ステークホルダーの多様性が生態系のレジリアンスを担保する条件

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■仙台で来月に開催される「日本生態学会第63回全国大会」で、長年にわたって一緒に研究をしてきた研究仲間の谷内茂雄さん(京都大学生態学研究センター)が、私との連名で一般講演(学会発表)を行います。講演のタイトルは「ステークホルダーの多様性が生態系のレジリアンスを担保する条件」です。モデルを基に考える数理生態学者の谷内さんと、私のようなフィールドワークに基づいて研究する社会学者とのコラボレーションです。この講演のアイデアの根本のところ、根っこにあたる部分の一つは拙論にあります。「地域環境問題をめぐる“状況の定義のズレ”と“社会的コンテクスト”-滋賀県における石けん運動をもとに」(『講座 環境社会学第2巻 加害・被害と解決過程』)の中で述べた「状況の定義の多様性を維持していくこと」が重要であるという指摘です。このようなフィールドワークからの指摘と、谷内さんたちによる理論生態学的な研究成果(「保険仮説」)とをシンクロさせながら、2人で議論してきたことが今回の報告につながりました。私たちの講演は、3月22日14時から、会場は[I2生態系管理]です。

■この学会の開催期間中には、私と同じ社会学者である総合地球環境学研究所の菊池直樹さんも企画集会で発表されます。これはシンポジウム形式のようです。タイトルは「絶滅危惧鳥類と末永く上手に付き合う方法-見せながら守れるの?-」です。菊池さんご自身は、「研究者の眼、行政の力、地域住民の思い: 絶滅危惧種保全をめぐる順応的ガバナンス」というタイトルで報告されます。3月24日9時半からです。

ステークホルダーの多様性が生態系のレジリアンスを担保する条件
絶滅危惧鳥類と末永く上手に付き合う方法-見せながら守れるの?-

2015年度脇田ゼミ「卒論発表会」

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■昨日は、2015年度脇田ゼミ「卒論発表会」でした。ゼミの2年間はアッという間でした。私も、アッという間に2つ歳を取ってしまいました。年々、歳をとるスピードが速まっているように思います。還暦も近づいていきています。昔であれば、翁の世界に近づいているのです。ということで、ゼミの皆さんには少しだけで結構ですので、私に対する「労わり気持ち」が欲しいと思います。

■私のゼミは、ゼミ生が多い年と少ない年とが、交互にやってきます。今年は少ない年でした。それでも卒論草稿の提出がとても遅いので、正月休みは添削でとても疲れてしまいました。考えてみれば、毎年こんな感じで正月休みを過ごしているのですが、そろそろこういうのは止めにしていただきたいなと思います。つまり、私の正月休みを返して欲しいわけです。来年はゼミ生が多い年になります。頼みますから、もっと早めに調査に取り組んでほしいと思います。毎年、毎年、そのことを口を酸っぱくしていってきているのですが、ゼミの皆さんの首に縄をつけてフィールドに引っ張っていくわけにもいきませんしね…。3年生の皆さん、そこんとこ、どうぞよろしくお願いいたします。

■さて、昨日の卒論発表会を終えた4年生のみんな。卒論に取り組むときに経験したことを、どうか何度も反芻してください。君たちの持っている長所も短所も、全てが凝縮されています。きっと…。それぞれの人の性格や傾向は、本質的なところでは生涯にわたってあまり変わらないので、何かの折に自らの短所がまた出てきます。そこをなんとか抑えて(ああ、また悪い癖が出てきた、やばいやばい…って感じで)、自分の持っている長所を伸ばしていってください。今回、優れた卒論が執筆できた/できなかったにかかわらず、卒論で経験したことを大切にして社会で働いてください。そして、話しは飛躍しますが、自分で「仕事」を見つけられる人になってください。さらに、何か事が起きた時には、逃げずに、きちんと「受けて立つ」人になってください。

■まだまだね、いろいろ思うところがあるのですが、「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ」(池乃めだか)です。

琵琶湖疏水沿いをウォーキング

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■一昨日のことになります。なんだか、いろいろあって、遅くまで深草キャンパスにある研究部の執務室にこもっていました。気がつくと20時になっており、そろそろ帰宅することにしました。キャンパスから出ると、そこには中華料理の「新華」があります。楽しそうな店内が見えたのですが、横目で睨んでスルーしました。頭の中には、水餃子と生ビールが浮かんできました。しかし、強い意志のもとにスルーしました。そして京阪深草駅に着いたときのことです。「そうだ!丹波橋駅、歩こう!」と突然のことですが、そう思ったのです。神の啓示、いやいや阿弥陀様のお導きでしょうか。

■ということで、琵琶湖疏水沿いの道を歩くことにしました。疎水沿いの道は、橋がかかっているところではアップダウンすることになります。橋のかかっているところだけ、少し土地が高くなっているのです。うまく説明できていませんが、ご理解いただけますでしょうか。疎水沿いの道なんですが、意外なことに、けっこう赤提灯がぶら下がっているのです。危ない。しかし、これもなんとか全てスルーできました。トップの写真は、琵琶湖疏水にある墨染発電所です。なぜこんなところに発電所があるのかといえば、疎水とその先にある濠川の落差を利用して発電しているからです。この発電所の少し先には、昔、インクラインがありました。この辺りは、桜並木が続いており、ぜひ春の夕方歩いてみたいものだと思いました。

■さてウォーキングです。この時はあまりムキにならずに、普通の速歩き程度にしました。時々立ち止まっては、周りの風景を眺めました。ナイトウォーキンぐも楽しいですね。実は、この日の朝、ヘルスメーターで通勤時の荷物を測ってみたのですが、なんと12kgもありました。こんな重いものを背負って、なんで私は通勤しているんだろう…と思いましたが、いろいろ必要な物を詰めるとこの重さになってしまうのです。ということで、あくまで脚に負荷をかけすぎないようにと、あえて普通に歩いてみました。3km超えることができました。丹波橋と深草キャンパスの間は、だいたい3kmなんです。歩くには、ちょうど良い距離です。12kgの荷物を背負ってはいますけど。

人を幸せにするのは何? 心理学者ロバート・ウォールディンガー氏

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■TEDをご存知ですよね。正式名称は「Technology Entertainment Design」です。この団体は世界的講演会を主催していますが、私たちもその講演をネットで視ることができます。今回、私が興味深く拝見したのは、心理学者のロバート・ウォールディンガーさんの講演です。ウォールディンガーさんは、「ハーバード成人発達研究」の責任者です。この研究は、「史上最も長期に渡って 成人を追跡した研究」であり、「75年間724人の男性を追跡し、休むことなく、仕事や家庭生活、健康などを記録」してきました。その目的は、「人々を10代の頃から老年まで追い、幸福と健康の持続に本当に何が必要なのか探索」することにありました。通常では、このような研究はほぼ不可能です。それゆえ、ウォールディンガーさんの講演を非常に興味深く拝見しました。

■まずは、以下をご覧いただければと思います。

ロバート・ウォールディンガー:人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から

上記講演の翻訳 ( translated by Reiko Bovee , reviewed by Masami Mutsukado and Kacie Landrum )

■この講演の中で、ウォールディンガーさんは、「私たちを健康に幸福にするのは、良い人間関係に尽きる」と述べています。上記の翻訳を頼りに引用をしてみます。

この教え― 親密で良い関係は 包括的に 私たちに益となっているという教えは 今に分かった事ではありませんね 何故そんな関係は築き難く 無視され易いのでしょう 誰もそうですが 私たちは手っ取り早く 手に入れられる 生活を快適に維持してくれるものが 大好きです 人間関係は複雑に込み入っています 家族や友達との関係をうまく 維持して行くのは至難の業です その地道な努力は地味で その上その仕事は 死ぬまで続きます 75年間に渡る研究で 定年退職後 一番幸福な人は 仕事仲間に代わる新しい仲間を 自ら進んで作った人達です 最近の調査での 新世紀世代のように この研究の参加者の多くは 彼らが青年期に入った時 名声や富や業績が 良い生活をするには 必要なものだと 本当に信じていましたが 75年もの間 我々の研究で 繰り返し繰り返し示されたのは 最も幸せに過ごして来た人は 人間関係に頼った人々だという事でした それは家族 友達や コミュニティだったり様々です

■とても興味深い指摘をされています。幸せになった人は、複雑に込み入っている人間関係をうまく維持し、そのために努力している人たちでした。面倒くさいかもしれませんが、そのような人間関係を、常に自分の周りにきちんと形成している人たち、頼れる人間関係のネットワークを自分の周りに形成している人たちでした。ここから、いろんなことを考えました。

■社会学の中には「個人化」という考え方があります。「個人化」とは、伝統的な家族やコミュニティ等の集団から解放され、自己の意思で選択できる、自己選択できる領域や余地が拡大していくことです。しかし同時に、それは人びとに困難をもたらします。あまりにも多くの選択肢の中で、自分が何を選択するべきなのか、よくわからなくなる状況を生み出してしまうからです。自由な選択は、人びとに選択を迫るある種の圧力にもなります。また、自己選択の結果、何か個人にとって不都合なことがあっても、個人が自己責任で対処・処理しなければなりません。このことは、どういう人間関係を形成して生きていくのかという点に関しても同様です。自由に自分に都合の良い人間関係を選択的に形成していけるのでしょうが、そのような人間関係は同時に非常に不安定なものとなります。「ちょっと面倒な人だけど、この人とはこれからも付き合っていかなければならない。上手に関係をつくっていこう」という風にはなかなかなりません。「個人化」が進めば、「面倒ならばそのような人間関係を選択しなければ良い」というふうになりがちです。ただし、短期的な視点によるそのような選択がもたらす長期的なリスク、人生のリスクについては、すべて個人で受け止め、処理しなければなりません。なかなか大変な時代に私たちは生きています。

■ウォールディンガーさんが現在でも追跡調査している方達は、90歳代の方達です。彼らが人格形成をして生きぬいてきた時代の社会と、特に、これから年齢を重ねていく若者たちが生きていかねばならない時代の社会とでは、質的に大きな差異があるように思います。「個人化」もその一つです。ウォールディンガーさんが指摘された幸せな人びとのように、頼れる人間関係のネットワークを自分の周りに形成していくことは、より一層困難になってくるかもしれません。この講演の内容は、アメリカの政治学者であるロバート・パットナムが提起した「社会関係資本」とも関連してくるようにも思いました。アメリカ社会の中で、パットナムの『Bowling alone』(『孤独なボウリング』)がベストセラーになりましたが、アメリカの社会の中で、「個人化」と「社会関係資本の衰退」が同時に進行していったからではないかと考えています。

■ウォールディンガーさんの講演を興味深く拝見して、私は、彼の指摘に大いに納得しました。しかし、納得すると同時に、頼れる人間関係のネットワークをどのように形成していくのか、また形成されていくための条件とはどのようなことなのか…といった実践的な課題についても考えることになりました。実際、私が参加している総合地球環境学研究所のプロジェクトでも、環境保全と人びとの幸せの関係について焦点を当てて研究しています。

最後にマーク・トウェインの言葉を 引用して終わります 一世紀以上むかし 彼は人生を振り返り こう書きました 「かくも短い人生に 諍い 謝罪し 傷心し 責任を追及している時間などない 愛し合う為の時間しかない それが例え一瞬にすぎなくとも」良い人生は良い人間関係で築かれます

■これは、講演の最後にウォールディンガーさんが引用したマーク・トウェインの言葉です。”There isn’t time, so brief is life, for bickerings, apologies, heartburnings, callings to account. There is only time for loving, and but an instant, so to speak, for that.” トウェインのことなど何もわかっていないのですが、そのような私でも何かしら重みを感じます。どの作品ないしはエッセーに書かれているのか、知りたいと思いました。ちょっと調べています。

健康管理が大切

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■昨日のことになりますが、深草キャンバスにある健康管理センターに仕事の空き時間を使って行ってきました。昨年の定期健康診断でチェックが入りました。血圧も高めだし、その他内臓関係の数値(血液検査)もよろしくない…。もともと脂っこいものはあまり食べませんが(欲しくない)、どうも問題は酒の飲みすぎのようです。特に肝臓のオーバーホールが必要なようです。自分の身体をいたわり、大切にしなければなりません。今日、診察していただいた医師の先生には、随分以前、禁煙の際もお世話になりました。今回も、ご指導いただきながら、自分の生活をきちんと自己管理できるように習慣付けたいと思います。ということで、まずは「わたしの血圧手帳」というノートをいただきました。これに、朝夕 2回、血圧を測って記録していくことになりました。この「わたしの血圧手帳」には、体重の変化も記入することになっています。個人的には、飲酒や運動の有無、そしてジョギングやウォーキングの距離なども書き込んでいこうと思います。ちなみに、健康管理センターで測定していただいた今日の血圧は、上が136下が86でした。医師の先生からは「まずまずですね」と言っていただきましたが、もっと運動をしなければなりません。

■ということで、今日は通勤の往復の中にウォーキングを組み込んでみました。自宅から1駅分の距離を歩いてみることにしたのです。下は、「iPhone6 plus」に入れたアプリで測定した記録です。行き(下左)は坂道を降り、帰り(下右)は坂道を登っているはずなのですが、ペースと消費カロリーがなんだか逆のような気もします。降りの方が、スピードは早くなるし、楽に歩けるのでカロリーの消費も少ないと思うのですが…。このぐらいの距離だとあまり正確には出ないのかな…。まあ、そのようなことはともかく、軽く汗をかくほどの良い運動にはなりました。ウォーキングとしては、かなり速いペースかもしれません。しかも、リュックとショルダーバックで、10kg近い荷物を背負っています。かなりの負荷がかかっていると思います。いつものように「会議と打ち合わせで疲れたから、ちょっと一杯やって帰ろう…」なんてことをやっていたら、とてもこのような運動はできませんね。本当は、30分以上歩かないといけないと思っています。近鉄丹波橋駅から深草キャンパスまでが、3km。速歩で、だいたい30分程の距離になります。さっそく、試してみることにします。
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【追記】
20160203gakusyoku.jpg■健康のテーマのエントリーということで、追記。今日は深草キャンパスで会議です。もう会議ばかりで…。気持ちを入れ替えて、生協の学食で昼食を摂ることにしました。今日は、小鉢で攻めてみました。ライスSS、豚汁、ブロッコリーピーナッツ(なかなか美味しい!)、15種類のヘルシーサラダ、甘辛ごぼう、ほうれん草のお浸し、納豆。しめて552kcal。野菜量は234g。塩分は5g。メインディッシュ的なものはないわけですが、それなりに満足しました。とはいえ、タンパク質の類は少ないな〜と思います。大豆タンパクを別にすれば、豚汁と甘辛ごぼうの中に入っている豚肉ぐらいかな。「まあ、夕食で調整しよう…」なんてことを考えるようになってきました。一日のトータルの栄養を考えるようになりました。

谷口牧場を訪問しました!

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▪︎本日の午前中、知り合いの焼肉店「いこい」の経営者である竹村吉史さんにご案内いただき、竜王町にある「谷口牧場」を訪問いたしました。瀬田キャンパスのお隣の学部、農学部の古本 強先生、そして玉井鉄宗先生とご一緒いたしました。「谷口牧場」の経営者である谷口仁司さんからは、黒毛和牛のこと、黒毛和牛の飼育のことはもちろん、牧場経営のこと、畜産流通のこと、近江牛のブランド、畜産廃棄物や有機肥料のことなど、実に様々なお話しをお聞かせいただきました。本当にありがとうございました。あくまで個人的な考えですが、社会学部や農学部といった学部を超えて、瀬田キャンパスとして、地域社会と「農・商・学」連携を進めていけると良いなと思いました。もちろん課題は山ほどあることは承知していますけどね。

▪︎さて、私自身、これまで乳牛の牛舎には何度も行ったことがありました。しかし、肉牛の牛舎は今回が初めてでした。牛はとても人懐っこいといいますか、人に対して好奇心がありますね。向こうからちょっかいを出してきます。しかし、こちらから触りにいこうとすると嫌がって逃げていきます。今回、牛の角が暖かいことを初めて知りました。角にも血が通っているわけです。

▪︎「谷口牧場」の牛は、とても丁寧に育てられていました。飼育されている牛は、よく鼻輪がつけられていますが、こちらの牧場にはそのような牛はいません。牧場全体で二百数十頭の牛がいますが、経営者の谷口仁司さんは、できるだけそれらの牛にストレスを与えないように細かく気を配っておられました。これだけ大きな体をしているので、相当頑丈なんだろうと思ってはいましたが、同時に、かなりデリケートな動物であることもわかりました。谷口さんは、こうおっしゃっていました。牛舎に入るといつもいつも牛たちにみつめられ、そして語りかけられているような気持ちになる。谷口さんは、牛たちからの語りかけを深く理解し、丁寧に世話をされているのです。ある意味、飼育している人間の方が牛に試されているのですね。この谷口さんのお話し、非常に大切なことだなと思いました。

▪︎学生の皆さんのなかには、『銀の匙』という漫画を読んだことがある人もいるでしょう。この作品のなかで、主人公の八軒勇吾が自分が飼育している豚に名前をつけようとして、叱られるシーンがあったように記憶しています。飼育される豚は、食肉に、そしてベーコンやハムなどの加工品になっていく経済動物です。その経済動物に名前をつけてしまうと感情が移入してしまうので、だめだと仲間か教師から叱られるのです。たしか、そのような話しだったように思います。しかし「谷口牧場」の牛には、名前がついています。鹿児島の牧場から子牛としてこの滋賀県にやっくるときに名前がつけられているのです。谷口さんからお話しを伺いながら、畜産は非常に奥が深いことを実感しました。産業と流通といった経済的な視点だけでなく、「命の問題」もそこには含まれています。とても重くかつ重要なポイントかと思います。私たちの社会では、この重くかつ重要なポイントが見えにくくなっています。処理・加工され切り身となった肉だけが、パック化されて「商品」として商店やスーパーマーケットの陳列棚に並んでいるのです。ここには、大きな問題が存在しています。

入学試験

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■龍谷大学の一般入試のスケジュールは、以下の通りです。A日程入試が1/30・1/31・2/1、B日程入試が2/12・2/13、C日程入試が3/7。土曜日は、一般入試の初日でした。私はといえば、特に、入試監督等の業務があったわけではありませんが、この日、研究室で作業をしなければならない仕事があったために瀬田キャンパスにやってきました。深草キャンパスと瀬田キャンバスを行ったり来たりする日々のため、なかなか研究室にいる時間がありません。愚痴をこぼしても仕方がありませんね。作業を終えて移動しようとしたとろこ、バス停は受験生の皆さんがこんな状況で並んでいました。参りました〜。私の不注意でした。入試が終わる時刻を知っていれば、こういったことにはならなかったんですが。

■こうやってたくさんの受験生が受験してくれることは、大学教員として喜ばしいことです。しかし、いわゆる「2018年問題」が確実にやってきます。18歳人口が急激に減少していく問題です。団塊の世代の子ども世代のことを、団塊ジュニアと一般には呼んでいます。団塊ジュニアが高校を卒業したのは1992年頃です。その時は、18歳人口が205万人にもなりました。しかし、その22年後の2014年には、18歳人口は118万人と半分近くまで減少しました。15年後の2031年には18歳人口は100万人を割ると言われています。これまで、18歳人口が減少しても、多くの大学がなんとかやってこられたのは、進学率が上昇したからです。しかし、これからは進学率の上昇も見込めないと言われています。

■写真に戻りましょう。私は、バスを待つ受験生の最後尾に並びました。いつまでこのように風景が見られるでしょうか。「 2018年問題」に本気で対応しない大学は潰れていくと言われています。私が学生の頃、大学が将来潰れるかもしれないなんて想像していた人は皆無でした。今後、本気で改革を進めていない大学(学部も含めて)は、受験生から選ばれる大学にはなれないでしょう。経営的に大変厳しい状況に落ち込んでいきます。同じ大学の中でも学部によって差が生まれてくるでしょう。さらには、学科によっても…。それはそんなに遠い未来のことではありません。すでに少しずつ進行していることですから。

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