雛人形

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■我が家に雛人形が飾られました。ひとつは60年前のもの、もうひとつは35年前のものです。60年前のものは人形ケースに飾られていたのですが、ケースの寿命が先に尽きてしまったようで、仕方がないのでこうやって飾ってあります。まあ、人形たちからすれば、広々として良いのかも。35年前のものは、娘(ひなちゃん&ななちゃんのおかあさん)の雛人形なのですが、こちらは大きいです。我が家の床の間がいっぱいに。娘の家には、孫たちにプレゼントした雛人形があります。

■こうやって女三世代の雛人形を比べると、その背後にある日本の経済成長や、ライフスタイルの変化を感じずにはいられません。今は、大掛かりな雛人形だけでなく、収納飾り雛人形というのもあるようです。収納するケースが人形を飾る台になるようです。マンション等で暮らしていると、大きな雛人形を飾る場所も仕舞う場所も確保しにくいですからね。

■ところで、人形業界は、古くなった雛人形は、娘さんが成長して役目を終えたら供養してください、引き継ぐのはダメですよと言いますが。でも、こうやって飾られる間は、飾ってもらおうと思います(私は飾りませんが…)。私の両親の家にも押し入れに入ったままの雛人形がありましたが、両親が共に亡くなり、家を売却するために、業者さんにお願いして家の中の家財道具を全て処分してもらったのですが、その時に一緒に引き取ってもらいました。あっ、そうそう、私の五月人形も処分されたな。人形たちには、気の毒なことをしました。
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【追記】■この写真をfbにもアップしましたが、それをご覧になった京都の方から、「御代理様とお雛様の並べ方は『関東風』ですね」とコメントをいただきました。関西というか京都以外の地域では、向かって左側に御代理様、右にお雛様、女雛を飾ります。そのことはなんとなく知っていましたが、どうしてこのような差が生まれたのかについて知りません。少し調べてみました。元々は、関東風も女雛が向かって左、御代理様が向かって右だったようです。こちらの記事では、次のように説明しています

日本には古くから「左方上位(左側の方が位が高い)」という考え方がありました。ですから左大臣と右大臣では、左大臣の方が格上になります。神社で手水を使うときに左手から清めるのも同じ理由です。雛人形は平安貴族の姿をしていますが、平安時代の帝は、妃の左側(向かって右)へ座っていました。京都と関西の一部では、そのしきたりに従って、内裏雛を並べているのです。
一方現在の皇室では、天皇は必ず皇后の右側(向かって左側)に立たれます。座られる場合も右側です。この位置の取り方は、西洋式のルールにのっとっています。明治時代の終わり頃から日本でも西洋に準じて、このルールが取り入れられました。

■もうひとつ興味深いことを知りました。右大臣と左大臣の位置関係です。髭を生やした老人が左大臣です。ですから、向かって右側が左大臣になります。その反対側、向かって左側は若い右大臣になります。このお二人は随身と呼ばれる御代理様の警護の役目をする人たちです。左の方が格が上なのですが、この場合の左とは御代理様からみた左側になります。この左大臣と右大臣の位置は、関東風の場合でも変わりません。

この随身の右・左は内裏雛から見た位置になります。したがって向かって右が左大臣、左が右大臣になります。左大臣の方が格上なので老人の姿をしており、右大臣は若者の姿です。随身は左手に弓、右手に矢を持ち、矢を入れた胡簶(やなぐい)を背負います。

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