを、上田さんには聞き忘れてしまいました。こういった生業の実に細かなことまで、「ふるさと絵図」には描き込まれています。大変興味深いですね。

■ところで、上田さんは、大石龍門でのご指導の後、滋賀県の一番北の地域での「ふるさと絵図」づくりをご指導されるために、再び車で移動されました。ご多用ですね〜。大石龍門は、滋賀県の南の方になります。移動だけでも大変なことです。まさに、家元です。各地から指導の依頼があるのでしょう。これからも、益々ご活躍ください。

「琵琶故知新」の理事会

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■金曜日の晩は、特定非営利活動法人「琵琶故知新」の理事会でした。出席は、私も含めて7人。そのうち3人の方がZoomによる出席で、お1人欠席でした。この理事会、だいたい月1回のペースで開催しています。「琵琶故知新」では公式サイトも整え、環境保全活動を相互に支え合うための「びわぽいんと」の仕組みを、これから稼働できるように鍛え上げていくための活動に入る予定だったのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、活動が停滞してしまいました。どうやって前進させていくのか。この日の理事会では、お互いにアイデアを出し合いました。もっとも理事会とはいってもご覧の通り、ビールなども飲みながらリラックスして、みんなで夢を語ることを楽しんだわけです。もちろん、夢だけ語っていては前進しません。琵琶湖汽船の川戸さん(副理事長)の提案をもとに、ロードマップと役割分担を明確にすることになりました。近江ディアイの藤澤さん(事務局長)と私とで叩き台を作り、次回の理事会で意見をいただく予定です。私自身、NPOの運営は初めての経験で、いろいろ勉強になります。六十の手習…というやつでしょうか。

■こちらは「琵琶故知新」の公式サイトです。この公式サイトを開設した目的は、「びわ湖で活躍する人たちとびわ湖について情報を探している人たちをつなぎ、多くのみなさんにびわ湖の環境問題に関心をもってもらうこと」にあります。それぞれの方が、それぞれの立場から琵琶湖に関心をお持ちかと思いますが、その関心の持ち方は様々です。様々と書きましたが、言い換えれば、その多様性や多元性を活かすようなネットワークが生まれれてくると素敵だなと思っています。

■この公式サイトの「びわ湖トピックス!」では、インターネット、メディア、公共団体、ブログなど、さまざまな琵琶湖に関する情報を「びわ湖トピックス」としてこちらのコーナーでお知らせしています。琵琶湖に関する情報を探そうと思うと時間がかかってしまうことから、こちらのコーナーを見ていただければ、皆様の欲しい琵琶湖情報に出合えるかもしれません。その他にも、「びわ湖あれこれ」、「人・団体」、「食・体験」、「イベント」等で、様々な情報を提供してまいります。どうぞ、よろしくお願いいたします。

■「びわぽいんと」については、こちらからご覧ください

■「琵琶故知新」では、滋賀県内の環境保全団体やグループの皆様、CSRやCSV、それからSDG’sに関心をお持ちの企業の皆様、行政機関の皆様に、この「びわぽいんと」に関してご説明に上がることを予定しています。どうかよろしくお願いいたします。また、大津市の真野浜をベースビーチにして、様々な楽しみながら水辺環境の保全に取り組み、素敵なビーチにしていくための活動に取り組みたいと思っています。また、こちらのブログでもご紹介させていただく予定です。
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ヨシ刈りによるCO2回収の「算定ツール」

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■滋賀県庁琵琶湖環境部で、ヨシ群落保全の仕事をしています。ヨシ群落保全審議会の仕事です。ここでコクヨ滋賀の太田俊浩さんとお知り合いになりました。太田さんは、勤務されているコクヨ工業滋賀のCSR活動の一貫として、以前から多くの環境ボランティアの方達と一緒に、ヨシ群落の保全(ヨシ刈り)に取り組んでこられていました。太田さんからは、この環境ボランティアの方達との活動を、社会的努力としてきちんと「見える化」できないかとのご相談を受けてきました。「見える化」することで、ヨシ刈り活動に参加する方達自身が自らの活動の有効性感覚を客観的に実感できるようになります。また、活動が生み出している社会的価値(低酸素社会の実現に向けてのCO2の回収)を、広く伝えていくことも可能になります。ご相談を受けたとき、すでに太田さんは、琵琶湖博物館の学芸員の方と調査・研究を始めておられました。もちろん、私自身は自然科学の研究者ではないので、私の役割は専門家や滋賀県庁の方達とつないでいくことになります。すなわち協働関係をデザインすることでお手伝いさせていただいたのです。そのあたりのことは、ブログの方にも書かせていただきました。
ヨシ群落保全基本計画等見直し検討会
ヨシ群落保全審議会

■予定では、3月末に、滋賀県のヨシ群落保全審議会が開催されるはずでした。そしてその審議会の場で、ヨシ刈りによるCO2回収の「算定ツール」がお披露目いただけるはずだったのですが、残念ながらコロナウイルス感染拡大により審議会の開催が中止になってしまいました。滋賀県庁のホームページでは、この「算定ツール」のことがすでに3月24日に発表されています。

■昨日のことになりますが、太田さんからヨシ刈りの活動に関するニューズレター「ヨシでびわこを守るネットワーク通信」とともに、「算定ツール」に関するご報告をメールでいただきました。大変、喜んでおられるご様子でした。私も喜びのお裾分けをいただいたような気分です。嬉しいです。この「算定ツール」の開発以外にも、ヨシ群落保全に関しては、やらないといけないことが山ほどあります。今後、いろんな皆さんの力をうまくつないでいくことで、課題を少しでも緩和・解決していければと思っています。

ヨシ刈り活動によるCO₂回収量の算定について

「阪本屋」さんを取材

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20200331sakamotoya4.jpg■新型コロナウイルス大変なことになっています。関西の学生への感染がニュースになりました。うちの大学の学生や教職員の皆さんへの感染も大変心配です。また、昨日、志村けんさんがコロナでお亡くなりました。そのニュースに多くの皆さんが衝撃を受けました。発症から2週間で…。恐ろしいです。

■そのような日だったのですが、昨日は特定非営利活動法人「琵琶故知新」の公式サイトに掲載する記事の取材の予定が入っていました。感染に注意をしながら、大津市の長良にある老舗の鮒寿司屋である「阪本屋」を訪問し、6代目、若旦那(専務)の内田真太郎さんからお話を伺いました。「阪本屋」さんは、明治の最初に現在の長等の地に開業された老舗の鮒寿司店です。初めて、鮒寿司の製造・販売を始めたことで知られています。そのあたり、以前、内田さんからお話を伺わせていただいていたのですが、今日は初めて聞いた大変驚いたことがありました。

■長等の「阪本屋」さんは、膳所城下にあった料理屋「阪本屋」から暖簾分けをして開業されました。その膳所城下にあった本家でもある「阪本屋」(明治年代に廃業されています)は、膳所藩に出入りしてお殿様の料理も作っておられました。ということは、「阪本屋」さんの鮒寿司のルーツ?!は、膳所のお殿様が召し上がっていた鮒寿司なのか…と、驚いたわけです。

■内田さんからは、このようなお店に関わる歴史だけでなく、実にいろんなお話を伺いました。特に、鮒寿司の原料は琵琶湖固有種ニゴロブナであることから、内田さんが琵琶湖の環境のことをどのように考えておられるのか、その辺りについても丁寧にお話を伺うことができました。そのことについては「琵琶故知新」の公式サイトに掲載される記事をお読みいただければと思います。記事が掲載されるのは少し先のことになるかと思いますが、ふと思い出したら、以下の公式サイトをご覧ください。すでにいくつかの記事が掲載されていますが、いろいろ取材先からも厳しいご指導をいただきながら、試行錯誤でやっています。どうか、暖かい目で見守っていただければと思います。

■昨日は自宅用に「阪本屋」さんで、ホンモロコのナレズシ「もろこ寿司」と、「ゴリの飴炊き」を買いました。「もろこ寿司」は初めていただきました。何か得をした気分です。
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低炭素社会の実現に向けて、山間地域に暮らす。

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■ 20年ほど前から環境経済学者の仁連孝昭先生とおつきあいさせていただいています。文理融合の研究プロジェクトでご一緒したのがお付き合いの始まります。そのころは、日本福祉大学に勤務されていましたが、その後は滋賀県立大学に異動され、定年される頃は副学長もされていました。現在は、滋賀県の環境審議会の会長や様々な団体やNPOの役職を務めておられます。今日は、その仁連先生の滋賀のご自宅に伺いました。そして、特定非営利活動法人「琵琶故知新」として取材をさせていただきました。「琵琶故知新」のサイトにはたくさんの琵琶湖関連、環境関連の記事が載っています。それらは県内在住のライターさんたちにお願いしているのですが、今回は理事長の私も同行して取材をさせていただいたのです。

■「低炭素社会の実現に向けて、できるだけ地域の中で、地域の中のモノのつながり、人のつながりを大切にしながら暮らしていこう」。そのような思いから、仁連先生は山間地域にある古民家を改造して、地域の間伐材や廃材を燃料に暮らしておられます。大工さんに指導を受けながら、ご自身で改造されました。もちろん暖房は薪ストーブ。お風呂のお湯も薪ボイラーで沸かされています。補助に太陽熱も利用されています。薪割りは先生ご自身で。寒さを凌ぐことも、お風呂に入ることも、ご自身で薪割りをしなければできません(明日は、地域の方と共同で購入した薪割り機が届くことになっているそうです)。先生は、歳をとって都会に暮らしても、身体を動かすことがないとおっしゃいます。体力が落ちていくわけですね。しかし、ここでの暮らし、薪割りをする暮らしは、結果として体力を維持することにも繋がります。

■電気代は月に1,000円ほどだそうです。電気を使うのは、冷蔵庫と照明とパソコンぐらいでしょうか。お米は地域の農家が生産したもの。残念ながら野菜は、比較的近くにあるスーパーで購入されています。というのも畑で作ってもすぐに猿に食べられてしまうからです。先生の構想では、まず畑を覆う檻を作って、その中で野菜作りをしていく…ということになっています。その野菜があれば自宅で漬物もできます。漬物桶を置くスペースも確保されています。ご自宅裏の農地で、蕎麦を栽培される予定です。生きていくために、そして暮らしていくために必要な仕事は、ここには沢山あります。私たちは、暮らしていくために現金収入を得ることを仕事と呼んでいますが、先生の暮らしではそうではないのです。近代化する以前は、人は暮らしに必要なものを自分たちの手で生み出していました。そのことを仕事と呼んでいました。そのような意味で、仁連先生は仕事をもう一度自分たちの手に取り戻そうとされています。また、そのような生き方をされる方たちとつながっていこうとされています。

NPOの理事会

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■昨日は大学での仕事を終えた後、夕方から特定非営利活動法人「琵琶故知新」の理事会が開かれました。NPOの事務所は、NPOの事務局長をしていただいている藤澤栄一さんのご好意で、藤澤さんが経営する「近江ディアイ」の中に置かせてもらっています。場所は、滋賀県庁の西側のあたりになります。早く、独り立ちしてオフィスを持てるようになりたいと思っていますが、なかなかでしょうね。それはともかく、私たちのNPOでは、月1回、役員が集まって理事会を開催することにしています。役員は私も含めて以下の皆さんになります。

理事長 : 𦚰田 健一(龍谷大学社会学部教授)
副理事長 : 川戸良幸(琵琶湖汽船株式会社代表取締役)
副理事長 : 近藤 康久(総合地球環境学研究所准教授)
理事 : 深尾昌峰(龍谷大学政策学部教授)
理事 : 山田 英二(民宿きよみ荘オーナー)
理事 : 佐藤 拓也(YuMake合同会社代表社員)
理事 :(事務局長)藤澤 栄一(近江ディアイ株式会社代表取締役)
監事 : 秋國 寛(株式会社DIIIG代表取締役)

■もちろん、月1回の理事会に全員が集まることはできません。昨日は、深尾さんが欠席でした。大津で働いている琵琶湖汽船の川戸さん、事務局長の藤澤さん、そして私はNPOの事務所に集まりましたが、その他の皆さんはネットを通しての参加になりました。今、世の中には、新型コロナウイルスのために在宅でテレワークをする方たちが多数おられますが、そこでよく使われているのがzoomと呼ばれるビデオ会議システムです。昨晩の理事会でも、このzoomを使って神戸、奈良、京都、大津市でも遠方の堅田におられる理事の皆さんと会議を行いました。最初は戸惑いがありましたが、このzoomとDropboxがあれば、まあなんとか会議はできるんじゃないのかな…そのような気持ちになっています。ただ、喋り方が普段以上に大げさになって、声も大きくなりますね。これから、退職するまでは大学×NPOの仕事のパターンが続くことになります。大学での地域連携の仕事に加えて、NPOの活動も少しずつ盛り上げていくので、どうか皆さん応援してくださいね。

■ところで、特定非営利活動法人「琵琶故知新」ってどういうNPOなの?…という方もたくさんいらっしゃると思います。以下は、設立趣旨です

 琵琶湖は、日本最大の淡水湖にして世界有数の古代湖であり、長い歴史をかけて、独自の生態系と文化を育んできました。ところが、戦後の経済発展に伴う人間活動の影響のもと、富栄養化による水質悪化が急速に進行しました。合成洗剤の使用に反対する県民運動が大きなうねりとなり、1979年には、「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」が制定されました。また、下水道も、全国の平均を上回るスピードで急速に普及してきました。それらの対策により、水質悪化の進行については、いったんは収まったかに見えました。しかし、その後、外来性生物の問題をその典型として、生態系に関わる問題が浮上するようになりました。1994年には、大渇水をきっか けとして、水草が南湖を中心に大量に繁茂するようになりました。そして、切れた水草が湖辺に漂着し腐敗臭を発するなど、新種の環境問題が相次いで認知されるようになりました。

 滋賀県は、県民の環境意識が総じて高いといわれています。その一方で、この水草に関する問題については、地域住民からの苦情が自治体に寄せられるなど、その対策は行政に頼りがちでもあります。今後、人口が減少に転じると、税収減が見込まれる自治体では、公共サービスが減少に向かうことは避けられません。結果、地域の環境問題への対処においては、市民による自助・共助の取り組みが重要性を増してくることになるでしょう。そのためには、環境保全に積極的な市民が、主体的かつ持続的に環境問題の解決に取り組むことが可能になるような、環境自治の実現に向けて社会を組み替えていく必要があります。

 そのような状況の中で、私たちは、のちにメンバーとなる一人が毎朝湖畔に打ち上げられた水草の清掃を続けていることを知りました。そしてそのメンバーと語りあうなかで、清掃活動を行いながら打ち上げられた水草の堆肥化や再利用を進めて、地域内で「小さな循環」を生み出せないかと考えるようになりました。また、滋賀県が刈り取った大量の水草を、民間企業の活力も活用して堆肥化し、多くの市民が市民活動の一環としてその堆肥化された水草を利用する「大きな循環」を生み出せないかと考えるようにもなりました。

 2017年には、市民団体「水宝山」(水草は宝の山)を結成しました。この構想を、社会課題解決アイディアコンテスト(チャレンジ!オープンガバナンス2017)に大津市とともに応募したり、市民ワークショップを催したりする中からもヒントを得るなかで、環境活動の主催者と参加者に対する「ありがとう」の気持ちや琵琶湖の環境を守りたいという想いを、「びわぽいんと」という地域ポイントの形で循環させる仕組みを開発しました。今後は、この仕組みを地域に定着させ、琵琶湖の環境活動に関わる人たちの連帯を深めるとともに、環境問題を「他人事」ではなく「自分事」(じぶんごと)ととらえて行動する人を増やし、環境自治の基盤を支えていきたいと考えています。

 今回、法人として申請するに至ったのは、任意団体として実践してきた活動を地域に定着させ、継続的に推進していくことと、琵琶湖の環境保全に関わる自治体や大学・研究機関、企業、特定非営利活動法人、その他団体との連携を深めていくために、社会的に認められた公的な組織にする必要があると考えたからです。また、「びわぽいんと」には金銭の授受が発生しますが、この仕組みは営利目的ではなく、「善意の循環」という公益を目的とするものであるため、特定非営利活動法人格を取得することが最適であると考えました。

 法人化することによって、組織を発展、確立し、将来的に環境自治の実現に資するさまざまな展開をすることができるようになり、社会に広く貢献できると考えます。

 皆様のご理解と幅広いご支援をお願いいたします。

■昨日の理事会では、以下の報告と競技が行われました。NPOの事務所住所変更、Dropboxの活用、会計、IP電話とTechSopeへの登録、新会員の募集、琵琶湖サポーターズネットワークーの参加と入会について、琵琶故知新公式サイトに関連する様々な事項(アクセス状況、取材・記事公開状況、広告枠の活用、4月以降のサイト運営等…)。昨日の議論を下に、監事の秋國さんには、今後の事業展開のフローを作成していただくことになりました。次回の理事会では、そのフローを骨格について、理事の皆さんと議論をして肉付けしていくことになりました。私自身、これまでNPOの経験は全くありませんが、普段の大学での会議とは違って、とても新鮮な気持ちで会議に参加しています。

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