
この授業では、ジェンダー研究の変遷と社会との関わりについて学び、家庭や職場、教育現場での性差別、LGBTといった現代社会の問題をジェンダーの視点から考察していきます。私たちは各々のポテンシャルを育み現実化させることで自分らしい人生を送れます。しかし「男らしく」「女らしく」などの固定観念を社会が強いてくる以上、本当の意味でしあわせにはなれないでしょう。まずは、差別につながる価値観を内面化している自分自身に気づく必要があります。私は授業をとおして、社会構造の歪みに由来する人々の習慣が諸問題を生み出していること、それを解決して初めて自由に生きられる社会となることを学びました。また、何事も鵜呑みにせず多様な角度から考える姿勢も身についたと思います。
山田 汐莉さん
社会学科 3年生(滋賀県立大津商業高等学校 出身)
津島 昌弘教授
「社会にはなぜルールがあるのか?」「なぜルールに反する人がいるのか?」これらの問題を理論的に学修するのが「逸脱の社会学」です。この授業では、新聞や雑誌記事などの具体的な事例を通じて、逸脱の基礎理論や概念を学びます。この学問に登場するのは、いわゆる社会的弱者。常識に囚われていては、逸脱の原因は理解できません。社会の裏側を知るということも含め、学生には複眼的な視点を養ってほしいと考えています。
社会調査士資格の取得をめざし、社会調査実習に参加。ここで取り組んだのは、祭りに焦点を当てた地域社会の調査でした。祭りを維持してきた地域の運営体制、継承にあたっての課題や工夫、祭りの魅力や意義について、関係者にインタビューを行います。まず全国各地の祭りのデータをExcel にまとめ、地域ごとにデータを分析。そのなかから調査対象として選んだのは、三重県伊賀市で開催される上野天神祭です。インタビューを実施する前に、祭りの由来や伊賀市の歴史などの下調べを重ねてから、現地に足を運びました。インタビュー調査をするなかで実感したのは、事前調査の重要性です。情報や知識を収集していたおかげで、初対面の方にも怖じけず、落ち着いて話しかけることができたと思います。地道な作業を続けることで、根気と気力も養われました。先生がインタビューを行う場面を間近で見ることができたのも、貴重な学びとなりました。また、私が所属していた班の社会調査実習は、グループでの共同作業が大半を占めていました。一つの目標に向かい、周囲と協力した経験は、社会に出てからも役立つと確信しています。将来の目標は、地方行政に携わり、地域社会に貢献すること。同時に、身につけた調査スキルを活かして、関心のあるアイヌ文化への理解を深めたいと考えています。
神竹 勇輔さん
社会学科 4年生(和歌山県立和歌山北高等学校 出身)
この実習では、「現代日本における若者の食と嗜好品」をメインテーマとして調査をすすめます。各自でサブテーマを設定し、龍谷大学の学生を対象にアンケートを実施。得られたデータを分析、考察します。結果を受けて驚いたのは、自分と他者の認識の相違です。一つの回答が他の回答に与える影響が可視化され、認識と行動の差異を、容易に比較することのできる有益な手段だと感じました。また、アンケート結果の分析では「その他」に記入された回答の分類が課題となりました。選択肢にない意見を、既存の選択肢のどれに分類するべきか、吟味するのが大変でした。データを収集し、まとめることは社会活動の礎です。戦略や目的意識への理解も深まりました。
高杉 航平さん
社会学科 4年生(滋賀県立東大津高等学校 出身)
谷垣 翼さん
社会学科 4年(京都府立嵯峨野高等学校 出身)
自動運転の事故や人工知能の暴走、国内外の刑務所生活といった自分の興味の対象が「逸脱の社会学」に関連していると考えて、津島ゼミを選びました。ゼミ活動では、専門分野の枠にとらわれず、関心のある話題に的を絞ったニュースや文献を徹底的に調査。一つのことを学び続けた結果、本当にやりたいことが見つかり、現在は人工知能や職業問題とジェンダーを結びつけたテーマで卒業論文をすすめています。専門外でも適切なアドバイスをくださる先生のおかげで視野が広がりました。