2冊の書籍について熱く語れ!!

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■火曜日の4限は、「社会学演習IA」(3回生のゼミ)です。もちろん、ハイブリッド型です。そして今日もグループワークです。この日は、ぼやっと頭の中にある自分の卒論の研究テーマをもとに、自分の研究に資すると判断した書籍を2冊用意してきてもらいました。「自分の研究に資する」というところが大事なのですが、あまり深く考えずに「とりあえず」2冊選んできてしまった人や、卒論とは関係なく単純に面白そう…と選んできた人もいました。ちょっと困りますね〜。まあ、そういう人もいるのはいるのですが、多くの皆さんが関心を持っているテーマは、大きくは2つあったように思います。ひとつは、中山間地域等の活性化の問題です。もうひとつはツーリズム、観光の問題です。

■グループワークの目的は、自分の選んだ書籍のここが面白いと熱く語って文献の紹介を行い、それぞれの書籍に関してディスカッションを行うことでした。「実は、自分の出身地では、こういうことが地域の問題になっていて…」と、書籍を選んだ背景(動機)について丁寧に話している人もいました。そういう地方の地域社会の話を聞いて、京都の街中で育った人が、授業の後、「とっても興味深かった、もっとディスカションをしていたかった」とこの日の感想を伝えてくれました。こうやって、お互いに刺激を与え合うことで、頭の中のぼんやりしたテーマが焦点化していくと良いのですが。

■この日、グループワークで使った書籍でなくても良いのですが、夏休みには2冊本を選んで、それぞれA4で3枚ほどの書評を書いてもらうことにしています。夏休みの宿題ですね。

【追記】■ちなみに、この日のグループワークは、「ビブリオバトル」という「書評会」のやり方からヒントを頂いています。「ビブリオバトル」は、以下のように進められます。ゼミのグループワークでは、このうちの「5.」を除き、加えて紹介やディスカッションの時間についても、もう少しゆったりとしています。

1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
2.順番に一人5分間で本を紹介する.
3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.
4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.

庭のジューンベリー

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■先週の土曜日、気になっていた庭のジューンベリーをやっと収穫しました。鳥に食べられないように、この1ヶ月ほどネットをかぶせていました。熟しすぎたかなと心配しましたが、そレほどでもありませんでした。むしろちょうど良いくらいかな。たくさん実が成ったので、お隣のお宅の男の子にも呼びかけて収穫してもらいました。お裾分けですね。2人いる孫にもジャムにして贈ろうと思います。今日は少しだけ実を樹に残しました。鳥のためにです。十分に収穫できたので、少し心に余裕がありましたかね。

■知り合いの皆さんのお宅にも、ジューンベリーが植えてあるようです。どうやって召し上がるのかお聞きしたところ、そのまま食べるという人が結構いらっしゃいました。また、知り合いの菓子職人の方にプレゼントしたら、コンフィチュールにしてくれたというお話も聞けました。ジャム(英語)とコンフィチュール(仏語)、見た目はかなり似ているのですが、調理法はかなり違います。コンフィチュールの方が上品な作り方だなと思います。

■収穫したあと、書斎で仕事をしていたら、家族がジャムにしてくれていました。そして3割ほどは、実のまま冷凍庫に入れて保管してあります。ヨーグルトの上に乗せて食べてもおいしいかな。ジューンベリーの収穫、ささやかな毎年の楽しみです。こういう日常のささやかな楽しみがあること、言い換えれば小さな幸せを日々の暮らしの中に見つけられること、あることが、人生において大切なのではないかと思うのです。

真野浜での袋詰め作業

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20210607manohama3.jpg■真野浜(大津市今堅田)に漂着したヨシ屑を、この浜で民宿を経営する山田英二さんが集めて乾かしておられます。大雨が降ると、しばらくした後、浜に大量に漂着するのです。昨日は、それを山田さんと一緒に袋詰めしました。全部で31袋になりました。山田さんが集めた量の3/5ほどは袋詰めできたかな。こうやって、地道に浜の清掃をされている山田さんのおかげで、この浜は美しく保たれているのです。内田樹さんは「誰もやりたがらないけれど、誰かがやらないとみんなが困るタイプの仕事」のことを「雪かき仕事」と言っていたけれど、山田さんのやっている浜の清掃は、この「雪かき仕事」なのだと思います。

■この真野浜の清掃には、山田さんの経験的な知恵やノウハウがあちこちに活かされています。浜に漂着するヨシ屑は、濡れたままだとどうしても砂がついてしまいます。そこで、水に浸からないところまで熊手で引き上げて、まずは乾燥させるのです。そうすると余分砂が落ちます。引き上げた際には、プラスチックゴミなども分別しておきます。熊手のちょっとした使い方のようです。もっとも、以前と比較してプラスチックゴミは随分減ったようです。マナーが向上したのか、その辺りの理由ははっきりはわかりません。ただ、事実として、真野浜に打ち上げられるプラゴミはかなり減っているのです。それから、以前はルアーだとか釣り糸だとかも結構打ち上げられていたようですが、最近は、そのような釣り関係のゴミも少なくなったそうです。だから、今は分別もやりやすい。釣り針のついたルアーは危険ですしね。
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■ヨシ屑をゴミ袋に詰める際にもいろいろ工夫されています。引越し作業の際、養生に使われるプラスチック段ボールを、ゴミ袋の中に2枚入れて丸く立てると、ゴミ袋が自立します。どんどんヨシ屑を入れることができます。また、ヨシ屑は先が尖っているのでゴミ袋にそのまま入れると穴があいてしまいます。しかし、この方法だと上からぎゅっと押しても穴が開きません。ヨシ屑でいっぱいになったら、プラスチック段ボールをスポッと袋から抜き取るのです。これはとても優れたアイデアだと思います。フランスの人類学者、レヴィ=ストロースがいうところの「ブリコラージュ」的な、現場という文脈に根ざした知恵や工夫のように思うのです。

■さてさて、なぜこういう環境ボランティア活動を行なったのかというと、一番は山田さんのお手伝いということなのですが、同時に、市民団体「水草は宝の山(水宝山)」やNPO法人「琵琶故知新」で取り組もうと思っている活動「マイビーチプロジェクト」の基盤を作りたいからでもあります。もちろん山田さんも、仲間です。山田さんは「水宝山」の代表であり、「琵琶故知新」の理事でもあります。

■コロナ禍でいろいろ予定していた活動ができなくなっているのですが、それでもできる範囲で、そのような活動の基盤をできるだけ固めておきたいと思っています。この真野浜のことを、マイビーチと捉えて世話をする人たちのネットワークができたらと思っているのです。今のところ、「水宝山」や「琵琶故知新」の関係者ということになりますが、もう少し地域にネットワークが拡大できたらなあと思っています。実は、最近、山田さんの清掃活動に刺激を受けたのか、自主的に清掃をする人が現れているようなのです。そういう方達と一緒に活動できたらいいなと思います。

■ところで、回収したヨシ屑はどうなるのか。一般家庭ゴミとして回収され焼却されます。これは、山田さん個人が出しているゴミということで一般家庭ゴミになるのです。もし、市民団体やNPO法人としての活動ということになると、別の申請をしなくてはなりません。ちょっとハードルが高くなります。昔は、こういう木や竹、そしてヨシ屑は燃料として使えたはずなのですが、今はゴミとして処分することになります。でも、もし、このヨシ屑を再利用することが出来たら、何かアイデアはないでしょうか。こういうとをfacebookで書いていたら、早速、ある実践的な研究者から「ありますよ」とお返事をいただきました。相談をしてみようと思います。ヨシ屑をさらに細かくチップにして再利用するのです。

■山田さんが清掃活動をされているので、真野浜は水泳シーズン以外でも、とても気持ちの良い場所になっています。今日は中学生や家族連れがピクニックに来ていました。みんな美しい風景を満喫されていました。近くにこういうビーチがあることの幸せを、みんなで大切に守っていきたいね…と思います。ところで、蝶の絵、これはうちの庭の世話をしてくださっている庭師さんのお兄様、画家をされているのですが、そのお兄様が描かれたものです。昨日、山田さんに教えてもらいました。これは「はらぺこあおむし」に出てくる蝶々かな。
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2021年度龍谷チャレンジ


■龍谷大学では、学生の皆さんの正課外における自主活動や社会貢献活動を支援する、「龍谷チャレンジ」の2021年度の募集を行っています。「自主活動部門」「社会連携・社会貢献活動部門」の2部門を募集し、それぞれ上限30万円を支援します。募集要項については、学内関係者のみ閲覧できるポータルサイトでダウンロードできます。締め切りは、6月14日です。今日は、学部を超えた団体から申請について相談を受けました。2018年から大津市内の地域団体と連携しながら模索してきた活動を基盤に、申請されるようです。ということで、「社会連携・社会貢献活動部門」でしょうか。頑張ってほしいと思います。

■私のゼミでは、かつて中山間地域の農村の生産者と都市の消費者をつなぐ活動をしていました。農学部を開設する頃で、当時は農村で活動する学生グループが存在していなかったこともあり、農学部の印刷物にも登場しました。そういうことはありましたが、その頃は、この「龍谷チャレンジ」のような支援は、大学からも学部からもありませんでした。当時のゼミ生たちは、大変苦労して、大津市役所や民間の財団から助成金を受けて活動をしていました。やっと大学本体もこういった活動に本腰を入れてくれるようになったんだなと思います。過去のゼミ生たちの活動のことを思い出すと、ちょっと残念な気持ちにもなりますが、逆にとても嬉しくもあります。良かったと思います。

ハイブリッド型授業でのグループワーク(社会学入門演習)

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■昨日、火曜日の2限は1年生の「社会学入門演習」でした。この授業、昨日は、対面式による出席者は7人+オンラインの出席者は10人のハイブリッド型の演習でした。コロナ感染のリスクを回避するためにオンラインで出席する人と、この日、たまたま体調が悪くてオンラインで出席した人の両方がいます。それぞれの方が、事前に連絡をしてくれるのですが、特に、連絡がなくても、その日の判断でどちらで出席しても良いことにしています。

■ハイブリッド型で演習・グループワークを行うときは、自宅からパソコン(MacBook Air)とタブレット(iPad Pro)を持参することにしています。パソコンをzoomとプロジェクターにつなぎます。zoomの画面をプロジェクターを使って教室に付属しているスクリーンに投影します。こうすることで、対面式で参加している学生の皆さんは、zoomを使ってオンラインで参加している学生の皆さんのことを見ることができます。もっとも、この逆、対面式で参加している学生の皆さんの様子を、zoomを使っているオンラインで参加している学生の皆さんが確認できるかといえば、これが少し難しいかなという感じです。パソコンに付属しているカメラだとどうしても無理が出てきます。外付けのカメラを使わねばなりませんね。こういうの機材の準備、大学からも貸してもらえるようですが、面倒臭いので私は自前で用意することにしています。それほど高くない価格で購入できるからです。次回は、外付けのカメラを利用する予定にしています。そうすれば、この「社会学入門演習」、より一体感が生まれてくるかのなと思っています。

■タブレットの方は、クラウド型教育支援サービスmanabaを立ち上げています。1年生の演習ですから、まずは自己紹介から始まりました。自己紹介も、manabaに慣れるために、レポートとして提出していただきました。設定を、お互いが読むことができるようにしてあります。自己紹介の後は、「30歳になったとき、どんな素敵な大人になりたいのか、そのためには大学4年間でどのように学び・過ごしていくのか」を、マンダラチャートを使ってグループディスカッションをする…という課題もやってみました。単位をとること自体が目的となり(単位自体は目的ではありません)、何か追われるように就活をする…つまり何か状況に押し流されるように大学4年間を過ごすのではなく、自分自身の目標(それは将来違ってきても良い)に向かって、大学4年間を大切に過ごしてほしいと思っているからです。マンダラチャートという方法には、いろいろ問題もあるとは思いますが、「自分の目標を実現するためには、これだけたくさんの具体的なことに取り組まねばならないのだな」ということがわかります。少し気を引き締めるためには、良いのではないかな…と思っています。できあがったマンダラチャートは、課題の成果としてmanabaにアップしてもらいます。もちろん、個人情報との関係で、演習の仲間にも知ってもらっても問題がない範囲にしてもらっています。

■先週は、降誕会の式典で行われた学長の式辞を資料として使わせてもらいました。全部ではありませんが、学長がE.フロムの『生きるということ』から引用されてスピーチされた部分を、動画でも確認し、スピーチを文字に起こしたもの読んでもらいました。文字起こし、意外と簡単でした。YouTubeによる学長のスピーチを、Wordの音声入力で文字に変換しました。もちろんWordの能力に限界もありますが、学長ははっきりした口調でスピーチをされますので、修正する箇所はそれほど多くはありませんでした。動画の後はその資料を読んでもらって、「持つ」ことから「ある」ことへ、自己と他者、自己と社会との関係について考えてもらいました。これは、マンダラチャートとも関係しています。フロムの議論をもとに、最初に書き上げた自分のマンダラチャートを書き直すことになるからです。

■昨日は、『「利他」とは何か』(伊藤亜沙編・集英社新書)の第1章の前半部分に関して、グループワーク(ディスカッション)を行いました。これもどこかで、「ある」ことと関係しています。また、素敵な大人になるためには…ということとも関係しています。予想していた以上に、みなさん事前にきちんと読み込んでおられました。驚きました。あらかじめノートにきちんとメモをとってディスカションに参加していた人と、そうでない人とがいましたが、深い議論をされているように思いました。

■じつは、オンラインの学生の皆さん10人おられるので、本当はzoomのブレイクアウトルームの機能を使って、2グループに分けたかったのですが、以前、きちんと使えたこの機能、今のバージョンだとどうして良いのか分からなくなってしまっていて…。すみません、勉強しておきます。というわけで、昨日は、グループワークを行うには多すぎる人数でしたが、司会進行をしてくれる学生の方の能力が優れていたこと、またその司会役を支える人たちがいたことで、問題なくグループワークが進んでいました。素晴らしい。時々、オンラインのグループワークでは、顔を見せずに、みんな黙り込んでしまう…ということもお聞きするのですが、この「社会学入門演習」の場合、これまでに十分にグループワークを積み重ねてきていることから、問題なくディスカッションができていたように思います。来週は『「利他」とは何か』(伊藤亜沙編・集英社新書)第1章後半部分になります。

『岸辺のヤービ』(梨木香歩・作、小沢さかえ・絵)マッドガイド・ウォーターは琵琶湖?!

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■先日、土屋俊幸さんにご教示いただいた絵本『よんひゃくまんさいのびわこさん』(梨木香歩・作、小沢さかえ・絵)について投稿しました。となると、次に梨木さんと小沢さんのコンビによる童話『岸辺のヤービ』を読みたくなるのは、ある意味必然でしょうかね。

■今日、その『岸辺のヤービ』が届きました。表紙をめくって、ちょっとびっくり。表紙の裏には、物語の地図が描かれていました(子どもの時、こういう物語の中に描かれている地図が好きでした…)。それは、マッドガイド・ウォーターという小さな三日月湖なのですが、私には琵琶湖に見えてしまいました。いや、これ琵琶湖の形をヒントにしているのではないですか、どうでしょう。地図には、島とありますが、これは琵琶湖では竹生島、ローレライ岩とありますが、これは琵琶湖では沖の白石。梨木さんは、かつて琵琶湖の湖畔に仕事場を持っておられたというし。

■ええと、多くの皆さんにはどうでも良いことでしょうね。すみません。これから、『岸辺のヤービ』読むことにします。

リストから漏れていたFくん

■昨日、facebookでFさんという方が友達申請してくださいました。とっても驚いたことに、私のゼミの出身だと伝えてくれました。「あれっ、Fくんって、いたかな〜」。思い出せませんでした。私は、ゼミ生の卒業論文のタイトルを一覧できるようにホームページで公開しています。ところが、Fくんの名前は思い出せないし、一覧にもありません。「Fくん、勘違いしているんでは…」と思って伝えたら、間違いなく私のゼミ出身だというのです。丁寧に確認をさせてもらいました。2008年の卒業、卒業論文は高速道路の問題、サークル活動は吹奏楽部でトランペット、就職先は…。ああ、思い出してきました。私のゼミの3期生でした。なんと、私が卒業論文のタイトル一覧に、Fくんの名前と卒論のタイトルを入れるのを忘れていたのでした…。これって、あかんやん。Fくん、ごめんなさい。Fくん以外にも、ごめんなさいな方がおられたりして。ああ、ショック。Fくんが「ネタにできます」って言っていたけど、その前に、投稿しておきます。

■卒業論文のリストは、こちらです。Fくんは、福富太一くん。ご本人もfacebookで伝えてくださいましたが、当時は、所属していた龍谷大学吹奏楽部に夢中で、ゼミのことについてはあまり関心がなかったとのこと。なるほど…です。そのような福富くんに、私はどのような指導をしたのか、ご本人によれば、私は「吹奏楽部だけでなく、学業でも自分のやり遂げたと自信を持てるもの(卒業論文)を残しなさい」と指導したようです。それは、今も変わらない龍谷大学で働き始めた時から一貫した考え方です。加えて、ゼミでは、「発表することの力」、たぶんプレゼン能力のことだと思いますが、評価したようです。こちらは、うっかりしていたわけですが、福富くんはきちんと記憶してくれていました。ありがとうございます。

■ということで、福富くんのお名前と卒業論文のタイトルをきちんと付け加えておきました。福富くん、本当に申し訳ありませんでした。福富くんと同様にリストに名前が入っていないという方はご連絡ください。

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