Johannes Brahms - String Sextet op.18 - 2. Andante, ma moderato


▪︎昨晩、突然、ブラームスの弦楽6重奏曲第1番第2楽章を聞きたくなりました。仕事の片手間で聞きたいので、YouTubeを探したところ、こんな動画がアップされていました。6重奏曲は、バイオリン、ビオラ、チェロ、それぞれ2人づつの編成で演奏します。バイオリンのお1人は、マッシモ・クァルタという方です。私は、お名前を存じあげませんでしたが、イタリアの有名なバイオリニストなのだそうです。1991年度パガニーニ国際コンクールの優勝者でもあります。印象ですが、このイタリアの皆さんのブラームス、なんだか、これまで聞いてきたものとは違って、すごく「うねる」というか「ゆれる」という感じがします。でも、これも新鮮で良いのかな…と思いました。

▪︎ちなみに、この第2楽章は、フランス映画の「恋人たち」 (ルイ・マル監督)で使われているのだそうです。調べてみました。すると、この映画で使われた曲のばあい、チェロはあのカザルスが演奏しているというではありませんか。カザルスは、チェロの現代的奏法を確立した巨匠です。以下は、「恋人たち」の動画です。こちらの第2楽章は、私がこれまで聞いてきた「がっしり」した「力強い」演奏でした。動画は貼り付けませんが、リンクだけでも。
http://youtu.be/BgSJDuyrvWI

▪︎さらに調べてみると、この映画のストーリーは、以下の通り。「夫に不満をもつ若き人妻が、ふと知り合った若者と情熱の一夜をすごし、夫も家もすてて若者とともに去る」というものなのだそうです。映画を観ていないので、ストーリーだけだと「なんだかな〜…」という展開です。個人的には、第2楽章のイメージと、映画のストーリーのあいだにはギャップがありすぎます(笑)。数珠繋ぎ的に調べてみました。ルイ・マル監督は、あの「死刑台のエレベーター」の監督なのだそうです。これは、この監督のデビュー作です。こちらは、ジャズ・トランペッターのマイルス・デイビスの即興演奏で、大変有名です。マイルス・デイビスのことと、映画の題名ぐらいは私でもわかるぐらい有名です。ちなみに、こちらの映画もヒロイン(社長夫人)の夫(社長)は、彼女の不倫相手(社員)から殺されてしまうのです。これはひどく単純化したストーリーで、実際には、もっと複雑です。

「死刑台のエレベーター」動画http://youtu.be/upO75002b9k
ルイ・マルの解説http://www.ppmz.com/essays/katsusha/katsusha_008.htm

▪︎これらの映画は、みんな、私が生まれた頃の映画です。断片的な知識としては知っていますが、この時代の映画を丹念にみたことはありません。こうやってみると、学生の皆さんに偉そうにいえる立場でもないわけです。しかし、私は自分がいろいろ知らないことについて、どこか自分のなかにちょっと困ったことだな…という恥じらいの気持ちがあります。もっと知りたい、あるいは勉強したいという気持ちも強くあります。なんのためか。それは、単に知りたいから。知ることで、世界が拡がるから。わくわくするから。「それが何の得になるのか? 」。「それは、わかりません。それぞれの人ごとに…」というしかありません。でも、よくわからない事柄を「もっと知りたい…」という気持ちが、自分の中から湧き出てくることは、人が生きていくうえでとても大切なことなのではないかと思うのです。最後の部分、知り合いの学生の皆さんに向けて書いています。

【追記】▪︎以下は、IsraeliChambrProject によるブラームスの弦楽6重奏曲第1番の演奏です。全曲です。第2楽章は16分45秒あたりから始まります。こちらの重厚でがっしりした演奏の方が、私としてはしっくりきますね。じつに素晴らしい。

Israeli Chamber Project

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