秋田駅で(地球研出張2)

20160323akita9.jpg ■出張の楽しみは、「地方の食」と共に、私の場合は「ローカル鉄道」ということになります。秋田駅の在来線は、新潟市の新津駅からスタートし秋田駅を終着駅とする羽越線と、福島駅からスタートし山形県を抜けこの秋田駅を通って青森駅に至る奥羽本線の2つになります。もっとも、後者の奥羽本線の追分駅から分岐し、男鹿半島に向かう男鹿線の気動車も秋田駅に乗り入れています。

■右の地図をご覧ください。これは、車で大潟村に行った際に地図アプリで残した画像です。水色の丸印が、私のいた場所です。八郎潟は、琵琶湖に次いで大きな湖でしたが、干拓事業により大部分が陸地になりました。八郎潟の中にできた陸地は大潟村になりました。湖の周辺地域も干拓されました。地図では、八郎潟となっていますが、制度的には、「残存湖」「調整池」と呼ばれています。つまり、干拓事業によって生まれた大潟村で行われている農業のための巨大な溜池の役割を担っているわけです。言い方を換えれば、国家による巨大開発事業の定義を押し付けられている…という側面を持っているのです。しかしながら、地域の人びとは、残された湖のことを決して「残存湖」「調整池」とは呼びません。まるで、国の名付けに対抗するかのように「八郎湖」という名前で呼んでいます。この辺りは、環境社会学的に非常に興味深いところですが、ここでは鉄道の話しに戻りましょう。

■八郎湖の東側を走っているのが奥羽本線です。奥羽本線から分岐している八郎湖の南側を男鹿半島に向かって走るのが男鹿線です。単線で電化されていません。気動車が走っています。下の写真のうち上段が男鹿線の気動車です。男鹿半島は、あの「なまはげ」で有名であることから、この男鹿線は「男鹿なまはげライン」の愛称が付けられています。気動車の入り口にも「なまはげ」が描かれています。本当は、このローカル線に乗って男鹿半島まで行ってみたいのですが、出張の仕事があるためそのようなことはできません。いつか個人的な楽しみでやってきたいと思います。ちなみに、男鹿半島と干拓事業によって誕生した大潟村は、「ジオパーク」に成っています。「日本が大陸から分かれ、日本海を形成し、大規模気候変動による環境の移り変わりを経て今日に至った、過去7,000万年間の大地の歴史を、ほぼ連続して観察できる地層がそろって」いるそうです(「男鹿半島・大潟ジオパーク」)。

■下の写真の下段の方は、奥羽本線を走っている特急「つがる」です。正面には、電光掲示で岩木山とリンゴが表現されています。この特急、鉄道に詳しい方からお聞きしたのですが、大変珍しいらしいのです。というのも、2011年4月から写真に写っている485系3000番台の列車は、E751系に変わっており、この日は、たまたま検査か何かでE751系が走ることができなかったので、代わりに…ということらしいのです。そうか、そんなに珍しいのならば、今のうちに乗っておくべきだな…と思うのですが、出張中ですからそんなわけにはいきません。

■これらの写真は、22日(日)は、朝、秋田駅の少し北の方にある追分駅まで移動した際に撮りました。追分からは、車に乗って、八郎湖周辺地域で八郎湖の環境保全に関わる活動をされている団体を訪問したり、潟上市が所有管理している八郎潟の漁具類の収蔵庫等を見学させていただきました。鉄道に集中してエトリーしましたが、「安心してください。仕事しています」…です。

20160323akita5.jpg20160323akita11.jpg
20160323akita10.jpg20160323akita8.jpg

管理者用