
個別計画支援策定の理解を実習の課題に挙げ、特別養護老人ホームでの実習に臨みました。職員の方の動きを見学していて気づいたのは、常に入居者と会話をしていることです。実際に食事や入浴、排泄の介助を行うなかで、私自身も入居者とのコミュニケーションは不可欠だと感じました。さまざまな困難を抱える入居者のニーズを汲み取るには、細かなヒアリングが大切です。特に、認知症の方は進行度や症状によって必要な支援が異なり、意思疎通にも細心の注意を払わなければなりません。その人の立場で物事を考える重要性を理解すると同時に、信頼関係を構築する難しさも再認識しました。また、コミュニケーションの取り方についても意識が変わりました。会話にこだわらず、笑顔を見せるだけでも相手に安心感を与えられるということです。身近な人間関係にも活かせる、新たな発見でした。この現場実習をとおして、認知症に対する理解が深まり、個別計画支援策定という課題解決の糸口が見えたような気がします。認知症の方や高齢者に向けた介護というのは、こういった施設だけでなく、日常生活においても考えなければならない問題です。自分の周りに援助を必要とする人がいることを常に意識することで、誰もが住みやすい社会が実現すると考えています。
筒井 初音さん
現代福祉学科3 年生(大阪府 大阪信愛女学院高等学校※ 出身)
※現:大阪信愛学院高等学校
社会福祉協議会の実習では、地域支援に着目し、居場所活動が抱える課題を追究しようと考えました。実習中は、3ヶ所の公園体操に参加。どこも圧倒的に女性の比率が高く、ボランティア、参加者を含めた全員が女性という場所もあるほどです。その状況を知り、男性参加者が少ないことに疑問をもちました。その理由は、現役を引退した男性高齢者が感じている、地域組織への溶け込みにくさであると考察。そこで、「外出機会の増加」「仲間意識の構築」「楽しみの創出」という3つの効果を期待し、男性限定の活動を企画しました。会議やシンポジウム、フィールドワークで多様な意見を聞き、地域のニーズを知れたことが、この企画につながったと思います。疑問を抱き、自ら行動することの重要性を体感しました。
福岡 郁弥さん
現代福祉学科 3年生(京都府 東山高等学校 出身)
精神保健福祉士の国家資格取得に向けて、診療所と地域の精神保健福祉センターで実習を行いました。実習では職員の方の関わりや活動内容、さらには具体的なお話を伺うことによって実践力を養います。この経験から「医療は治療」「福祉は支援」という社会的機能を求められるため、精神保健福祉士でも働く場所によって必要とされる役割が変わることを学びました。一方で、支援者としての姿勢は共通して重要となり、どちらの実習先でも利用者の意思を尊重し、支援の内容にも反映させていました。それは、利用者の考えを受容し、見守り、応援し続けることであり、人生の主人公として輝けるよう、支援選択の可能性を広げること。これこそ、精神保健福祉士の役割であると理解できたので、今後も私なりの支援のあり方を追求していきます。
青木 ひよりさん
現代福祉学科 4年生(愛知県 名城大学附属高等学校 出身)
朝倉 勇人さん
現代福祉学科 4年生(大阪府 大阪学芸高等学校 出身)
東日本大震災の復興ボランティアに参加したこともあり、地域の福祉課題やその解決に興味がありました。筒井ゼミでのフィールドワークをとおして、地域によってコミュニティの構築が異なるなかで、どのように福祉課題に取り組んでいるのか学び、考えることで地域がもつ可能性について感じることができました。卒業論文では、その学びと自身のボランティア経験を結びつけながら、地域防災力向上に向けての取り組みで若者ができることを考察しました。