Need Help?

Faculty of Sociology

社会学部

実習紹介

「現場」で学ぶ。「現場」に学ぶ。
-社会学部における多様な実習-

1 社会調査実習
(対象:社会学科)

地域住民へのインタビューをもとに、上野天神祭の特徴を考察する

神竹 勇輔さん
社会学科 3 年生
(和歌山県立和歌山北高等学校 出身)

社会調査士資格の取得をめざし、社会調査実習に参加。ここで取り組んだのは、祭りに焦点を当てた地域社会の調査でした。祭りを維持してきた地域の運営体制、継承にあたっての課題や工夫、祭りの魅力や意義について、関係者にインタビューを行います。まず全国各地の祭りのデータをExcelにまとめ、地域ごとにデータを分析。そのなかから調査対象として選んだのは、三重県伊賀市で開催される上野天神祭です。インタビューを実施する前に、祭りの由来や伊賀市の歴史などの下調べを重ねてから、現地に足を運びました。インタビュー調査をするなかで実感したのは、事前調査の重要性です。情報や知識を収集していたおかげで、初対面の方にも怖じけず、落ち着いて話しかけることができたと思います。地道な作業を続けることで、根気と気力も養われました。先生がインタビューを行う場面を間近で見ることができたのも、貴重な学びとなりました。また、私が所属していた班の社会調査実習は、グループでの共同作業が大半を占めていました。一つの目標に向かい、周囲と協力した経験は、社会に出てからも役立つと確信しています。将来の目標は、地方行政に携わり、地域社会に貢献すること。同時に、身につけた調査スキルを活かして、関心のあるアイヌ文化への理解を深めたいと考えています。

現代日本における若者の食と嗜好品について、アンケートを用いた調査を実施

高杉 航平さん
社会学科 3 年生
(滋賀県立東大津高等学校 出身)

この実習では、「現代日本における若者の食と嗜好品」をメインテーマとして調査をすすめます。各自でサブテーマを設定し、龍谷大学の学生を対象にアンケートを実施。得られたデータを分析、考察します。結果を受けて驚いたのは、自分と他者の認識の相違です。一つの回答が他の回答に与える影響が可視化され、認識と行動の差異を、容易に比較することのできる有益な手段だと感じました。また、アンケート結果の分析では「その他」に記入された回答の分類が課題となりました。選択肢にない意見を、既存の選択肢のどれに分類するべきか、吟味するのが大変でした。データを収集し、まとめることは社会活動の礎です。戦略や目的意識への理解も深まりました。

2 コミュニティマネジメント実習
(対象:コミュニティマネジメント学科)

コミュニティマネジメント学科では、学生は「プロジェクト型」実習と「自己応募型」実習のどちらかの実習を選択することが可能です。「プロジェクト型」とは、担当教員が立てたプロジェクトに1年間を通じて参画することによって、より深く現場を体験できるように工夫された実習です。2018年度には、このページに掲載した12のプロジェクトが実施されています。「自己応募型」とは、学生自身で取り組みたいテーマやフィールドがある場合、教員の支援を受けながら、実習希望先と交渉し、プログラムを各自で考えながら取り組む実習です。

番組制作を通じて知らなかった自分に出会う

社会調査実習

武藤 こころさん
コミュニティマネジメント学科 4 年生
(大阪府立千里青雲高等学校 出身)

「龍大ラジオタックル」では、ラジオ番組を制作しています。放送は年に6回、テーマは観光地の紹介、季節の話題、京都の課題、社会問題と多岐にわたります。学生目線で情報を伝えることを何より重視し、大学生である私たちだからこそできるオリジナリティのある番組制作を心がけました。印象に残っているのは、LGBTの話題を取りあげ、LGBTであることを公表している大学生をゲストに招いた放送です。番組内でその方が語ったお話をとおし、自分でも思わぬうちに偏見をもって台本を作成していたことに気づき、驚いたのです。第三者に情報を発信するには、多くの可能性を考えなければならないと知った瞬間でした。番組制作を通じて、物事を多面的に考察する力が身につきました。

限界集落が直面する課題知名度を上げて解決を試みる

二宮 亜加音さん
コミュニティマネジメント学科 3 年生
(兵庫県 神戸龍谷高等学校 出身)

限界集落である京都府京丹後市甲坂地区。この地が抱える「少子高齢化」問題の解決に向け、甲坂の知名度を上げようと考えました。そこで目をつけたのは、地元の名水です。塩レモン水をつくり、販売する計画を立てました。公共交通機関はバスのみ、しかも1日2便しか運行されていないので、周辺地域にターゲットを絞った広報活動を展開。企画段階から、地域住民と何度も会議を重ね、地元の特産品を使った料理を提供する「甲坂カフェ」も実施することに決めました。コロナ禍で現地に足を運ぶこともままならないなか、企画を実行できたのは、粘り強く住民の方と交流してきたからだと思います。改めてコミュニケーションの重要性を実感しました。

3 社会福祉援助技術現場実習
(対象:現代福祉学科)

高齢者福祉の現場から見る認知症への理解の重要性

筒井 初音さん
現代福祉学科3 年生
(大阪府 大阪信愛女学院高等学校 出身)
※現:大阪信愛学院高等学校

個別計画支援策定の理解を実習の課題に挙げ、特別養護老人ホームでの実習に臨みました。職員の方の動きを見学していて気づいたのは、常に入居者と会話をしていることです。実際に食事や入浴、排泄の介助を行うなかで、私自身も入居者とのコミュニケーションは不可欠だと感じました。さまざまな困難を抱える入居者のニーズを汲み取るには、細かなヒアリングが大切です。特に、認知症の方は進行度や症状によって必要な支援が異なり、意思疎通にも細心の注意を払わなければなりません。その人の立場で物事を考える重要性を理解すると同時に、信頼関係を構築する難しさも再認識しました。また、コミュニケーションの取り方についても意識が変わりました。会話にこだわらず、笑顔を見せるだけでも相手に安心感を与えられるということです。身近な人間関係にも活かせる、新たな発見でした。この現場実習をとおして、認知症に対する理解が深まり、個別計画支援策定という課題解決の糸口が見えたような気がします。認知症の方や高齢者に向けた介護というのは、こういった施設だけでなく、日常生活においても考えなければならない問題です。自分の周りに援助を必要とする人がいることを常に意識することで、誰もが住みやすい社会が実現すると考えています。

4 精神保健福祉現場実習
(対象:現代福祉学科)

精神保健福祉士の役割は支援の可能性を広げること

青木 ひよりさん
現代福祉学科4 年生
(愛知県 名城大学附属高等学校 出身)

精神保健福祉士の国家資格取得に向けて、診療所と地域の精神保健福祉センターで実習を行いました。実習では職員の方の関わりや活動内容、さらには具体的なお話を伺うことによって実践力を養います。この経験から「医療は治療」「福祉は支援」という社会的機能を求められるため、精神保健福祉士でも働く場所によって必要とされる役割が変わることを学びました。一方で、支援者としての姿勢は共通して重要となり、どちらの実習先でも利用者の意思を尊重し、支援の内容にも反映させていました。それは、利用者の考えを受容し、見守り、応援し続けることであり、人生の主人公として輝けるよう、支援選択の可能性を広げること。これこそ、精神保健福祉士の役割であると理解できたので、今後も私なりの支援のあり方を追求していきます。

Request Information

資料請求