幸せを探るブータン

20130710bhutan.jpg■ブータンといえば、GNHで有名です。GDPは、良く知られるように国内総生産(Gross Domestic Product)です(かつては、GNP(Gross National Product)国民総生産が一般的でした)。それに対してブータンのGNHは、国民総幸福(Gross National Happiness)です。国民一人当たりの幸福を最大化することによって社会全体の幸福を最大化することを目指すべきだとする考え方にもとづいています。経済成長するにしても、自然環境や伝統文化、家族や近隣、地域社会の連携と調和がとれていなければならないというものです。このようなブータンの考え方は、物質的・経済的な側面に偏った先進国の近代化や発展に懐疑的な人たちから大変注目されました。今日の新聞記事(朝日)では、そのブータンで、少しずつ変化がおきている、揺らいでいるというのです。

■記事では、産業が育成されないまま消費が拡大しまった結果、国内の外貨がほぼ底をついたと書かれています。このような経済的なことに関しては、これまでにも時々報道されており、私自身も関連記事を読んできましたが、今回は政治制度に関することも書かれています。記事のなかには、2大政党が選挙で争っていることについて、「選挙戦では非難の応酬も目立ち、和を重んじるブータン社会に「うんざりだ」という空気が広がる」と書かれています。また、「民主主義は狭い社会に対立を持ち込む。人々にとって居心地の良いものではないようだ」と感じている人もいようです。また、「王制の方がいいと思うけど、王様が民主主義を始めたんだから仕方ない」という意見が多数派のようですね。記事は、「定着するにはまだ時間がかかりそうだ」と結ばれています。う〜ん…。もう少し掘り下げた分析といいますか、取材が欲しいですね。ともあれ、ブータンの今後、どのように変化していくのか、気になります。

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