地方に移住したい若者たち

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■『TURNS』という雑誌があります。facebookの公式ページもあります。そこには、基本情報として以下のように書かれています。

人、暮らし、地域をつなぐ雑誌「TURNS(ターンズ)」
説明
都会から地方に生活の拠点を見出そうとする人が増えています。これから自分が暮らしていくべき場所はどこか。新たな自分を発見し、活かしてくれる場所はどこなのかを真剣に考える人が増えています。豊かな暮らし方の答えが一つではないことに、みんなが気づき始めています。そして、いままで目を向けて来なかった、地方の魅力を再確認しようとする気運も高まっています。

雑誌『TURNS』が伝えていくのは、今まで注目されていなかった地域の魅力。おもしろそうな人が集まっている地域と取り組み。新しい移住者を求めている熱い地域。そして、そんな地域で新しい自分を発見するための方法です。

■基本情報

【発行】
季刊誌(6・9・12・3月の年4回発行)定価980円・第一プログレス

【誌名について】
ターンズのTURN には、U ターン、I ターンのターン。社会、暮しを見つめ直す、折り返し地点としてのターン。そしてさらに、次に行動を起こすのは“あなたの番”(Your TURN)、という意味も含まれています。

■私が、大学の講義で「地域社会論」を担当しているから、たまたま気になっているのだけなのかもしれませんが、従来の田舎ブーム(正確には第二次田舎ブーム)に加えて、「地方」や「地域」に注目するメディアが増えているように思います。この雑誌も、雑誌名が面白いですね。ターンズのTURN には、U ターン、I ターンのターン。社会、暮しを見つめ直す、折り返し地点としてのターン。そしてさらに、次に行動を起こすのは“あなたの番”(Your TURN)からきているというのです。

■このような現象は、現代社会が「定常型社会」の段階に入っていることと関係しているのかもしれません。「定常型社会」では、これまでのような経済成長を前提とした物質的ないしは貨幣価値的によって評価することのできる豊かさを目指すわけではありません。経済成長のときは、多くの若者は、地方から出て東京や大阪のような大都市を目指しました。また、そのように仕向けるようにも社会の仕組みがなっていました。しかし、状況が変わってきました。

■このようなことは、最近の若者の「地元・実家志向」等とも、どこかで関係しているのではないかと思います。自分の経験に限定していえば、学生の「地元志向」がかつてと比較して相対的に高まっているように思います。この「地元志向」とは、流動的な現代社会の不安定さを忌避し、そのようなあり方に背を向ける逃避的な意味での「内向き志向」なのか(地元には、かつての仲間がいる)。それとも、地元にポジティブなもの/ことを発見し、そこから自分の暮らす地域社会を再生・再評価していこうとしているのか(ぼやっとでも…)。現代の若者の「地元志向」には、この両方の傾向があるように思いますが、これら両者の関係のあり様が気になるところです。

『定常型社会―新しい「豊かさ」の構想 』(岩波新書)
『コミュニティを問いなおす―つながり・都市・日本社会の未来 』(ちくま新書)
ちょっと微妙だけど…
『地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会』(朝日新書)
書評『地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会』(大澤真幸)

■この雑誌とは関係ありませんが、最近の若者の意識の「地元・実家志向」と関連する記事をネットでたまたまみつけたので、備忘録がわりに…。

【第一回】よさこいを踊る若者は「地元ヤンキー」ではなかっ
【第二回】魚屋の息子は、なぜ「ひきこもり」にならないのか
【第三回】お湯を沸かした経験もない「ネットカフェ難民」
現代の若者の心理と国会等の移転問題
首都圏に住む若者の84%が「地元好き」。中国地方出身者では96%も!
若者の未来interview

■これも備忘録…田我流も。

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