- 教員氏名
- 佐藤 彰男(さとう あきお) 教授
- 所属学科
- 社会学科
専門は都市社会学ですが、ふたつの研究テーマに取り組んでいます。ひとつはバングラデシュの都市労働者を対象とした研究です。途上国の都市下層労働には、都市が生み出すさまざまな社会問題が凝縮されています。もうひとつのテーマは「テレワーク」、つまりインターネットやパソコンを利用して、オフィスの外で働くという新しい働き方です。テレワークはネットを活用するので「どこでも働ける」と考えられがちですが、実際には典型的な都市型労働です。貧しい途上国バングラデシュの労働と、先端技術を活かしたテレワーク、そのふたつは全くちがっているようですが、働くことを通して、都市と社会を理解しようという点では共通しています。
私の場合は、研究をすすめるのに社会調査が欠かせません。社会調査の面白さは、ときどき予想もしなかった事実が判明することです。調査をはじめる前にどれだけ文献を読み込んでも、実際にアンケートやインタビューを行ってみると、良い意味で裏切られることがあります。そんなときは「世界中で誰も知らないこと」を知ったという喜びがあります。
社会調査にコンピュータを活用するようになった最初の世代に属しています。まだ若いころ、コンピュータの普及が社会を大きく変えていくと予想して、情報化の面から都市について研究する方法を探していたところ、テレワークというテーマに出会いました。バングラデシュについての研究をはじめたのは、偶然、あるバングラデシュ人の社会学者と知り合ったからです。途上国での社会調査はいろいろと障害が多いのですが、地元に優れた研究仲間がいれば何とかなります。それに多くの途上国では社会調査が普及していませんので、何を調査しても「新発見」になるという大きな魅力があります。
本はなんでも読みます。とくに園芸が趣味というわけではありませんが、妻の希望で庭に植えたバラの樹の手入れが、私の役割になっています。