芝川照吉コレクション展~青木繁・岸田劉生らを支えたコレクター

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20130615museum.jpg■一昨日は、朝6時に家をでて、大津の丸屋町商店街で開催された第19回「北船路野菜市」の野菜に搬入を、7時50分からおこないました。野菜市は学生たちにまかせて、その後、私は大学に戻り、大学院の入試業務。私自身の仕事は、「何かあったとき」のために座っておくだけのことなのですが…。その間、課長と仕事のことでいろいろ協議。入試後、学生に確認したところ野菜市のほうも大方終了のようでしたし、当初私が飲食店へ野菜を配達するはずだったのですが、学生たちでできるとのことでしたので、午後からは少し時間が生まれました。このチャンスに、京都国立近代美術館で開催されている「芝川照吉コレクション展~青木繁・岸田劉生らを支えたコレクター」にいってきました。

■美術館や博物館、そして演奏会等に出向くことは、「心の栄養」として必要だと思ってはいるのですが、なかなか時間をつくることができません。一昨日は、うまい具合に時間をつくることできました。ところで、今回の展覧会のタイトルにある「芝川照吉」さんですが、どんな方なんでしょうね。以下は、近代美術館のサイトにある解説です。単なるコレクターを超えて、若い芸術家たち(その中に、青木繁や岸田劉生が含まれているのです)を支援しつづけた方なのですね。

当館は昨年、「幻のコレクション」として近代美術史上高い評価を得てきた芝川照吉(1871-1923)が旧蔵し、現存するコレクションを収蔵しました。
 本コレクションには、青木繁の代表作《女の顔》をはじめ、岸田劉生の《門と草と道路》や《芝川照吉像》、さらには坂本繁二郎、石井柏亭らの洋画作品とともに、富本憲吉、河合卯之助、藤井達吉らの工芸作品も数多く含まれています。
 本展覧会では、後には手放された岸田劉生の《道路と土手と塀(切通之写生)》(重要文化財、東京国立近代美術館蔵)や青木繁の《享楽》(大原美術館蔵)など「芝川コレクション」の核となっていた貴重な作品も加えて、200余点でその全貌に迫ります。

■トップにあるのは、岸田劉生の「道路と土手と塀(切通之写生)」という作品です。wikipediaのウィキメディア・コモンズからダウンロードしたものです(ファイル:Kishida-ryusei000047.jpeg)。岸田劉生の風景画の代表作のひとつのようです。ということで、今回の展覧会のポスター等にも使用されているのでしょう。私は絵画に対して見識のかけらも持ち合わせていませんが、凸凹してうねるような切通しの坂道から伝わる力強さ。電信柱らしきものの影が、そのことを強調しています。そして、坂道にあたる太陽の光も、石でつくられた壁に反射しているようで…。とても印象深い風景です。この作品を美術館で実際に観てみてみると、画集やネットでみるのとは違い、より太陽の光を強く感じました(展示手法やライトのせいかもしれませんが…)。

■ところで、この岸田劉生の「道路と土手と塀(切通之写生)」を観ていると、どの場所を描いたのかが気になります。それはすでに明らかになっています。いろいろな方が、ネットで写真をアップされています。現場には、渋谷区教育委員会が木製の記念碑を建てているようです。しかし、当然のことですが、当時の面影はほとんどありません。ただ、集中して、心のなかに妄想するだけです。

岸田劉生が描いた 切通しの坂(「東京散歩」)
岸田劉生がやってきた。[気になる下落合](「落合道人 Ochiai-Dojin」)
岸田劉生の「切通し」を見に行く

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