本サイトの更新停止

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以後、個人的なことはFacebookで、ゼミや研究については http://katatsumu.main.jp/ で、栗東のプロジェクトについては http://katatsumu.main.jp/ritto/ で更新します。

2013.6.22 甲賀市地域福祉大会

6月22日、甲賀市甲南町の「忍の里プララ」にて地域福祉大会が開催されました。

私はコーディネータ兼講師として「まちづくりへ一歩を踏み出そう」というテーマのセッションを担当しました。

大会実行委員会が選定・依頼し、事例紹介をしてくださったのは以下の3組です。

  • 立命館大学ボランティアサークル ボラっちぇ(代表:関智志さん)
  • 清流の郷杠葉尾町自治会館(会長:仲谷正敏さん)
  • 希望ヶ丘おとなこども☆未来づくりプロジェクト(代表:吉田昌孝さん)

最初に各事例を15〜20分ずつご紹介いただき、会場からの質問を集めた上で、私からまとめを20分ほどお話しました。まとめの際のスライドと音声は以下のURLにアップしてあります。

かたや60世帯弱の杠葉尾町、かたや1,500世帯を超える希望ヶ丘と対照的な事例でしたが、その取り組みの中から共通点を拾っていきました。一歩を踏み出すためには、そのための勇気を引き受けられる場づくりこそが重要だという話をさせていただきました。

甲賀市市民憲章が「あ・い・こ・う・か」を頭文字にしていることと、先日、延藤安弘さんの『まちづくりの術語集』で頭韻要約法として紹介されていたことを思い出して、いわゆる「あいうえお作文」でまとめてみました。今回は「ふ・み・だ・し・て・み・よ・う」です。

5月2日のかたつむ邸

栗東市で実習拠点「かたつむ邸」での実習を週2回のペースで行っています。今日の「かたつむ邸」には、よく来て下さる地域の方が一人で立ち寄ってくださいました。自然な流れの中で、気が付いたら小さな頃の話を伺っていました。

考えてみると、学生が座布団を敷いたときに「僕はこの年になって、椅子の方が楽なんだ」とおっしゃったあたりから話の流れが始まったのでした。

「百姓」をしていた実家での暮らし。「おくどさん(竈)」で作っていた料理、「炬燵」と呼んでいた布団で暖を取る道具、「休みの日」に魚釣りやハイキングをしていた「サラリーマン」の子どもと百姓の子どもだった自分、いやいや田を鋤いていた牛と自分…。たくさんの逸話が散りばめられていました。

僕の印象に強く残ったのは2つ。

一つは、当時学校に2,3割しかいなかったという公務員やサラリーマンの家への思い。「ふわふわしたものにイチゴを乗っけて食べる『ケーキ』というもののことを僕らは想像した」、「僕らが板きれをもって走り回ったり、百姓をやっている時分に、魚を釣りにいったり、ハイキングをしたりしていた。

僕は当然、このあと「それがうらやましくて仕方無かった」と語られるのだと思っていました。ところが、後に続いたのは「そういう話を聞くのが、楽しくて楽しくて!」という言葉。

「自分は将来サラリーマンになりたいなあ」と思い続け、実際にサラリーマンになるのだけれども、子どもの頃はあくまで百姓である自分を受け入れていたようです。「勉強ができる人は勉強で一目置かれるし、そうでない人たちにも、それぞれ一目置かれるようなことがあった」、「みんな平等だった。いじめもなかった」という語りにも人生観がみてとれます。

もう一つ印象に残ったのは「子どもの頃は、さみしかったけど、人間愛があった」という言葉。それまでもそのあとも、思い出(語り手にとっての事実)を淡々と語っていた中で、ほぼ唯一、当時を振り返っての今の思いが吐露された瞬間でした。

かたつむ邸での実習は、地域と学生との交流だけではなく、調査、活動、そしてさらに教育の場でもあります。学生が地域の方と語る中で会話の仕方や礼儀作法を学んだり、昔の生活のことを知ったりするに留まらず、どのように語りを展開し、記録し、活かしていくのかという質的調査法の知見も伝えていきます。とはいえ、実習なのであくまで行動の中での学びを旨としてはいますが。

今日、こんな語りがありました。

(カゴメの工場にグリーンピースを届けると、ジュースが飲めたという話から。)
笠井「普段はジュース、飲めないでしょ」
語り手「そらそうや」
笠井「サラリーマンの家では、何を飲んでいたんですか」
語り手「牛乳。ヨーグルトも食べてたなあ」
笠井「XXさんの家ではどうですか。麦茶?」
語り手「麦茶、番茶、水…。何を飲んでいたかなあ。何か飲むとかいうことでもないし」
学生「僕のおばあちゃんは紫蘇ジュースを飲んでました」
語り手「そやそや。紫蘇ジュースは飲んでた。梅ジュースとか」
学生「手作りの」
語り手「そう、手作りの。それは飲んでたなあ」

これ、学生の「おばあちゃんが紫蘇ジュースを飲んでいた」という介入、すごくいいわけです。学生は、この日の話、いろいろと理解できていないこともあったのですが、それでも興味を失わずに語りの生成の場に参加しようとしていた。そして、たぶん彼が発言しなかったら、僕が数時間話していても絶対に聞き出すことができなかった(本人も忘れていた)語りを生んだ。

生まれた語りに何の意味(意義)があるのか、というのはまた別の話ですが、知識や経験は人それぞれに違うので、語りの場に誰がいるかによって語りは異なるし、どんな人でも語りの場に貢献できるというごく当たり前だけれども大事なことが再確認できました。

2013年度もよろしくお願いいたします

2013年度になりました。龍谷大学での教員として2年目が始まります。初年度は周りの先生方に親切丁寧にいろいろと教えていただき、また励ましていただきながら楽しくやりがいを持って仕事にあたることができました。

今年度も多方面でいろいろな仕事に関わらせていただきます。私の教育・調査研究・地域連携は通底するテーマを「語りから未来を紡ぐ」として展開していきます。学生たちが地域連携プロジェクトで考えてくれた「かたつむプロジェクト」という名前を使わせてもらうことにします。いくつか今年度の中心となりそうな仕事を2つほどご紹介します。

もちろん、ここに紹介する以外にも、社協相談員の方のライフストーリー出版プロジェクト、大津エンパワねっと、被災地への学生引率、フィリピン実習、生涯学習講座などさまざまなものがありますが、それらはまたこのBlogでゆっくりと紹介していきます。

かたつむプロジェクト in 栗東

http://katatsumu.main.jp/ritto/

栗東市目川・岡地区で地域住民の皆さま、栗東市と連携したまちづくりを目指しています。交流促進、愛着醸成、志向の把握といった3段階を、地域の方たちと語らう中で進んで行きたいと考えています。また、10月には昨年度有志学生が企画運営に携わった「東海道ほっこりまつり」を今年度も共催するとともに、小槻大社例祭などの地域行事にも積極的に携わっていきます。

同連携についてはコミュニティマネジメント学科の「コミュニティマネジメント実習」として今年度より正式に教育プログラムに位置づけられることとなりました。同実習の拠点として目川・岡地区で民家(「かたつむ邸」)を利用させていただくことになり、本日より利用を開始しました。実習拠点ですので、引率教員(私)と実習学生がいないと使えませんが、学外の方との交流も教育効果の高いことと思いますので、ご関心のある方は事前にご連絡いただき、日程調整の上でかたつむ邸に足を運んでいただければ幸いです。

CIAS共同研究

http://katatsumu.main.jp/

数年前から研究チームとして切磋琢磨してきた「カタリスト」の研究プロジェクトが京都大学地域研究統合情報センター(CIAS)共同研究として採択され、この4月から2年度間の研究を行います。これまでは調査研究に関しては、質的調査が中心であるという共通点しかありませんでしたが、この共同研究によりテーマも共有して初めて本格的にチームとして動くことになります。

今年度は新メンバーも2名以上増える予定で、例年通り合宿を通じて互いに刺激を与えつつ、今後は社会にも成果を問えるように努めます。また、カタリストにアウトドア用品をくださった方たちがいらっしゃるので、今後はアウトドアを入れたり、研究室や宿を飛び出した現場性の強い合宿を企画するつもりです。

カタリストは、語りを中心とした調査研究の方法論を作ろうとしていること、また、それを実際に社会で生きる形で用いることを目指しています。今回のCIAS共同研究では、物語に着目した参加型調査の過程をコミュニティづくりに活かすという試みです。カタリストにご関心のある方はお気軽にご連絡ください。

エンパワ6期生 第3回まちカフェ

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龍谷大学社会学部には、学科横断の教育プログラム「大津エンパワねっと」があります。2012年度から運営委員として携わっていましたが、2013年度からは授業担当教員としてより密に関わることになりました。特に大津市の中央学区を社会学科の脇田先生と一緒に担当します。

今日(3月12日)は6期生のチーム「わいるどもんきー」が先輩たちから引き継いだ「まちカフェ」の第3回目を行うということで参加してきました。テーマは高齢の方たちの活動ということで、「しなやかシニアの会」と「おやじのたまり場」からそれぞれお話をいただきました。

参加した地域の方が「すごい企画力を持った実力集団で驚いた」とおっしゃっていましたが、まさに。助成金をきちんととってきて、地域の方たちが楽しめるイベントを企画して、町家を借りて…。また、それぞれの得意な分野を活かしながら普段の活動をされているということで、まさに「居場所」なんだなあと感じました。話者同士の繋がりも今回のまちカフェを通じてより強くなったように感じられました。

学生たちも、まだどのように場を活かしていけばいいか手探りの段階かもしれませんが、笑顔が絶えず、爽やかに声を出していて心地よかったです。