
限界集落とされる地域を活性化させる方法を学生たちで考え、実践しています。住民の方々の協力を得て、まちおこしにつながる企画やイベント、集落の魅力が伝わるマップの制作、SNSによる広報活動のほか、集落の仕事も手伝っています。害獣から作物を守る柵の設置や河川の清掃、公園の電飾の取りつけなどを体験し、地域の生活様式への理解が深まりました。大切なのは現地の方々との交流です。特に会話は、集落やそれを取り巻く社会について学ぶのに重要な役割を果たします。話の内容を地域の方や学生・教員と共有し、それを踏まえた行動をとると地域活性化の取り組みはより充実するからです。
実習をとおして、講義や資料だけではわからない現場の空気を肌で感じることができました。「限界集落は悲惨」という思い込みもあり、最初に集落を訪れた際の住民のみなさんの元気な様子がとても印象的でした。一方、過疎化や少子高齢化の現状が想像以上であったことも事実です。いずれにせよリアルな現実を体感し、物事への見方が大きく変わりました。社会はさまざまな要素が複雑に絡み合っているため、誰かが笑っている陰で誰かが泣いているかもしれません。誰もが過ごしやすくするには、一人ひとりが社会課題に関心をもち、あらゆる可能性を考慮して問題に向き合う必要があります。その姿勢を育んでくれた実習の経験を、今後の研究活動にも活かしたいです。
福留 大陽さん
コミュニティマネジメント学科 3年生(大阪府 阪南大学高等学校 出身)
学生主体でラジオ番組を制作し、年6回放送しています。以前は自分の意見を主張することに苦手意識をもっていたものの、自分たちで企画から収録までを行うなかで情報を伝える楽しさを知り、協力して何かを成し遂げるチームワーク力も養われました。時事や趣味など多岐にわたる番組テーマのうち、特に印象深いのは「ヤングケアラー」の回です。京都府ヤングケアラー総合支援センターの方との対話を通じて、家事や介護を担う子どもの生活について学び、その負担は進路や就職にも影響を及ぼすという問題点を紹介しました。ヤングケアラーなどの社会課題を解決するにはこういった周知活動が大切で、当事者が安心して人に頼れる環境の整備にもつながると考えています。
脇阪 宥衣さん
コミュニティマネジメント学科 3年生(京都府立網野高等学校※ 出身)
※現・京都府立丹後緑風高等学校
琵琶湖の豊かな水源を活用して水上スポーツを実践し、円滑な人間関係を構築する技能を獲得します。アウトドア活動を通じて人と関わり、他者への理解を深め、人間関係を築いていくプロセスを体感しながら、自然環境下における不測の事態への対処法も身につけていきます。自分の置かれている状況を素早く判断し、刻々と移りゆく周囲に対応しうる行動力が不可欠であるという視点で考えると、自然環境と地域コミュニティは似ています。私はこの授業をとおして、決断を繰り返しながら行動に反映させていく難しさとその重要性を学びました。この取り組みで身につけた柔軟な思考力と臨機応変な対応力を活かし、地域で活躍していきたいです。
熊谷 大翔さん
コミュニティマネジメント学科 4年生(滋賀県立甲西高等学校 出身)
阿部 歩実さん
コミュニティマネジメント学科 4年生(尼崎市立尼崎高等学校 出身)
1年次のゼミ演習で地元の商店街を取材したのをきっかけに、シャッター商店街の活性化について興味をもちました。坂本ゼミではグループワークや人前で発表する機会が多く、資料作成やコミュニケーションのスキルが培われます。卒業論文は、商店街活性化の成功事例として、兵庫県尼崎市の杭瀬商店街を取り上げ、「未来の商店街のあり方」についてまとめました。現地での聞き取り調査や先生から紹介されるプロジェクトへの参加で、積極性が身についたと実感しています。